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生まれ変わったら神樹だった  作者:


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34/89

ついに到着

草木も眠る多分丑三つ時。ユッテにラディさんも寝ている中俺はというと、起きていた。

どうにもあの木の中じゃないと眠れないみたいだ。枕が無いと眠れないの上位互換だな。いや、下位互換か?

だからと言って馬車の中で一夜を起きたまま過ごすのはぶっちゃけ暇でしょうがない。


音を立てずに気を付けてそーっと馬車から降りてみるとそこには

「あ、ウルトル様じゃないですか。」

「フィーレさん。起きてたんだな。」


フィーレさんがめらめらと燃える焚火の前に座っていた。その横にはアイヴィーさんが静かに寝息を立てていた。


「もちろんですよ、私たちは護衛なんですから。寝ているうちに襲われたら駄目じゃないですか。」

それもそうだ、フィーレさん達は交代で寝ているのだろう。そうすれば、いざ敵対生物が襲ってきたとしてもすぐ対応できるからな。

俺たちが安心して寝ていられるのは彼女たちのおかげだ。


「ウルトル様こそどうしたんですか?眠れないんですか?」

「そんなところだよ。だから馬車の中が暇で暇で……散歩行ってきちゃ」

「駄目です。」

「ですよねー。」


まぁその答えは予想通りだったからそこまで残念じゃない。と言うか散歩に行きたいとかこんな状況で行っちゃだめだよな。反省。


「散歩は駄目ですけど……そうですね、ウルトル様。私が眠ってしまわないよう、話し相手になってもらえますか?」

とまぁ小首を傾げて可愛らしく頼まれたら誰が断われようものか、いやない。

俺はその頼みに応じ、フィーレさんと他愛のない話を長々と続け、途中アイヴィーさんと交代して彼女とも、朝が来るまで真夜中の雑談を繰り広げた。


夜は明け、俺たちルーマル家一行は再び王都への旅を再開した。

途中魔物が現れればバッタバッタとなぎ倒し、途中すれ違う商人さんに挨拶したりとまぁ大きなトラブルもなく平々凡々と馬車は進んだ。

少しばかり面白いことが起きないかなと思ったのは内緒だ。あくまで王都に行くのが最優先なのだから変にトラブルもあってはいけないからな。


ユッテも昨日の一件で頭に刻み込まれたのか、本を読むことは無く、外の景色を眺めたり俺たちと話したりすることで過ごしていた。

聞くところによるとユッテも王都は初めてだそうだ。だから王都で自由時間が出来た際は一緒に見て回ろうとお誘いをいただいた。

まぁ元より王都の探索はするつもりだったし、探索するなら1人より2人の方がいいだろう。何よりユッテの頼みなら断らないわけがない。

約束を交わすとユッテが嬉しそうにはにかんだ。うん、可愛いな。



朝、旅が再開し5時間ほどたったくらいか、今まで必要なこと以上を離さず沈黙を貫いていた御者さんがついに

「旦那様方、王都が見えましたよ。」

と大きめの声で呼んだ。


その声に反応して窓から顔を出して馬車が進む方向を見てみると

「ほぉー。」

思わず声が漏れた。いやぁあれは現代社会じゃお目にかかれるようなものじゃないよね。

俺が外を見て真っ先に目が入ったのは

何ともまぁ大きい城であった。

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