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生まれ変わったら神樹だった  作者:


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感染源?

「あら、凄いことになってるわ。」


高速移動が終わったかと思うといつの間にか空飛んでますよ。……ん?何かおかしくないか?何でアラキファの顔が近くにあるんだ?

ってかこの体勢ってもしかして


「何でお姫様だっこされてんだよ俺!」

「あら、あなた子供だからこれくらいでいいんじゃない?離しましょうか?」


それは勘弁してほしいけどこの格好も止めてほしい。御姫様だっこじゃなくともおんぶという手があるじゃないか!あ、それも嫌だわ!

えぇいもういいや。アラキファが楽しそうな顔をしているのは気に入らないが、今の俺飛べないからなぁ……


それよりも下の様子だ。

喧騒がうるさくてうるさくて仕方ない。

うーむ、フォルクスの言った通り老若男女、年齢問わず暴れているなぁ。

壁を壊したり火を放ったりお互い殴り合ったり見るに堪えないなぁ。

その中に老人や子供も混じっているのが心が痛む。

騎士の格好をしたものが暴徒化していない人たちを誘導したり押さえつけて縄で縛っているようだが……

圧倒的に数が足りない。次第に騎士たちも人々の波に呑まれていく。


そして……あの気配だ、間違いない。

ここから見ただけでも不快に思える気配が暴徒から漂ってくる。


「ウルトル、あの気配が私がここ最近感じる気配よ。あなた的にはどうなの?」

「うん、間違いない。俺も知っている気配だ。」


あの時のウォーウルフもそうだが皆目がイっちゃってるなぁ。獣のように暴れている。

最悪のパターンだな。魔物だけにとどまらず人間まであの気配に乗っ取られるとは。

これは脅威と思わざるを得ないだろう。

とと、今は気配の事を考えるよりも鎮圧からだな。こうしている間に人も建物も壊れている。それは避けねばな。


「アラキファ、どうする?」

とりあえず先輩神であるアラキファに聞いてみようか。もしかしたら彼女にも何か案があるだろうからな。


「そうね、まずは住民たちを縛り上げてくれない?私はそういうの苦手だから。」

――割と普通でした。

まぁ確かに炎神であるアラキファじゃあ物を縛るというのは難しいだろう。それに引き換え俺はツタを生やせばいいだけなんだからな。

言われた通り俺は力を行使し、地面からツタを生やし暴徒たちを一斉にぐるぐる巻きにしてものの数秒で全員縛り上げた。


「ご苦労様。それじゃあ下に降りましょうか。」


そう言うとアラキファは少しずつ足の火の噴射の勢いを弱めてゆっくりと地面に降下しふんわりと地に降り立った。

流石神様、そう言う登場の仕方も様になってますなぁ。

俺はただひたすらに恥ずかしいんだけどさ。


縛り上げられた人々は目をひん剥き俺たちを睨む。うゎこゎぃ。

うーん、ギリギリという音が聞こえるんだがこれツタを引きちぎろうとしているのか。王子の火の鳥を捕まえたときと同じツタなはずなんだけど……本当に肉体強化されているみたいだな。


「どうしましょうかね、この人たち。」

指で突っつこうとすると噛みつこうと歯を剥くのはさながらゾンビのようだな。

怖いから猿ぐつわ作って噛ませておこう。


「そうね……とりあえず調べてみましょうか。」

「調べるっても」

どうすりゃいいのかさっぱりわからんのだが。


アラキファはというと暴徒たちを1人1人見て回っている。

俺もそれに倣って見て回ってみたが……ん?何か違和感がある。

なーんか、気配の強弱がある気がする。


「ウルトル、こっちに来て。」

「?ハイ。」


呼ばれたから行ってみるとそこには1人の女性。だけど見た目も普通の女性だし他と一緒で暴徒で俺たちを睨んでいる。

いや、この女性見せられただけでどうと言われても


「分からない?」

「分からないよ。分からないから教えて。」

「あらあら、しょうがないわね。」


あのアラキファさん、正直に答えたんだからそんな馬鹿にしたような目は止めていただきませんかねぇ!

これはアラキファさん俺を思いっきり子ども扱いしているな。彼女からしたら本当に俺の神様歴は赤ん坊みたいなものなんだろうけど。


「はぁ……まぁいいわ。この人の指輪見てみなさい?ほらこの木の指輪。」

「へ?木の指輪?」


女性の手を見てみると、おや本当に木の指輪が付けられているな。

この指輪、あの気配を濃く纏っている。あぁ、もしかしてこの指輪、元凶?感染源?

んでもってこの指輪、見たことあると思ったら


昨日の出店婆さんの指輪じゃん。あれ、呪いが付いているなーとは思っていたから晴らしていたけどこんな効果だったんだなー、アハハ。

……あれ?この騒動、俺があの時全部の呪い消していたらこんなことにはならなかったんじゃあ……


まぁ今更仕方ないか!


「何考えてたの?」

「いや、あの、まさか指輪が感染源とは思わなかったなーって……あ、浄化します?」


……そんな疑わしい目つきしないでくださいよ、アラキファさん。暑くないのに背中に汗が流れているんですけどこれはどういう汗なんですかね?


「まぁいいわ。浄化できるならお願いね。私が燃やしてもいいけどそれじゃあ指輪そのものまで燃やしちゃうから。木にかかってる呪いならあなた専門でしょ?」


ま、簡単だからいいんですけどね……俺が念じると呪いは消滅し、女性からもあの気配が消え去った。

すると女性はまるで糸が切れた人形のように意識を失い力なく倒れた。

呼吸もしているし気絶しているだけだろう。


「割とあっさり消せるのね……ん?」

アラキファさんが何かに反応し後ろに顔を向ける。俺もそれに合わせて後ろを振り向くと、暴徒の集団のうち何人かが倒れていた。

女性と同じように気絶しているようだ。

もしかして……この指輪の呪いって連動している?

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