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生まれ変わったら神樹だった  作者:


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11/89

街に行く前に

「あ、ウルトル様。私そろそろ別のお仕事がありますので失礼します!」

「あぁ。頑張ってな。」


全力疾走で屋敷に戻るフィーレさんだが、あれすっ転んだりしないよな。

あ、やっぱり転んだ。

でもすぐ起き上がって走り去っていった……やっぱりフィーレさんは元気だな。


さて、と。ちょっと歩くかな。

俺は人間態へと姿を変え、適当に庭を歩き回ることにした。

ちなみに俺の服は神社の神官さんが着ているような服だ。

神の力でちょちょいと変えられないことは無いんだが、不思議とこの服装が楽なのでこれで固定している。


しかしここの庭は整備が良く行き届いているな。

木々や草は青々としているし俺の知らないこの世界の花も素晴らしく綺麗だ。

そんな庭の一角で異彩を放つ花が一つ存在する。


俺がユッテにあげたサンライトの花だ。

本当はあの花、太陽に近い標高の高い山じゃないと育てられないのだが、そこは俺の力で高い山でなくても育つようにしておいた。

もしこの花を他の人が見たら腰抜かすだろうなぁ、伝説と言われる花だからな。

丁度ユッテがサンライトの花に水をやっているところに出くわした。


「あら、ウルトル。おはようございます。」

俺に気付いて可愛らしい笑みを浮かべて挨拶してくる自称俺の姉、ユッテ。

「おはよう、ユッテ。」

「はい?」

あ、ミスった。

ユッテはどうにも俺に姉と思われたいらしく名前で呼ばれると機嫌を悪くする。現に今は笑顔のはずなんだが、雰囲気が怖い。というか背筋がゾッとした。

「お、オハヨウ、ネエサン。」

「はい、おはようございます!」


いつもの笑顔に戻った……そんなに俺を弟にしたいのか。


「ウルトル、サンライトの花の調子はどうですか?お水はこれくらいで大丈夫でしょうか?」

「あぁうん、それぐらいで大丈夫だよ?サンライトの花も喜んでるさ。」

「本当ですか!?なら良かったです……」


ほっと胸をなでおろすユッテ。ごめんね、水の量は大丈夫なんだけど喜んでるってのは嘘だ。

神樹になって、人間態になることが出来て出来ることが格段に増えたかと思えばできないこともやっぱりあった。

植物の声を聴くとかは何度も挑戦してみたのだが、全くもって聞こえやしない。

もしかしたらもっと年月を生きて神としての力?をぐんぐん伸ばしたら聞こえるようになるのかもしれない。

まぁずっと聞こえないという可能性もあるんだけどね。


「そうです、ウルトル。あなたに誘いたいことがあったんです!」

「誘いたいこと?」

「はい、これから2人で街まで行きませんか?」


街というのはこのウルトル家が治めているウェイルという街の事だ。

行ったことは無いんだが、人間態になる前、たまにラディさんから一方的に聞かされていた。

なんでも自慢の街だそうで人々も活気があり素晴らしい街だと自慢していた。

数少ないラディさんの明るい話だったからよく覚えている。

だから結構興味はあるのだ。


「あぁ、俺も一回ウェイルに行ってみたかったんだ!案内してくれるか?ユッ……姉さん!」

「もちろんです!お姉さんに任せなさい!……あ、でも行くならお父様が話があるって言ってました。」

「お父さんが?」


ラディさんが俺に話とは?……何だろうか、俺何かしたかなぁ


「だからすぐにでもお父様の部屋に行ってきてください、そして早く一緒に街に行きますよ!」

あぁうん、行くから。さっさと話聞いてさっさと一緒に街に行くから!


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