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生まれ変わったら神樹だった  作者:


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囲まれたかと思いきや

王子は俺が突き飛ばしたことで体に理解が追いつけず、受け身が取れず、そのまましりもちをついた。

「き、貴様ぁ!王子に何をするかっ!!!」

お、動き出しが早いな。他の騎士たちは未だ固まっているのに、その内の1人が真っ先に俺に向かって突っ込み斬りかかってきた。


もちろん大人しく斬られるわけには行かない。俺は袖口のあたりである物を生成する。それで剣を折ってやろうとしたとき――


「ウルトル様に何てものを向けるんですかっ!!」

瞬時にフィーレさんが割り込み、拳で剣の樋の部分を殴り真っ二つに折ってしまった。ちょっと待って、何も装備していないただの拳で剣折った!?


「フィ、フィーレさん手大丈夫なの?」

「全然平気ですっ!」


あ、大丈夫みたいですね。フィーレさんもしかして武神とか言われてない?

それとも拳を極めたものはこれが普通なのか?何その化物。

しかし、やっちゃったなー。ついイライラして突き飛ばしちゃったよ。手加減は流石にしたけどさ。


王子を突き飛ばしたんだもん、そりゃ騎士たち怒るよね?

でもさ、俺もそれなりに怒ってるんだよね。

ユッテに乱暴しようとしたところとか特にね。


「何をぼーっとしているか貴様ら!この愚か者どもを囲め囲め!!」

俺に斬りかかって来た騎士の一声で周りの騎士も現実に引き戻され、言われた通り俺たちを取り囲む。

うーん、これは軽率なことしちゃったな、別に後悔はしてないんだけどさ。

ラディさんに謝っておこう。


俺たちを囲む騎士がじりじりと迫ってくる。

別に突破してもいいんだが、今は自重すべきだな。頭の中でキイがそんなことを言っているような気がする。

だからその迫って来るのに乗っかって後ずさりしよう。じりじり。


次第に俺たちは一か所にまとめられ、背中合わせとなる。

「いやぁ、父さんごめんねーこんなことしちゃって。」

「何だウルトル、謝っている割には軽い言い様だな……だが、よく言ってくれたよ。流石に私も、王子のあの態度は許せない。ただ王の手前そうも言えなくてなぁ。」


おや、ラディさん。腹の中では怒り心頭でしたか。今の今までキリッとした表情を崩さなかったのは一時の感情に流されて行動しちゃいけない侯爵としての意地か?


「しかし参った。どうこの状況を切り抜けるか……」

俺たちを囲む騎士の数は結構多い。どこから湧いて出たんだよコイツ等、フィーレさん、アイヴィーさんもこの数相手はきついだろう。

じゃあ俺がやるしかないのかな……?うーん。


俺が考えたところで騎士たちは待ってくれない。距離も10メートルほどまで迫ってきている。そろそろ襲い掛かって来るな。

最悪俺が全部吹き飛ばすしか道はなさそうだ。ギリギリまでメイド2人に戦ってもらおう。


「かかれええええええええええええええええ!!!」

騎士の集団の中から誰かが声を張り上げ、それを合図に一気に騎士たちが流れ込んで――


「鎮まれこの馬鹿者どもがあっ!!!」


まるで雷が落ちたような怒声が謁見の間に響き渡り、騎士たちの足が止まる。と言うか痺れたように震えながら固まってしまった。

何だ今のは……声なのか?これが人間に出せる声量なのか!?声で城の一室が震えているぞ?

そんな声を発したのはエルベルド王だ。いつの間にか立っていた。

鼻で荒々しく息を数回しドッカリと椅子に座り直す。


「え、エルベルド王……」

横にいた宰相が目に涙をためながらつぶやいた。うん、あんたが一番近かったから怖かったんだよな。


「剣を収めよ。」

短く、端的に騎士たちに命令を下す。

「しかし王よ。」

「収めよと言っている。」

これ以上何も言うなとばかりに騎士たちを睨みつける。


「今のはオスニエルが悪い。」

「父上っ!?」

王子が信じられないとでも言いたげな顔をエルベルド王に向ける。

やっぱりエルベルド王はまともなんだな。


「オスニエルよ、恋をするのは一向に構わぬ。それに関しては咎めはせぬ。しかしお前は相手の意志を無視したな?望まぬ相手を妃……ましてや妾だと?思いあがるな、王族と言えど絶対ではない。」

その口調は堅苦しいものではあるが、その顔は子供を諭す父親のそれだった。

いや本当にどうしてあんたの遺伝子からこんな子供が生まれるんだよ。


「とにかく、この者たちに一切の危害は禁ずる。……さて、私は別の用事がある。ルーマル侯爵よ、済まなかったな。」

「い、いえ……」

そう言えば、王は忙しいとか何とかいってたな。次の仕事があるのだろう、宰相を伴ってどこかへ行ってしまった。


……おいどうすんだこの空気、エルベルド王。あんた、最後にとんでもない空気をプレゼントしてくれたな。こんな重い空気の中でだれが口を開けようか、いや、無理だ。


「え、えーっとルーマル侯爵御一行様……とりあえず門までご案内します……」

恐る恐るフォルクスさんが俺たちに話しかけてくる。こんな空気の中動けるなんてあんた出来た執事だよ……

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