妖精の私が人間を好きになった!
あぁ、しょうくんカッコよかったなぁ…
私は妖精。
人間に見えない妖精。
でも私は、人間の目と同じようにこの世を見れるの。
つまり、言い方が可愛くないけれど、透明人間ってことよ。
でも「妖精」!
人間の容姿をしているんだけどね、
身体が人間よりも小さいの。
身長は3cm。
体重は0.8g。
身長は、人間が使うものさしを使ってなんとか測れたんだけどね、
体重は、人間の体重計では軽過ぎて計れなかった。
だから、人間の食べ物の重さを計るあれで計ったわ。
人間がパンを作る時とかに使う、0.1g単位で計れる高機能のものに乗ったら計れた。
電源ボタンは力いっぱい押しても、力が弱くて電源がつかないから、
お菓子作り大好きな主婦が、使おうとして電源入れた後、数秒して数字が0と表示された瞬間に乗ったのよ!
運良く、なんやら主婦は用意する粉を間違えたみたいで、「あっ、違うわ」なんて言って粉と粉の袋をマジマジと見つめてたから、その時間で計ることができたわ!
透明人間と言ったけれど、
透明人間とは違って、ちゃんと物に触れることはできるよ。
私の髪の毛はピンク色をしていて(所々水色の髪の毛の束が混じってる。やぁねぇ、純粋なピンク色にしてよって感じだわ!)、
ロングヘアで、まぁ人間のおもちゃのリカちゃん人形の髪質に似ているかも?
お肌は日本人の平均っぽい色をしていて、
濃い青色の目がついてる。
アイボリーのワンピースを着てるの。胸のあたりには、水色の、…なんだか分からない、四角?のイラストが書かれてあって、
足首より手のひら1個分上にくる丈のワンピース。
スカート部分は、ふわっと広がっていて、
とっても可愛らしい感じ!
人間と違って、私はフワフワ飛べるのよ。
速度はそんなに出せないけれど、自由に行きたい所に行けるから嬉しい。
そんな、人間には見えない妖精。
でもね、ある人には見えてしまったみたい…
私がいつも通りふわふわ飛んでたら、
いつもは人に当たっても全く見向きもされないんだけどね、
ある男性に当たった時、その男性が振り向いたの。
偶然かな?と思って、その男性が前を向いた時にもう一度その男性の二の腕の後ろの部分に当たってみたわけ。
そしたら、また振り向くの!
え!と思って唖然としてると、
「君は妖精?」と聞いてきたの。
「あぁ、えぇっと…」なんてモジモジしていたら、
なんと!にっこりスマイルよ!
爽やかでカッコ良くて、でも可愛くて、目元が笑ってて、八重歯で、素敵だった…!
そもそも、普段人間の目には映らない妖精が見えたのに、
「君は妖精?」なんて冷静なことよく言えるよね!そんな冷静なところも好きだわ…
はっ、好きなのよね、私、しょうくんのこと…
なんで名前を知ってるかって?
それは、私には見えるからよ。
名前が。
なんかね、名前に限らず、
私は、必要とする情報が自然と得ることができて、
得た情報は、頭の中で文字になって見えるの。
はっきりと鮮明に見えるのじゃなくて、
多分、人間が頭の中で文字を思い浮かべた時のように、イメージした時の見え方ね。
もちろん、得ることができない情報もあるけど…
本人が他人に言っても差し支えない内容なら得られるのよ。
情報を発信してくれる妖精がいるの。
妖精界のトップの妖精でね、
私たちが行動するにあたって、いろんなことを指示、指導してくれるのよ。
人間には妖精の姿が見えないってことも、その妖精が教えてくれたのよ。
私たち妖精が生きている理由は、
この世界に広がっている、人間のドス黒いネガティブな感情を少しでも吸って軽減させるため。
結構エネルギーいるんだから大変。
人間は、私たちがネガティブな感情を少し軽減してるおかげで生きることができているのよ!
まぁ、自殺者もいるけれど…その人のことは救えなかったわけね。まだまだ力不足だわ。
あっ、しょうくんが「君は妖精?」って聞いてきた時のこと考えたら、
もしかして、私以外の妖精も見えているのかな…
他の妖精のことを好きになって、私のこと好きなってくれなかったら…
はっ、そんなことを考えてちゃいけない!
私は、しょうくんと結ばれるために、精一杯の努力をしようと思う。
何回もしょうくんにぶつかって挨拶したらいいのね!まずは覚えてもらおう!
人間のしょうくんを好きになっちゃった…
別にいいよね、恋は自由なんだから。