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生まれ変わったら神樹だった  作者:


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黒ローブの下は

派手な俺たちの登場にまず反応したのはオスニエル王子だ。


「ぐ、愚民!?」


オイ馬鹿、驚いてこっち見てる場合じゃないだろうが!

王子の隙を好機と見たかローブの不審者は手に持った短剣で王子に躍りかかる。

だがその短剣は王子に届かず目前で突如として現れ焔の壁に阻まれた。

もちろん王子の力ではない、俺の後ろにいるアラキファの力だ。

不審者は焔の壁に何かを察し大きく後ろに飛び上がり、俺たちはその隙に王子と不審者の間に割り込む。


「お久し振りね、エルベルド。随分な格好じゃない。」

アラキファは失った左腕の肩を抑え苦痛に顔をゆがめているエルベルド王に語り掛ける。

久しぶりという事は2人は面識あるのか。


「おぉ、またそのお姿を見ることになろうとは……」

「貴様!王たる父上を呼び捨てにするなど何を」

「恐れ多いぞ、オスニエル!!」


うん、王子。知らないとはいえ神様を貴様呼ばわりは駄目だよね、そら王様に怒られますよ。しかも君、炎神の加護受け取ってるんでしょうが。

にしてもエルベルド王、重症だな。彼の強さを見たことは無いが、王というのであればそれなりの力を持っているはずだ。

どう考えても王を追い込んだのはあの不審者だ。王子も押されてたっぽいし実力者か。


「はぁ……もう何で私の加護を色濃く受けた人間ってどうしてこう……あぁ今はそんな場合じゃないわね。エルベルド、傷を見せなさい。止血するわ。」

「え?アラキファ治癒魔法とか使えるの?」

「使えないわよ?」

「え?じゃあどうやって止血を……」

「焼くの。」


「「え?」」

俺と王子の素っ頓狂な声をアラキファは聞き流しアラキファは右手に焔を宿す。

え、マジでやるの。いや確かにそう言う止血方法があるって漫画で読んだことはあるけど、アレをするのか……痛そうなんだけど。

エルベルド王は覚悟を決めているみたいだ……後で薬草上げよ。


「そういう訳でウルトル、あのローブ貴女に任すわよ。結構これ集中しなきゃいけないから。」

「了解。」


俺が治療してもいい気がするんだが無駄に力を使うなという事なのかな?確かに薬草作るの普通の植物作って操作するより力は使うっぽいけど。

言われた通り不審者捕まえますかね。

ん、肩を掴まれ……王子何やってるんすか。そんな目をギラギラさせて


「愚民、貴様が何故ここにいるかは今は問わぬ。だが奴を、父上を騙した奴を仕留めるのはこの俺だ!」


へぇ、あの不審者、エルベルド王出し抜いたのか。いやまぁあんな囮を用意した奴と同一人物ならそれもできようか。

いや、でもね王子。


「邪魔。」

「うおぉっ!?」


ポイしちゃいました。俺の肩を掴んで前に出ようとしたんで肩を掴み返して後ろに投げちゃいました。

あ、腰強く打っちゃったかな……すまんね。心の中で謝っておこう。


「愚民!貴様何を」

「王子今疲れてるでしょ。そんなんであれに勝てるわけないでしょ、苦戦してたくせに。いいから俺に任せてくださいよ。俺王子に勝ったんだし。」

「ぐっ……」


最後の勝利宣言が利いたのか、王子は黙る。それなりに根に持っているようで何より。

さて、俺を止める者はいなくなったな。これで心置きなく不審者を捉えることが出来るよ。


「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

「ほら、騒がないの。男の子でしょ?」


うん、聞こえない。悲鳴あげているエルベルド王の声なんて聞こえない聞こえない。それを冷静に返しているアラキファの声も聞こえない聞こえない。

……っていうか不審者め。


「よくもまぁ律儀に待っててくれたね……お婆さん。」


そんな黒ローブ着込んでもダメよダメダメ。変な婆さんもといお姉さんだったからね。何となく分かるのよ、気配かどうかは知らないけど。

皮肉たっぷりの俺の発言に不審者はその黒ローブの中から小さく笑う女の声が聞こえる。


「いきなり現れた謎の人物に襲い掛かるほど私は愚直な人間じゃないのよ?坊や。」

言い終えるとおもむろにフードを脱ぐ不審者。

その下は褐色の肌、銀髪。そして尖がった耳が特徴的な妖艶な女の顔が現れた。

まさにダークエルフ、とでもいえる顔だ。


「おっとビックリ。そんな顔をしていたんだね。しわくちゃの婆さんじゃなかったんだね。」

「ふふ、気づいておいてそんなことを言うなんて悪い坊やね?お姉さん傷ついちゃうわ?」

「嘘つけやい。ただの一般市民に呪いかける女が傷つく心なんてあるのか?」

「失礼ね?私にも心はあるのよ?」

「ふぅん呪いに関しては否定しないんだな?」

「気づかれている相手に今更とぼけてもねぇ?」

「それもそうだな!アハハハハハ!」

「フフフフフフ」


謁見の間に響く俺とダークエルフの笑い声。まず最初にその流れをぶち破ったのは――


俺だ。


床を蹴り一気にダークエルフの懐に潜り込み木刀を叩き込もうとするが


「あら、そう言うのはレディファーストじゃなくて?」


これはびっくり。いとも簡単に俺の木刀はダークエルフの短剣によって阻まれた。

いや、王子よりも強いっぽいなら出来なくても不思議じゃないか。

にしてもレディーファーストなんて文化ここにもあったのかよ。


だが初激を止められたとはいえ、懐に入ればこっちのもんだよね。

俺は木刀に力を籠め木刀からツタを生やし、ダークエルフを捕まえにかかる。

しかしダークエルフ、これまた素早い反応でこれに対応。後ろに下がり距離を取り襲い掛かるツタを短剣一本で切り刻み、これを逃れる。


ならばと次は木刀を大木槌に変化させ思いっきり横薙ぎに振るう。縦だと潰しちゃうからな。

これもあっさりと避けられる。うーむ、思った以上にコイツ厄介だな。ちょこまかと。


「お姉さん何者だよオイ。流石にここまであっさり避けられるとは思わなかったんだけど。」

「それはこっちの台詞よ坊や?呪いをかけたつもりなのに何でピンピンしているのかしら?」


え?呪いなんて受けた感覚無いんだけど……もしかして初激受け止められたとき?

うわ、抜け目ねぇなこの女。怖いわ。

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