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生まれ変わったら神樹だった  作者:


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意外にあっさり

あーあ、割れちまったよ、俺の般若の仮面。

気合入れて作ったからそれなりにショックだなー。綺麗な断面で斬られちゃってるよ。


「おいおい、どんな面が出てくると思ったら本当に人間のガキじゃねぇか。」

「何だと思ったんだよ……」

「変装の魔法を使った何者かとな。」

「ンな魔法使えねぇよ。」


というより、俺魔法というものを使っていない気がする。

本能的に木を生やしたり果実を生み出したりしているが、正確には魔法じゃない。……何かと言われれば俺もよく分からないんだけど。

だがまぁこれで俺が人間……じゃないけど人間っぽいことは分かってくれたはずだ。


「これで分かっただろ?俺は人間だ。だから剣を向けるの止めようぜ?」

「いいや、嫌だね。」

「は?」


何言ってるだコイツ。俺が人間だと分かって闘うの止めて回れ右してゴートゥーホームの流れじゃないかな。

そんな血走った目で楽しそうな顔して……獰猛な獣のそれだな。


「もうお前が人間だろうと魔人族だろうと獣人族だろうと善人だろうと悪人だろうと関係ねぇ、純粋に殺り合いたくなったんだよぉ!」

「はぁっ!?」


確信したぞ、コイツ強い奴を求めて戦い続けるただの戦闘狂だ。

殺し合いの中に生き様を感じるタイプの人間、つまるところ――俺の苦手な人種だ!

あ、後ろのレリィが大きくため息ついているのが見えた。もしかしなくてもいつもの事か


「うぉら!」


アランが剣を振り上げるとそれに答えるように地面が隆起し爪のような形を取り俺に襲い掛かって来るではないか。

何じゃらコレ、スキルか?

まぁ力は感じられるが脅威に感じるほどではない。所詮は土、根っこで縛って固定させてもらった。

この手は効かないと判断したのか、アランは再び剣で連撃を繰り出してきた。

先ほど同様避けに徹するがやはり剣を振るうスピードは上昇し続ける。


「チッ!レリィ!援護しろ!」

「えっ!?う、うん!彼の者に剛神の加護を"プラス・パワー"!彼の者に瞬神の加護を"プラス・スピード"!」


ほう、詠唱系の魔法か。それも強化系魔法か……アランの動きが目に見えて変わったな。

本当に筋力や速力が増したようだ。

流石に避けきれなくなったので今度は木刀で受け始めることにした。

……あれ、思った以上に攻撃重くないな……こんなものなのか?


試しに鍔迫り合いしてみようか。

こう、剣の腹?に当てるように俺の木刀も当て――


「なっ!?ぐはっ!」


アランの体が衝撃により吹き飛ばされ、レリィの横を通り過ぎ木に直撃した。

あらら。


「え、アラン!?」


何が起こったか理解できずに呆然としていたレリィが現実に引き戻され、木にもたれかかるアランに駆け寄る。

うそん、俺オスニエル王子の頭小突いたときよりちょっと力入れただけだよ?

何そんなオーバーリアクションで吹っ飛んでくれちゃってるの。俺の方がビックリしたよ。

死んではない……よね、ぴくぴくしてるし。

レリィが何やら魔法を唱えているが、手から光がこぼれてそれがアランの体を包み込む……回復魔法か?


「おーい、大丈夫かー?」


俺の声に真っ先に反応したのは意外にもレリィだった。

アランの前に立ち盾になるかのように腕を広げ俺を睨む。


「こ、これ以上アランに近付かないで!」

「……戦い挑んできたのそっちの癖に。」

「で、でもっ!」

「べっつに戦うつもりないからいいよ。ほら、これ。」


適当にみかんでも作ってレリィに軽く投げ渡す。

少しわたわたと手のひらの上でみかんが跳んでいたが何とか受け止めた。

不思議そうにみかんをみつめるレリィ。あぁ、食べ方教えて上げなきゃいけないんだった。

皮の向き方を教え、アランに食わせてみろと言うと怪しげにこっちを見たが不承不承とみかんの一切れをアランの口に押し込んだ。


みかんを生成する時にまぁ元気になればいいなーと思いながら作ったからきっとアランも――


「ぐ……あ?レリィ?」

「アラン!」


お、良かった良かった。目を覚ましたようだな。

あらあら、レリィったら抱き着いちゃって。で、気付いて顔真っ赤にして離れちゃって。

もしかしてそういう感情持っていたりするのか?


「よう、ご機嫌如何かな?アラン君。」

「チッ、てめぇに助けられたのかよ。」

「俺はお前を元気にしただけだよ。傷を治したのはレリィだ。彼女に感謝するんだな。」

「そうかよ……すまねぇな、レリィ。俺が暴走しちまって。」


いやぁ本当にな。

アランの戦闘狂っぽいところは病気のようなものか。

話を聞く限りじゃ血が滾って抑えられないとかそんな感じか。レリィもよく付き合うなぁ……あぁそれでも付き合うほど……ふぅ~ん?


「何ニヤニヤしてんだよクソガキ。」

「さぁねぇ?」

「ごめんなさい、アラン。元々は私が花畑が見たいなんか言い出したせいで……」

「あ?知らねぇよ。俺が行きてぇって思ったからだ。お前が気にすることじゃねぇ。」


ふーん、この2人がここに来たのは花畑を見るためかーそうかそうか。

……ん?


「あれ?お前ら商人の依頼を受けて来たんじゃねぇの?」

「商人の依頼……?ちげぇよ?」

「え?」

「は?」


……あれ、俺もしかしてとんでもない間違いしてた?

読んでいただき有難う御座います

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