正解です。
さて、ラディさんの部屋の前まで来たが、本当に何の用なんだろうな。
全力でユッテを守ってくれとか?もしくは何かおつかいなのか。
まぁここで思案しても仕方ないか、さっさと入ろう。ユッテを待たせるのはよくない。
「父さん、ウルトルです。」
「あぁ、入ってきてくれ。」
扉の奥から声が聞こえたので遠慮なく入らせてもらう。
ラディさんの部屋は初めて入ったが、領主という割には高そうな装飾もないしシックな雰囲気の部屋だ。
俺は結構こういう感じの部屋、好きかもしれない。
それと椅子に座るラディさんの隣にレナさんが立っていた。
「ウルトル、早速なのだが私のところに来たという事は街に行くという事でいいんだな?」
「ええ、ユッテに誘われたんじゃ断れませんよ。何かおつかいでもあるんですか?」
「いやそういう訳ではない……が。ウルトル、すまないが敬語は止めてくれないか?」
ふむ、一応領主さまだから敬語で話した方がいいのかと思っていたんだが、駄目だったか?
「子どもに敬語を使われるのはユッテでもう沢山なんだ。血は繋がってはいないとはいえお前は私達の息子だ。普通の家族のように話してくれないか。」
……いや、そう言ってくれるのは有難いんだが、本当にこの人達領主……貴族なのだろうか?勝手なイメージだが、貴族とは偉そうで家庭でも厳しめなものだと思っていたのだが、どうにもルーマル家は違うようだな
「じゃあそうさせてもらうよ、父さん。」
俺の言葉にラディさんは満足そうにうなずき、レナさんも微笑む。
「うんうん、ありがとうウルトル。さて、本題だ。」
む、何か雰囲気が重くなった気がするぞ?何、そんなに重い話でもするのか?
「ウルトル。率直に聞きたい。君は……何者だ?」
「正直に答えてくれないかしら?」
ふむ、2人の空気が何か変わった気がするな、決死の覚悟?というのが正しいだろうか。
何にせよ今2人は平静を装っているが、心中穏やかじゃ無いように感じる。
「どうしたのさ、父さんに母さん。息子にそんなこと言うなんて。」
「いや、すまないな。でもどうしても気になるんだ。レナが見た君の中にある神聖なる力というものがな。」
あーそうかそうか、そう言えばレナさんには俺の中の力を割とみられているんだったな。
んーどうすっかな、やっぱりこういうのって秘密にすべきかなと一瞬思ったけど別にいいか。
「ちなみに俺の力を見た母さんはどう思っているの?」
「私?そうねぇ。ウルトル、あなたの力を初めて覗いたとき、私は既視感を感じたの。確かあれは私が子供の時……10歳ころかしら?謎の病によって生死の境を彷徨っていたの。」
何とビックリ、レナさん死にかけていた時期があったのか。いや生きててくれてよかった。死んでたらユッテはこの世に存在してなかったんだろうしな。
「それでね、その時夢見たわ……暗闇の中に輝くあなたの力に似た光よ。ボーッとその光を見ていたらその光から渋めの男性の声が聞こえたの。何を言っているかは覚えてないのだけどね?でもあの光は神々しかったわ。」
渋めの男性の声……?いやいや、一瞬あの人のことが頭をよぎったがそんな訳はないよな。いくらなんでもそんな偶然は
「で、目が覚めたの。そしたら不思議なことに体が凄く楽になっていたわ。予想通り謎の病の症状が綺麗さっぱりなくなった……そして何故かあなたの中の力を見たように、色んな人の内にある力が見えるようになっていたの。」
確か死の淵にあった人間が生を取り戻すと不思議な力を得て戻ってくるとかどこかの本で見た気がする。いや、漫画だったか?
そして多分、次にレナさんが口にしようとしていることは何となくわかってきた。
「そこから導き出される答えなんだけど……ウルトル、あなた神様なんじゃないかしら?」
「あ、はい。正解です。」
「「そんなにあっさり!?」」
え、何2人して、正直に答えてって言ったじゃない!




