バレテーラ
目が覚めたのはいいんだが……ここは、見る限り大きな屋敷の庭か。
どうやらここが俺の新しい住まいのようだな、屋外だけど。
っていうか視界低っ!?殆ど地面しか見えねぇ!
あ、でも白い板のようなものが目の前にある。
これは柵か?もしかして俺を保護してくれているのか……
しかしどうしたものか、すっごい暇だ。
動けないし喋れない。視点も固定だからこれ転生先本当に間違えたんじゃないのか?
まぁ日当たりもいいし風も心地いい。足元?いやこの場合根元か、根元の土も表現しにくいがいい感じだ。
木としての本能が良質な土と感じているんだろう。
にしてもこの屋敷本当に大きいなぁー
とか思っているとその屋敷から3人……いや4人か。人がやってきた。
組み合わせは赤ん坊を抱いている女性その人を支える歩く男……夫婦か?
しかも服装割と綺麗だな、この屋敷の主人なのだろうか。
それとメイド服の元気そうな女性、彼女も赤ん坊を抱いている女性を補助しながら歩いていた。
メイドが夫婦を案内するようにこっちに向かって……こっち!?
待って待って、抜いたりしないよな?刈ったりしないよな?
「ラディ様これです!この双葉です!」
「フィーレ、少し落ち着きなさい。この双葉がどうしたというのだ。」
全員近寄ったおかげで足元しか見えないんだけどどうやら俺の話をしているようだな。
俺は今双葉なのか。まぁ木の赤ん坊と言ったところか?
で、メイドの方がフィーレ。男の方がラディか。
「2日前!そうお嬢様が生まれる日に、この若葉がいつの間にかここに生えていたんですよ!すごくないですかすごくないですか!」
「ほう?これはお前が植えたのか?」
「いいえ?私種なんて撒いてないですし他のメイドたちに聞いても知らないって言うんですよー!」
え、俺ってどうやって生えてきたんだろ、あの底なし沼のようなものに飲み込まれてからこの地面に埋め込まれて?それが発芽したのか?
「うーん、そうなるとなんだか不気味だな……摘んでおくか?」
詰むんでやめてください。
いや冗談抜きで止めて!多分抜かれたら俺死ぬ!栄養取れなくて死んじゃう!
しかし声が発せるわけでも無いし体を動かそうにも何かが揺れる感触しかしない。
もしかしてその双葉が揺れているんだろうか?
「あなた、ちょっと待って。」
「ん?どうしたレナ?」
この落ち着いた声、メイドじゃない方の……ラディが支える形で歩いていた赤ちゃんを抱いてた人だな。
「この子を。」
うわ、いきなり2つの膝が俺の目の前に。あ、膝綺麗。
ってあれ?何か日光が遮られている気がするんだけど。
もしかして手で覆われていたりする?
「あなた、この若葉抜いちゃだめよ。」
「どういうことだ、レナ。何かわかったのか?」
「えぇ、この若葉、何かおかしいと思って視てみたんだけど……」
視ていた?何この人俺を見て何かわかるの?
「この若葉からまだ小さいけれど神聖な力が感じられるわ。」
あ、バレテーラ。