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生まれ変わったら神樹だった  作者:


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お誕生日おめでとう

『あーそうだ。お前に体をくれてやるってんだ!そもそも名前が付いた時点でくれてやるつもりだったんだがな!』


名前がついて時点でって……そりゃ嬉しいですけどそれならグンダル様が名付けてくれれば良かったんじゃないんですか?

『馬鹿野郎。俺が名付けたら意味がねぇんだよ。人に名付けられることが神に近付く第一歩なんだ。』

人に名付けられることで……神に近付く?


『信仰には必ずと言ってもいいほど名前が必要だ。俺も元はただの概念だった。しかしどっかの誰かにグンダルという名前を付けられ、お前も見た俺の神としての姿が生まれたんだ。』

よく分からないんですが。


『……まぁ名前は重要なものと覚えておけ。逆に名前を失ったらお前は神じゃなくなるからな。』

は、はぁ。グンダル様結構賢いんですね。第一印象そんなに威厳なさそうに見えましたから。

『体やらねぇぞ?』

あ、ドスの利いた声だ!すんませんすんません!マジ調子に乗っていました!グンダル様本当にすいません!


『まぁいいけどよ。んじゃあさっさとくれてやるかねぇ。そろそろ休憩時間終わるし』

休憩中に俺に顔を出してくれたのかグンダル様。結構面倒見良いのかもと思ったけどそう言えばこの人俺の事すっかり忘れていたんだった。


『よし、これでOKっと。ウルトル。お前が体を得るのは次に名前を複数人から呼ばれたときだからな。その時は覚悟しとけよ?』

何ですかその忠告?もしかして凄い痛い思いするとかやめてくださいよ?

……あれ、グンダル様?返答しなくなった?あれ?休憩時間終わった?


マジか、今から緊張してきた。

振り返ってみると結構条件きつくないですか?名前を複数人から呼ばれたらって。これもしかして呼ばれない可能性だってあるんだけど?

……まぁ最悪体を手に入れなくてもいいか。この木の体も慣れてきたし?

いや、これは嘘だな。体凄い欲しい。会話したいからな。


グンダル様との対話を終えて意識をパーティーに戻すと結構散らかっていた。

いやこれいいのかよ。後でメイドたち泣きながら片付けるんだろうなぁ。

ラディさんもレナさんも酔っぱらってお顔真っ赤だ。

確かにめでたい日なのは分かるけどハメ外し過ぎじゃないですかね?


ユッテはというとフィーレさんと一緒に何やら遊んでいた。

もちろん俺は誰にも構われてなかったよ。木だからね、仕方はないんだけど暇ではあるよね。

……あれ、俺体得る機会本当に来るんですかね、今から不安になってきた。


そんな俺の気持ちなど誰も察せるわけもなく、パーティーは次第に終了へと近づいていった。

誕生日パーティー最後はプレゼント渡しのようだ。

メイドたちからは1人1人送ると流石に嵩張るからということで全員で1つということで少し大きめのクマの人形が送られた。

ユッテより大きいなこの人形、相当高いものなんじゃないのか?


「ユッテ、私からはこれよ。」

レナさんが渡したのは……指輪?どうやらこの指輪、着用者の指のサイズに自動的に合わせて大きさを変えるもので、さらに魔法の補助にもなるという。

実はユッテはこの指輪を相当欲しがっており、たまに俺にこの指輪がどれほど素晴らしいかわざわざ(一方的に)話に来るほどなのだ。

「お母様、ありがとうございます!」

感動のあまり、ユッテは涙を浮かべ、レナさんに抱き着いていた。

あぁ、いいなぁ母娘の愛情。


「私からはこれをあげよう。勉学に励めよ?」

ラディさんのは、これは万年筆だよな。でもどこか高級そうだな。

これにはユッテは一瞬微妙な顔を浮かべたがすぐに笑顔に戻りラディさんに礼を言っていた。

気持ちは分かるけどね、誕生日プレゼントに勉強道具渡されても相当勉強が好きじゃない限り嬉しくないと思う。


「さて、パーティーももう終わりとしようか。それでは最後に……」

ラディさんの言葉にユッテを除く全員が立ち上がった。

ユッテは何が何だか分からずキョロキョロとしている。

全員が視線を合わせ、軽くうなずく。息を大きく吸うと一斉に


「「「「「「ユッテ(様)とウルトル(様)、誕生日おめでとう(ございます)!!!!」」」」」


「わぁ!みんなありがとうございます!」

……あ、名前呼ばれた?

俺が名前を呼ばれたのを認識したと同時に俺(木)の体が眩しく輝き始めた。

「えっ!?」

ユッテがいきなり発光しだした俺に目を向ける。

もしかしなくても、俺これから体が手に入るのか!?

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