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恋は盲目

作者: naco


恋は盲目。

私はそれを信じる。

いえ、信じなくては私の人生が否定されてしまうだけ。


恋は盲目なんじゃない。

恋は周りが見えなくなるんじゃなくて見ない「ふり」をするだけなんだから。




私は19歳で、人生最大の恋をした。

相手は同じ大学の先輩。

どんなにかっこいい人が目の前に現れても、その人には勝たなかった。

これも見ないふり。

一目惚れした自分を否定したくなかっただけ。


その人と私は3ヶ月後に付き合い始めた。

最初は優しくしてくれる、とか溺れてたけどそれも私だけじゃない、女の子全員。関わる人全員。

それも見ないふり。

自分にだけ優しいんだ、私を一番に思ってくれてる、と私は思いたかった。


ある日を境に、彼は冷たくなり始めた。

それは私だけに。他の人には今まで通り優しかった。

メールを返してくれなかったり、次第に会う日にちは減っていった。

他の女の人と会ってる、って噂もあったしケータイでも約束ばっかしてるのを見てしまった。

これも見ないふり。

彼の中で私が1番じゃないのを認めたくなかった。


このあとはよくある、暴力が始まった。

彼は就職もしてて会社でためこんだストレスをお酒と私で吐き出してた。


酔っては体を求め、物足りないと暴力。拒んでも暴力。とうとうすぐに暴力を奮ってきた。



それも見ない、なかったふり。


痛くも痒くもないと言い聞かせた。

彼は愛情表現が下手なんだとも。



ここまで来ても盲目じゃないって言い張るのはおかしいのかもしれない。

でも自分を否定したくない、今まで好きでいた、そうであろうとした自分を。



だから盲目ではない、

見えてはいたけど見てないふりをしていた。


多分誰だってそう。


相手がどれだけ不完全であっても

自分が1度好きと思ってしまうとそこは目を瞑ってしまうもの。

顔が悪くても、態度が悪くても、運動ができなくたって性格が悪くたって、

他がいいから、とか、私が好きになったから、とか、なにかの理由で悪いとこは見てないふり。


だから盲目じゃなくてふりだと思う。

盲目であれば覚めることだってあったのかもしれない。



そうして私は覚めることもできず、私を否定せずに彼から離れることもできず、私は彼の虐待のなか息を引き取った。



こんなこともあれば盲目だったと周りに思われてしまうかもしれない。


それでも誰にも届かないけど否定し続ける。

恋は盲目じゃない。

恋は見ないふりだと。

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