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火の都市

真っ青な青空が広がる中、クラウディアたちは灼熱の荒野を進んでいた。赤茶けた大地が果てしなく続き、わずかに生えている植物も茶色く枯れていた。

「暑いですわね!」クラウディアが豪快に扇を仰ぎながら言った。「こんな過酷な場所、わたくしのような高貴な女性が歩くべきではありませんわ!」

「高貴な女性なら、もう少し控えめな服装をしていると思いますが」レオが小声で呟いた。クラウディアの派手な赤と金の衣装は、この灼熱の荒野でさらに目立っていた。

「何か言いましたか、レオ様?」クラウディアが艶やかな声で問うと、レオは慌てて首を振った。

「いえ、何も」

三人はすでに二日間、この荒野を歩き続けていた。風の都市ヴェントリアで手に入れた『風の断片』は、エルナの持つ力と不思議な共鳴を見せていた。その次の目的地として示されたのが、火の都市フレイムガルドだった。

「エルナ、大丈夫?」レオが心配そうに少女を見た。

銀髪の少女は頷き、「平気です。クラウディアさんとレオさんが一緒なら…」と微笑んだ。

クラウディアは誇らしげに胸を張った。「当然ですわ!わたくしがついていれば安心して!ホーーーッホッホッホ!」

その高笑いは荒野に響き渡り、遠くの岩陰で休んでいた砂トカゲたちを驚かせて逃げさせた。

「…目立ちすぎです」レオは溜息をつきながら、周囲を警戒した。「煉界教団の追っ手がいるかもしれないのに」

クラウディアは黄金の長い髪をなびかせ、「来るなら来るがいい!わたくしに勝てる者などいませんわ!」と言い放った。


昼過ぎ、地平線に都市の姿が見えてきた。

「あれが火の都市フレイムガルドです」エルナが指さした。

遠くから見ても、それは圧巻の光景だった。赤茶色の岩山を背にして建つ都市は、まるで炎が立ち上るように見える赤い屋根の建物で埋め尽くされていた。中心には、そびえ立つ巨大な塔があり、その頂上からは不思議な赤い光が放たれていた。

「ヴォルカヌス山の地熱エネルギーを利用した都市だそうです」エルナが説明した。「火の技術が発達していて、世界中の鍛冶職人が集まる場所でもあります」

「なるほど、だからこの過酷な場所に都市があるわけですわね」クラウディアは頷いた。「火の断片は、きっとその中心の塔にあるのでしょう」

レオは眉をひそめた。「簡単には入れないでしょうね。あの塔はフレイムガルドの統治者、『炎の賢者』ヴァルカンの居城だそうです」

「何!?賢者だなんて、わたくしよりも偉そうな方がいるのですのね!」クラウディアは眉を吊り上げた。「会ってみたいですわ!」

「まずは都市に入って情報を集めましょう」レオは現実的な提案をした。「いきなり塔に乗り込むのはまずいです」

クラウディアは不満げに唇を尖らせたが、「しょうがないですわね」と同意した。


フレイムガルドの入り口には、赤い制服を着た衛兵たちが立っていた。流石に大きな都市だけあって、警備は厳重だった。

「旅の目的は?」衛兵長らしき男が三人を止めた。

「観光です」レオが答えた。「噂に聞く火の都市を見たくて」

衛兵長は特にクラウディアを注視した。その派手な衣装と圧倒的な存在感は、誰の目にも異質に映るだろう。

「旅人なら武器は預かる」

レオは素直に剣を差し出したが、クラウディアは首を振った。

「いいえ、わたくしの剣は預けられませんわ。これはわたくしの分身も同然です」

「規則だ」衛兵長は厳しい声で言った。「武器を持ち込むなら、特別許可が必要だ」

クラウディアは怪しげな笑みを浮かべた。「あら、そうですの?では特別許可をいただきたいですわ」

レオは不安になった。「クラウディア、やめてください…」

しかし、青い目が赤く輝きはじめ、クラウディアの周囲に青白い電気が走った。「わたくしは『雷王』ザゴラス・イグニスの末裔、クラウディア・ヴァル=ザ=イグニスですわ。この剣は先祖代々受け継がれた『雷鳴剣』です」

衛兵たちは身構えたが、クラウディアが剣を少し抜いた瞬間、青い電光が走り、彼らは思わず後退した。

「七英雄の血を持つ者…」衛兵長は驚きの表情で言った。「フレイムガルドでは、七英雄の末裔には敬意を示します。どうぞお入りください」

レオとエルナは呆然としていた。クラウディアは得意げに胸を張り、「ありがとうございますわ。ほら、レオ、エルナ、行きましょう」と二人を促した。

門を通り過ぎると、エルナが小声で聞いた。「七英雄の名前を出すなんて大丈夫なんですか?煉界教団に気づかれるかも…」

クラウディアは肩をすくめた。「どのみち、わたくしのような美しき高貴な方が訪れれば、すぐに噂になりますわ。隠れていても無駄です。それなら堂々としたほうが、わたくしらしくないですか?」

レオはため息をついた。「それが一番危険なんですけどね…」


フレイムガルドの内部は、驚くべき光景だった。通りには熱気が立ち込め、あちこちから鍛冶場の音が聞こえてきた。建物は赤レンガで作られ、装飾には炎のモチーフが使われていた。噴水の代わりに、制御された炎が踊る広場もあった。

「すごい…」エルナは目を輝かせた。「こんな都市、初めて見ます」

クラウディアも興味深そうに周囲を見回していた。「火の技術とはいえ、炎を自在に操るなんて、相当な魔法の力を持っているのですわね」

「ここでは魔法と科学が融合しているんです」地元の少年が話しかけてきた。「僕たちの先祖は、ヴォルカヌス山の魔力を科学的に利用する方法を編み出したんだ」

レオは少年に質問した。「あの中央の塔について教えてくれないか?」

「あれは『炎の宮殿』です」少年は誇らしげに答えた。「ヴァルカン様が住んでいて、都市の中で一番重要な場所です。でも、許可がないと入れないよ」

「許可はどうやって得られるの?」エルナが聞いた。

「普通の人は無理だよ」少年は首を振った。「でも、明日は『炎祭り』だから、ヴァルカン様が公開で謁見を行うんだ。腕に覚えのある鍛冶師や魔法使いなら、才能を見せることで謁見の機会を得られるかもしれない」

クラウディアの目が輝いた。「才能ですって?わたくしには才能の塊がありますわ!ホーーーッホッホッホ!」

その高笑いに周囲の人々が振り向いた。レオは顔を赤らめ、「もう少し静かにしてください…」と懇願した。


三人は都市の宿屋を探すことにした。通りを歩きながら、エルナが突然立ち止まった。

「どうしたの?」レオが心配そうに尋ねた。

「この感覚…火の断片が近くにあります」エルナの目は遠くの塔に向けられていた。「間違いありません。あの塔の中です」

クラウディアは満足げに微笑んだ。「やはりそうでしたか。明日の炎祭りで、わたくしが才能を見せれば、ヴァルカンに会えるでしょう。そして火の断片をいただいてくるのです!」

レオは不安げだった。「そう簡単にはいかないでしょう。もし火の断片が重要な宝物なら、簡単に渡してくれるとは思えません」

「だからこそ、わたくしの魅力と才能が必要なのですわ!」クラウディアは豪快に宣言した。「わたくしの美しさと力に魅了されたら、きっと何でも差し出してくれますわ!」

「そうじゃなくて…」レオが言いかけたとき、通りの向こうから騒ぎが聞こえてきた。

人々が慌ただしく走り回り、「火事だ!」という叫び声が聞こえた。

「行きましょう!」レオが二人を促した。「何か手伝えるかもしれません」

三人が走っていくと、市場の一角で建物が燃えていた。赤い制服の消防士たちが水魔法で消火を試みていたが、炎は異常なほど強く、簡単には消えなかった。

「これは普通の火事じゃありません」エルナが指摘した。「魔法の炎です」

クラウディアは状況を瞬時に把握し、剣を抜いた。「レオ、エルナ、下がっていなさい。わたくしが消してみせますわ!」

「待ってください、危険です!」レオが制止しようとしたが、クラウディアはすでに前に出ていた。

「雷鳴剣・玖の型『天帝結界』!」

剣から青い電光が放射状に広がり、炎に向かって巨大な青い盾が形成された。盾が炎に触れると、異常な火の魔力が中和され始め、次第に消えていった。

周囲の人々からどよめきが起こり、消防士たちも驚きの表情を浮かべた。

火が完全に消えると、クラウディアは剣を鞘に収め、「これくらい、わたくしには簡単なことですわ!ホーーーッホッホッホ!」と豪快に笑った。

人々は拍手喝采し、クラウディアを取り囲んだ。「すごい!あんな魔法の炎を消すなんて!」「あなたは一体誰なの?」という声が次々と上がった。

クラウディアは誇らしげに胸を張った。「わたくしは『雷王』ザゴラス・イグニスの末裔、クラウディア・ヴァル=ザ=イグニスですわ!」

その宣言に人々の興奮はさらに高まった。「七英雄の末裔だ!」「炎祭りにぜひ参加してほしい!」

その喧騒の中、レオはエルナに耳打ちした。「すごく目立ってしまいましたね…」

エルナは心配そうな顔で頷いた。「でも、これで明日の炎祭りへの参加は確実になりましたね」


都市の一角、暗い路地に立つ赤い建物。その中では、黒装束の人々が集まっていた。

「報告によると、『雷王』の末裔を名乗る女が現れたそうだ」赤い仮面をつけた男性が言った。「彼女は異常な魔力を持ち、魔法の炎を青い雷で消し去ったという」

「これは間違いない。七英雄の中でも最強と言われた『雷王』の血を引く者だ」背の高い女性が口を開いた。「彼女が『神の因子』を持つ可能性は高い」

「そして、彼女に付き添う銀髪の少女…」別の男性が言った。「『封印の巫女』に違いない。わが『煉界教団』が長年追い求めてきた存在だ」

赤い仮面の男、『紅蓮の七賢』の一人である赤き腕のレイゼルは立ち上がった。「教団の長年の目標である『神兵アポクリュファ』復活の鍵がここに揃った。明日の炎祭りに彼らが現れるのは確実だ。その時、我々は行動を起こす」

「炎の賢者ヴァルカンは、我々の計画に協力するのか?」女性が尋ねた。

レイゼルは冷たく笑った。「彼は既に我々の手の内にある。『火の断片』も、彼の協力で手に入れることができるだろう」

「しかし、雷王の末裔は侮れぬ相手だ。紫影のベリアルでさえ苦戦したと聞く」

「だからこそ、私が直々に出向く」レイゼルは右腕をかざした。その腕は人間のものとは思えない、赤い鱗で覆われていた。「この『紅蓮の腕』で、彼女の力を試してみよう」


夜が更けた頃、三人は宿の一室で作戦会議を開いていた。

「明日は炎祭りで、クラウディアさんの腕前を見せる絶好の機会です」エルナが言った。「でも、煉界教団も同じことを考えているかもしれません」

レオは窓の外を見た。「今日の火事は偶然だったのでしょうか?それとも罠だったのか…」

クラウディアは豪快に肩をすくめた。「どちらでもかまいませんわ!わたくしは全力で戦うだけです!」

「あまり無謀なことはしないでください」レオは真剣な表情で言った。「風の都市での戦いでは、クラウディアさんの力が一時的に制御不能になってしまいました。あれは…危険です」

クラウディアの表情が一瞬曇った。「…確かに、あの時は少し調子に乗りすぎましたわね」

ヴェントリアでの戦いで、クラウディアは『雷鳴剣・肆の型『鳴電千閃』』を使った際、自分の体から溢れ出す力を制御できなくなりかけた。青い電撃が敵だけでなく周囲の建物も破壊し、レオとエルナも危険な目に遭った。

「あの時の…あなたの目は、人間のものではなかった」エルナが静かに言った。「まるで…神のような」

クラウディアは珍しく真剣な表情になった。「わたくしの中に眠る『神の因子』…それが目覚めかけたのでしょう。グランツの賢者が言っていたように、この力は制御が難しい」

「だからこそ、無理をしないでください」レオは彼女の手を取った。「私たちがいます。一人で抱え込む必要はないんです」

クラウディアは驚いたように彼を見つめ、珍しく照れたような笑みを浮かべた。「ありがとう、レオ。あなたとエルナがいてくれて、わたくしは幸せですわ」

エルナも微笑んだ。「私たちは仲間です。一緒に火の断片を手に入れましょう」

窓の外では、フレイムガルドの夜景が赤く輝いていた。明日の戦いに備え、三人は静かに休息に入った。


翌朝、フレイムガルドは祭りの喧騒に包まれていた。通りには赤い旗が飾られ、至る所で火を使ったパフォーマンスが行われていた。人々は赤い衣装で着飾り、笑顔で祝っていた。

「さすが火の都市ですわね!」クラウディアは目を輝かせた。「この熱気、わたくしの性に合いますわ!」

三人は中央広場に向かった。そこでは、大勢の人々が集まり、様々な才能を持つ者たちが技を披露していた。鍛冶師は赤熱した鉄を叩き、美しい剣を作り上げ、魔法使いは炎を操って芸術的な形を作り出していた。

「あれがヴァルカン様ですか?」エルナが指し示した先には、広場の一角に設けられた高座があり、年配の男性が座っていた。その男性は赤い長衣を身にまとい、白髪と長い白ひげがトレードマークのようだった。

「炎の賢者ヴァルカンか…」レオは眉をひそめた。「何か違和感を感じます」

クラウディアも同意した。「確かに…その目つき、まるで人形のようですわね」

高座の横には、赤い制服の衛兵たちと共に、一人の赤い甲冑を着た男性が立っていた。彼の右腕だけが露出しており、その腕は不自然な赤さを帯びていた。

「あの男…」エルナが震える声で言った。「教団の『紅蓮の七賢』の一人、赤き腕のレイゼルです!」

レオは剣に手をかけた。「やはり罠だったか…」

クラウディアは落ち着き払った笑みを浮かべた。「心配には及びませんわ。向こうもわたくしたちの正体を知っているなら、公の場で襲い掛かることはできないでしょう。まずは堂々と挑戦者として名乗り出ましょう!」

「大丈夫なんですか?」エルナは不安げに尋ねた。

「ええ、作戦は単純です」クラウディアはウインクした。「わたくしが魔法の才能を見せて、ヴァルカンの注目を引きます。彼の正体が何であれ、火の断片の在処を知っているはず。そこから先は、臨機応変に…わたくしに任せなさい!」

レオは諦めたように頷いた。「わかりました。でも危険を感じたら、すぐに逃げますよ」

クラウディアは「はいはい」と軽く受け流し、派手な衣装をなびかせて前に出た。


「次の挑戦者は?」審査員が声を上げた。

クラウディアが堂々と歩み出ると、昨日の火事で彼女を見た人々から歓声が上がった。

「わたくしはクラウディア・ヴァル=ザ=イグニスと申します!」彼女は高らかに宣言した。「七英雄『雷王』の末裔として、本日の炎祭りに参加させていただきますわ!」

その宣言に会場は沸き立った。高座のヴァルカンも身を乗り出し、横に立つレイゼルと何か言葉を交わした。

「七英雄の末裔か…」審査員は興味深そうに言った。「では、あなたの才能を見せてください」

クラウディアは優雅に一礼し、剣を抜いた。「では、わたくしの『雷鳴剣』の技をお見せしましょう!」

彼女は剣を振りかざし、「雷鳴剣・弐の型『閃電貫矢』!」と唱えた。

剣を横に振ると、青い電光の矢が空中に浮かび上がった。クラウディアは手を前に向けると、矢は天に向かって飛び、空中で爆発した。青い光の花火が広場を包み込み、観客たちから歓声が上がった。

「素晴らしい!」審査員は感嘆の声を上げた。「これほどの魔法を操れる者は稀です!」

しかし、高座のヴァルカンは無表情のまま、ただ目だけがぎらぎらと光っていた。

「もっと見せてください」レイゼルが前に出て言った。「七英雄の末裔なら、もっと強力な技があるはずだ」

クラウディアは挑戦的に微笑んだ。「もちろんございますわ!わたくしの真の力、お見せしましょう!」

彼女は剣を頭上に掲げ、「雷鳴剣・伍の型『雷震怒濤』!」と叫んだ。

剣から青い光が溢れ出し、クラウディアを中心に渦を巻き始めた。その光は次第に強くなり、彼女の周りに青い竜巻のようなものを形成した。

観客たちは息を呑み、中には恐れて後退する者もいた。しかし、クラウディアは完全に力を制御していた。彼女は剣を下ろすと、竜巻は徐々に消えていった。

「これが、わたくしの力の一部ですわ!」クラウディアは自信に満ちた声で言った。「ホーーーッホッホッホ!」

会場は静まり返った後、大きな拍手と歓声が沸き起こった。

高座のヴァルカンが立ち上がり、初めて口を開いた。「素晴らしい…」その声は妙に機械的だった。「君のような才能ある者こそ、我がフレイムガルドの宝。今夜、宮殿での宴会に招待しよう」

レイゼルも不気味な笑みを浮かべて頷いた。「そこで、特別な贈り物もあるだろう」

クラウディアは優雅に一礼した。「光栄ですわ。ぜひ伺わせていただきます」

宴会の招待状を受け取ると、クラウディアはレオとエルナのもとに戻った。

「うまくいきましたわ!」彼女は笑顔で言った。「今夜の宴会で、火の断片を手に入れるチャンスです」

レオは心配そうに言った。「明らかに罠です。ヴァルカンの様子もおかしい」

「でも、他に選択肢はないでしょう?」エルナが言った。「火の断片を手に入れるには、宮殿に入るしかありません」

クラウディアは自信に満ちた笑顔で言った。「大丈夫、わたくしが最強なのですから!たとえ罠だとしても、乗り越えてみせますわ!」

三人は宮殿への準備を始めたが、レオとエルナの表情には不安の色が濃かった。


夕暮れ時、クラウディアたちは「炎の宮殿」に向かった。宮殿は赤い光に照らされ、まるで燃えているかのように見えた。

「すごい…」エルナは息を呑んだ。「こんな美しい建物、見たことがありません」

門前で警備の兵士に招待状を見せると、彼らは恭しく頭を下げ、三人を中に通した。

宮殿の内部は、予想以上に豪華だった。赤い大理石の床、金色の装飾が施された柱、そして天井からは燃えるクリスタルのシャンデリアが吊るされていた。ところどころに置かれた炎の彫刻は、実際に炎が燃えているように見えた。

「さすが炎の都市の中心ですわね」クラウディアは感心した。「わたくしの城もこんな風に飾りたいものですわ!」

「あなたには城なんてありませんよ」レオは冷静に指摘した。

「まだ、ですわ!」クラウディアは高らかに笑った。「わたくしは将来、女王になるのですから!」

宴会場には既に多くの貴族や、才能を認められた者たちが集まっていた。彼らはクラウディアたちを好奇の目で見つめ、特にクラウディアの派手な姿に注目していた。

「あれが今日の主役か」「七英雄の末裔だそうだ」「あの美しさは伝説の通りだな」という囁きが聞こえてきた。

「クラウディアさん、注目の的ですね」エルナが微笑んだ。

クラウディアは満足げに頷いた。「当然ですわ!わたくしの魅力は誰にも抗えませんもの!」

そのとき、広間の奥から赤い制服の衛兵たちが入ってきた。彼らは整列し、その後ろからヴァルカンとレイゼルが現れた。

「ご列席の皆様」ヴァルカンの声が響いた。「本日の炎祭りに参加してくださり、ありがとうございます。特に、七英雄『雷王』の末裔、クラウディア・ヴァル=ザ=イグニス様を歓迎します」

彼は手を差し伸べ、クラウディアを招いた。「どうぞ、こちらへ」

クラウディアはレオとエルナに「大丈夫」と目配せし、堂々とヴァルカンの元へ歩いていった。

「光栄ですわ、ヴァルカン様」クラウディアは優雅に一礼した。「火の都市フレイムガルドは素晴らしい場所ですわね。あなたの統治が行き届いているのでしょう」

ヴァルカンは微笑んだが、その表情はどこか硬く、不自然だった。「七英雄の一人、『雷王』の末裔とあれば、特別なもてなしをしなければならない。今夜は心ゆくまで楽しんでいただきたい」

「ありがとうございますわ」クラウディアは周囲を見回した。「ところで、伝説によれば、フレイムガルドには『火の断片』と呼ばれる宝物があると聞きましたが…」

ヴァルカンとレイゼルが視線を交わした。レイゼルが一歩前に出て、「さすがは七英雄の末裔、よくご存じで」と言った。「『火の断片』は確かにここにある。しかし、それについては後ほど。まずは宴を楽しもう」

音楽が鳴り始め、宴会は本格的に始まった。踊り手たちが炎を操りながら舞い、給仕たちが華やかな料理と酒を運んでくる。

クラウディアはレオとエルナのもとに戻った。「彼らは確かに『火の断片』を持っているようですわ。でも、簡単には見せてくれないでしょうね」

レオは警戒を緩めなかった。「この宮殿のどこかに『煉界教団』の信者たちも潜んでいるはずです。気をつけてください」

「エルナ」クラウディアは少女を見た。「火の断片の正確な場所はわかりますか?」

エルナは目を閉じ、何かを感じ取ろうとした。「この宮殿の…奥、下の方です。地下にあるようです」

「地下ですか…」クラウディアは考え込んだ。「どうやって行きましょうか…」


宴会が進む中、ヴァルカンが再びクラウディアを呼んだ。「クラウディア様、個人的に私の宝物庫をご案内したい。あなたのような貴人には、フレイムガルドの真の宝を見ていただきたい」

クラウディアは興味深そうに頷いた。「ぜひとも、拝見させていただきたいですわ」

レオとエルナも同行しようとしたが、衛兵たちが彼らを阻んだ。

「申し訳ないが、宝物庫への案内はクラウディア様のみだ」レイゼルが冷たい笑みを浮かべた。

クラウディアは二人に向かって、「大丈夫ですわ」と口の動きだけで伝えた。「わたくしなら一人でも問題ありません」

レオは不安そうな顔をしたが、今は状況を悪化させないほうがいいと判断したようだ。「では、お気をつけて」

クラウディアはヴァルカンとレイゼルに導かれ、宴会場を後にした。彼らは長い廊下を通り、螺旋階段を下っていく。壁に取り付けられた松明が、彼らの行く手を照らしていた。

「私たちの都市の力の源は、この地下にある」ヴァルカンが説明した。「ヴォルカヌス山から引き込んだ地熱エネルギーと古代の魔法が融合した場所だ」

クラウディアは周囲を観察しながら言った。「素晴らしい技術ですわね。でも、ヴァルカン様、あなたの様子がどこか変ですわ。何か…問題でもあるのですか?」

ヴァルカンの動きが一瞬止まった。レイゼルが彼の代わりに答えた。「さすがは鋭い。実は、ヴァルカン様は少し体調を崩されているのだ。だが、炎祭りという重要な日に姿を見せる必要があった」

「そうですか…」クラウディアは信じていないことを悟られないよう、適当に相槌を打った。

彼らは地下深くへと続く通路を進み、最終的に巨大な扉の前に立った。扉には炎のような紋章が刻まれていた。

「ここが宝物庫だ」ヴァルカンは手を扉に当てた。魔法の力で扉がゆっくりと開いた。

中に入ると、クラウディアは思わず息を呑んだ。部屋の中央には、巨大な赤い結晶体が浮いていた。結晶からは赤い光が放たれ、まるで鼓動するように光の強さが変わっていた。

「これが『火の断片』…」クラウディアは魅了されたように言った。

「その通り」レイゼルが答えた。「古代から伝わる神兵の一部だ。そして、我々煉界教団が求めているもの」

クラウディアは振り返った。「やはり、あなたは最初から教団の一員だったのですね」

レイゼルは赤い鱗で覆われた右腕を見せた。「『紅蓮の七賢』の一人、赤き腕のレイゼルだ。そして、このヴァルカンは…」

彼が手を振ると、ヴァルカンの体から赤い光が漏れ始めた。「我々の人形にすぎない。本物のヴァルカンは既に我々の手によって…」

「分かっていましたわ」クラウディアは冷静に言った。「あなたの目的は『火の断片』と、わたくしの力なのでしょう?」

「鋭いな」レイゼルは笑った。「我々は全ての断片と、七英雄の末裔の力を結集させることで、『神兵アポクリュファ』を復活させ、新しい世界を創る」

「新しい世界?」クラウディアは眉を寄せた。「何を馬鹿なことを言っているのですか。神と戦った先祖たちの意志を踏みにじるつもりですの?」

「彼らの真の意志を知っているのか?」レイゼルは冷たく問うた。「神の力で世界を浄化し、理想郷を作ることこそ、本当の目的だったのだ」

クラウディアは冷笑した。「洗脳されているのはあなたですわ。わたくしは絶対に協力しません!」

「協力は必要ない」レイゼルは右腕を掲げた。「その体に宿る『神の因子』を抽出するだけでいい。生きていなくても構わないのだ」

彼の右腕から赤い炎が噴き出し、クラウディアに向かって飛んだ。

クラウディアは即座に剣を抜き、「雷鳴剣・玖の型『天帝結界』!」と叫んだ。

青い電光の盾が彼女の前に展開し、赤い炎を跳ね返した。衝突した力で、部屋中の松明が揺れた。

「さすがは『雷王』の末裔」レイゼルは感心したように言った。「だが、この『紅蓮の腕』は神から授かった力。一介の人間如きが敵うとでも?」

「一介の人間ですって?」クラウディアは怒りに目を赤く輝かせた。「わたくしをなめてもらっては困りますわ!」

彼女は剣を構え、「雷鳴剣・弐の型『閃電貫矢』!」と叫んだ。

剣を横に振ると、青い電光の矢が黒い影の前方に飛んでいった。その矢はレイゼルに向かって突進し、地面に突き刺さって爆発した。

爆発の衝撃でレイゼルは後ろに飛ばされたが、すぐに体勢を立て直した。彼の赤い腕が炎に包まれ、より強力になっていた。

「その程度か」彼は嘲笑った。「では、こちらの番だ!」

レイゼルの腕から赤い炎の渦が生まれ、部屋中を覆った。熱波がクラウディアを襲い、彼女は防御の姿勢を取った。

「熱いですわね!」クラウディアは汗を流しながらも笑った。「でも、もっと熱いのを見せてあげましょう!」

彼女は剣を天に掲げ、「雷鳴剣・参の型『天雷落衝』!」と叫んだ。

天井から巨大な雷撃が落ち、レイゼルを直撃した。彼は悲鳴を上げ、膝をついた。

「これでどうですか?」クラウディアは得意げに言った。「わたくしの力を侮らないことですわ!ホーーーッホッホッホ!」

しかし、レイゼルは徐々に立ち上がった。彼の体は傷ついていたが、赤い腕の力で急速に回復していた。

「なかなかやるな…」彼は息を荒げながらも笑った。「だが、この場所は我々の聖域。ここでは火の力が何倍にも増幅される!」

彼は両手を広げ、部屋の中央にある『火の断片』に向かって何かを唱えた。すると、断片から赤い光線が放たれ、レイゼルの体に吸収されていった。

「これは…!」クラウディアは驚愕した。「断片の力を直接取り込むなんて!」

レイゼルの体は赤く輝き、その姿は人間離れしていった。背中からは炎の翼が生え、全身が赤い鱗で覆われ始めた。

「これが『煉界教団』の真の力だ!」彼の声は歪み、より低く、不気味なものとなった。「人の身で神の力を取り込み、新たな存在となる!」

クラウディアは危険を感じた。「これは厄介ですわね…」

彼女は一瞬の判断で、「雷鳴剣・肆の型『鳴電千閃』!」と叫んだ。

無数の電撃が放たれ、レイゼルを次々と打ちのめした。天井も壁も崩れ始め、地下室全体が揺れ出した。

「このままでは崩落しますわ!」クラウディアは焦った。「でも、火の断片を…!」

レイゼルは傷つきながらも、断片を守るように立ちはだかった。「この場所もろとも埋葬されるがいい。我が同胞たちは既に上で、君の仲間たちと戦っているだろう!」


宴会場では、レイゼルとクラウディアが去った直後、突然大勢の黒装束の人々が現れた。彼らは「煉界教団」の信者たちで、会場にいた貴族たちを人質に取り始めた。

「動くな!」信者の一人がレオとエルナに剣を向けた。「おとなしく従え」

レオは剣を抜き、「エルナ、後ろに!」と叫んだ。彼は素早く信者の剣を弾き、相手を倒した。

周囲では、混乱が広がっていた。衛兵たちも信者たちと戦っていたが、中には教団に寝返っていた者もいたようだ。

「クラウディアさんが危ない!」エルナが叫んだ。「地下に向かいましょう!」

レオは頷き、二人で出口に向かった。しかし、そこには大柄な教団員が立ちはだかっていた。

「どこへ行く?」彼は不気味に笑った。「封印の巫女を連れて逃げられると思うな」

レオは剣を構えた。「行かせてもらう。さもなければ…」

教団員は手から炎を放った。レオは急いで身を翻し、炎を避けた。しかし、衣服の一部が燃えてしまった。

「くっ…魔法使いか」レオは剣を握りしめた。

エルナが前に出た。「私が相手をします」

「危険だ、下がれ!」レオは制止したが、エルナは既に手を掲げていた。

「私にも…力があります」

彼女の手から銀色の光が放たれ、教団員を包み込んだ。男は悲鳴を上げ、膝をついた。

「これは…封印の力!」男は苦しそうに言った。「お前が本当に…」

レオは驚いたが、チャンスと見て男を一撃で倒した。「エルナ、その力は…」

「後で説明します」エルナは急いで言った。「今はクラウディアさんを助けましょう」

二人は宴会場を抜け出し、クラウディアたちが向かった方向へ走った。


地下室では、激しい戦いが続いていた。

クラウディアは窮地に立たされていた。レイゼルの変貌した姿は強力で、彼の放つ炎は通常の魔法の比ではなかった。

「どうしたクラウディア?」レイゼルは余裕の表情で言った。「七英雄の末裔の実力はその程度か?」

クラウディアは息を荒げながらも、「まだまだですわ!」と反論した。周囲では天井や壁が崩れ始め、地下室全体が不安定になっていた。

「火の断片を渡しなさい!」クラウディアは剣を構えた。「あなたにその力を使う資格はありません!」

「資格だと?」レイゼルは嘲笑した。「力こそが全て。お前のような未熟な者に何がわかる?」

彼は巨大な炎の球を生み出し、クラウディアに向かって放った。クラウディアは剣で防ごうとしたが、衝撃で後ろに吹き飛ばされた。

「くっ…」彼女は壁に叩きつけられ、痛みに顔をしかめた。

レイゼルは彼女に近づき、「お前の持つ『神の因子』、いただくぞ」と言った。彼の赤い腕がクラウディアの胸に向かって伸びてきた。

その瞬間、クラウディアの中で何かが目覚めた。

「…触れないでくださいな」

彼女の声は低く、冷たかった。目は完全に赤く輝き、周囲の空気が変わった。青い電撃が彼女の体から湧き上がり、渦を巻いた。

「この力は…!」レイゼルは驚いて後退した。「『神の因子』が目覚めた!?」

クラウディアはゆっくりと立ち上がった。彼女の周りには青い電撃のオーラが渦巻き、金色の髪は風もないのに舞い上がっていた。

「わたくしの力を試したいのですか?」彼女は不気味な笑みを浮かべた。「では、お望み通りに…!」

彼女は剣を掲げ、叫んだ。「雷鳴剣・伍の型『雷震怒濤』!」

剣が宙を舞い、青い光の渦がレイゼルを襲った。彼は炎の盾で防ごうとしたが、クラウディアの放った攻撃はあまりにも強力だった。衝撃波が部屋中を包み、残っていた松明も消え、闇の中で青と赤の光だけが渦巻いた。

「ぐああああ!」レイゼルは悲鳴を上げ、床に倒れた。彼の変貌した姿が徐々に元に戻り始めた。

クラウディアは彼に近づいた。しかし、彼女の表情は普段の陽気さとは違い、冷酷なものだった。

「哀れな人間が、神の力に手を出すからですわ」彼女は無感情に言った。「あなたの存在自体が罪なのです。消えなさい」

彼女が剣を振り上げたとき、ドアが開き、レオとエルナが飛び込んできた。

「クラウディア!」レオが叫んだ。

クラウディアは振り返った。その赤い目に感情はなく、まるで別人のようだった。

「クラウディアさん…?」エルナは恐る恐る呼びかけた。

一瞬の沈黙の後、クラウディアの表情に動揺が走った。「レオ…エルナ…」

彼女は頭を抱えた。「何を…わたくしは…」

レオが彼女に駆け寄り、肩を掴んだ。「クラウディア、正気に戻ってください!これはあなたじゃない!」

クラウディアの目の赤い光が揺らめき、徐々に青い瞳が戻ってきた。「わたくし…何をしていたのですか…」

エルナが近づき、静かに言った。「『神の因子』が暴走しかけたんです。でも大丈夫、あなたは戻ってきた」

クラウディアは深く息を吐き、レオの手を握った。「ありがとう…あなたたちがいなければ、わたくしは…」

その時、弱ったレイゼルが最後の力を振り絞って立ち上がった。「このままでは…終わらん…!」

彼は残った力で『火の断片』に向かって手を伸ばした。「力を…もっと力を…!」

「止めなさい!」クラウディアが叫んだが、レイゼルの手が断片に触れた瞬間、強烈な赤い光が部屋中を包み込んだ。

爆発的なエネルギーが解放され、天井が完全に崩落し始めた。

「逃げるわ!」クラウディアは即座に判断した。「エルナ、断片を!」

エルナは断片に向かって手を伸ばした。不思議なことに、断片はレイゼルから離れ、エルナの方へ浮かんできた。彼女の手に収まった瞬間、赤い光は落ち着き、小さな結晶体となった。

「急ぎましょう!」レオが二人を促した。「この場所はもうもたない!」

三人は倒れたレイゼルを置き去りにして、崩れゆく通路を全力で駆け上がった。背後では轟音と共に地下室全体が崩壊していった。


彼らが地上に出ると、宮殿は混乱の最中だった。教団の信者たちは既に撤退し始めており、衛兵たちは負傷者の救助に追われていた。

「何とか脱出できましたわね」クラウディアは息を整えながら言った。

エルナは手の中の『火の断片』を見つめた。「これで二つ目です。あと五つ…」

「でも、レイゼルは?」レオが尋ねた。

クラウディアは振り返り、崩れた宮殿の一部を見た。「あの崩落からは逃げられないでしょう。しかし…教団の幹部が簡単に死ぬとは思えませんわ」

「次はどこへ?」レオが尋ねた。

エルナは『風の断片』と『火の断片』を手に取り、目を閉じた。「次は…『水の断片』です。海に近い場所…『碧水の都』シーブルームにあります」

クラウディアは疲れた様子だったが、笑顔を取り戻した。「よし、次は海ですわね!わたくしの水着姿をお見せしましょう!ホーーーッホッホッホ!」

レオは呆れたように頭を振ったが、安堵の表情を隠せなかった。「相変わらずですね…」

クラウディアは突然、真剣な表情になり、「でも…」と言いかけて止まった。

「何ですか?」エルナが心配そうに尋ねた。

「わたくしの中の力…」クラウディアは自分の手を見つめた。「あの時、完全に意識を失いかけました。この『神の因子』は、わたくしが思っていたよりも危険かもしれませんわ」

レオは彼女の肩に手を置いた。「一人で抱え込まなくていい。私たちがいます」

エルナも頷いた。「私たちは仲間です。一緒に乗り越えましょう」

クラウディアは二人を見て、珍しく優しい笑顔を浮かべた。「ありがとう。あなたたちがいてくれて、本当に良かったですわ」

三人は崩れゆくフレイムガルドを後にし、次の目的地「碧水の都」シーブルームへと向かう準備を始めた。彼らの旅はまだ始まったばかりだった。

夜空には満月が輝き、火の都市の赤い光が徐々に薄れていく中、彼らの姿を照らしていた。


その頃、崩壊した地下室の瓦礫の中で、一本の赤い腕が動いた。

「まだだ…」弱々しい声が聞こえた。「これで終わりではない…」

赤き腕のレイゼルは、瀕死の状態で横たわっていた。彼の体の大部分は崩落した岩の下敷きになっていたが、赤い鱗に覆われた右腕だけが、まるで意思を持つかのように動いていた。

「七英雄の末裔…クラウディア・ヴァル=ザ=イグニス…」彼は血を吐きながら呟いた。「お前の『神の因子』は、想像以上だ…」

彼の右腕は赤く輝き、その光が徐々に彼の体全体に広がっていった。「次は…負けん…」

瓦礫の中で、不気味な赤い光が脈打つように明滅していた。




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