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データ供養所

【プロローグのみ】ゲーム世界の転生主人公になろう!

作者: まい

 キーワード(タグ)であえて書いていない要素があります。


 その部分はオチになりますので、伏せております。 ご了承下さいませ。

「ん? 何だこれ」




 俺はマイナーなゲームを愛する雑食ゲーマーの男。


 ゲームは店売り、配信(DL)、ブラウザ、同人配布問わず。


 ジャンルも好みはあれど、忌避(きひ)するモノは無い。


 配信だってダウンロードサイトだけでなく、スマホのアプリゲームも美味しく頂ける。


 自分から言うのはナンだが、そんな気合の入ったゲーム好き。



 そんな俺だが、今はスマホのアプリのストアを(なが)めていた。


 目的はもちろん、面白そうなマイナーゲームを探すため。


 なのだが、ふと目に入ったアプリに()かれたのだ。


 アイコンが、ドット製マップを背景に個人製作感丸だしのドットキャラクターが棒立ちしている絵柄だ。


 そしてタイトルが。


「ゲーム世界の転生主人公になろう……か」


 元ネタが簡単に察せられる、なんとも言えないドC級ネーミングのアプリだろうか。


 どんなアプリかのサンプル画像には、ゲームのタイトルを書き込んでくれとの説明文と、その文の通り書き込む欄と隣の実行ボタンのみ。


 なんとも素晴らしく内容が理解できないサンプル画像だろうか。


 概要やゲーム内容を説明する文も、


[あなたが好きなゲームの、主人公になりたいと言う願いを叶えます]


 だけで、要領を得ない。



「このあまりにもザックリとした説明、サンプル画像。 こいつは(こう)ばしい(かお)りがしやがるぜ……」


 こういったのは、本当に大歓迎だ。


 この誰もが手を出しにくい、一見(いちげん)さんが入りにくい店みたいなゲームやアプリこそ大好物だ。


「製作者は……希望の納豆? ネタネームにしてもネタが過ぎる!」


 これらをプレイしてみて、それをSNSや動画投稿サイトで紹介して、こんなゲームだったのか! と驚かれるのが面白いのだ。


 ゲーム自体も大好きだが、こうやって同好の士を探して手招きして同じ沼へ沈めるのもまた、大好きな事なのだ。



 その為にも。


「やってみようか。 ダウンロードだ」




〜〜〜〜〜〜




「ダウンロード完了。 よし、開いてみるか」


 最近のゲームアプリのデータ量としてはかなり軽く、すぐ終わった。


 なのでアイコンを早速タップ。


「立ち上がりは爆速。 軽いデータだけはあるか」


 アプリが()(さま)立ち上がり、真ん中に目が配され少し(いび)つで崩れた五芒星(ごぼうせい)が少しの時間映されたあと、タイトル画面になった。


 …………いや。


「タイトル……なのか?」


 画面には確かに、ゲーム世界の転生主人公になろう とあるが、その下にサンプル画像で見た記入欄と実行ボタンが。


「まさかのサンプル画像通り」


 嘘偽り無しだった。


「つまりこの記入欄に、主人公になりたいゲームのタイトルを入力すれば良いのか」


 ゲームアプリの説明とこの記入欄から推測できるのは、それのみ。


「これはジョーク(ネタ)アプリか。 それは別に良いけど、個人情報とか抜かれないよな?」


 一応ストア側が審査した時点での情報の取り扱い方は表示されるが、世の中には扇風機や貨物港のクレーン等にプログラムを仕込んで情報を抜き取ろうとする話もある。 どこまで取り扱われ方を信じられるか分かったモンじゃない。


 そんな心配もあるが、ひとまずやってみればこのアプリがどんなものかはハッキリ分かるだろう。


「となれば……どんなゲームが良いかな。 やっぱりド安定のRPGか? 世界中を旅して回って、世界を救うド定番。 それに俺は男だし、仲間になった女性キャラと恋愛イベントが多発して、ハーレム展開とか夢だよなぁ」


 俺は男だし、夢を見るのは自由だ。


 …………と言うか今の俺の生活はゲーム1色であり、なんだかんだ欲望があるのは否定しない。


 せめて1人くらい、俺の魅力に気付いて好きになってくれる人が居てくれればなぁ……。



「っと、頭が変な方向へ行ってしまった」


 落ち着け、俺。


 ひとまず俺がする事は、どのゲームの主人公になりたいかだ。





「…………………うん。 決めた」


 長考の末の決断。


 とある据え置き機でダウンロード専売だったゲームにしよう。


 最初にメインヒロインを操作して移動やメニュー画面の開き方等の操作方法を学び、特定地点で戦闘イベントが起き、そこに主人公が助けに入って戦闘チュートリアル。


 そんな導入がマイナーなゲームにしては力が入っていて見事だったし、周回で追加要素が色々足されていく、中々にボリュームと気合とゲーム愛が入っているアレにしようか。


「そうと決まれば早速」


 タイトルを一字一句間違えず慎重に入力し、2回3回と見直し間違いが無いか確認。


 ジョークアプリだからこそ、全力で乗っかってみる。


 そんな礼儀のもとに、入力が完了。


「さっそく[実行]をタップ」


 ワクワクだ。


 この後、どんな画面が出るのだろうか?


 どこかに入力したタイトルが飛ばされて、AI生成でイラストとか漫画とか小説が送られてきたりするのだろうか?


 それとも[こんな あぷりに まじになっちゃって どうするの 完]とか表示されるのだろうか?



 なんて画面を見ていたのだが、何だか俺がおかしい。



 頭がぼ〜〜っとしてきた。



 視界もすこしボヤケてきた。



 ………………あ。



 画面になにかでてきた。



 え〜と、



 ※ 当アプリでは、プレイヤーが入力なさったゲームで、最初にうごかすキャラクターを主人公と認識します



 …………え?







ヒロイン「…………え?」(手にはゲーム世界の転生主人公になろう の画面が表示されたスマホ)




〜〜〜〜〜〜



以下、ちょっとだけの蛇足






決めたゲーム


 モデルにしたゲームは無い。

 全くの架空です。



希望の納豆


 希望→ホープ→ホテプ

 納豆→なっと→にゃっと→ニャルラト

 はい、ニャル様の仕業です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 『タイトルが説明文』のなろうの風潮をちょっと皮肉ったショート。 [気になる点] マークにわざわざ五芒星を使う皮肉。これは紛れもなくヤツさ。 だいたいエルダーサインなんて下っ端の一部にし…
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