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怖い話は実話です 怪談 エッセイ 

ぺとぺとさんではなくサクサクさんに会った

作者: くろたえ


ぺとぺとさんなる妖怪を

知っているかい


一人で歩いていると

後ろからぺとぺとと足音がする

振り返っても誰もいない

立ち止まると足音も止まる

歩き出すと、また後ろから

ぺとぺとと付いてくるそうだ


そんな事を思い出した

大雪の降りしきる中

雪が積もり、歩ける場所が人一人分しかない

細くなった道を後ろから

サクサクと雪を踏む音がする


横殴りの雪で視界は真っ白

音の主も見えやしない

私の足音がザクザク

後ろからサクサク

ちょっと開けた場所に出たので言ってみた


「お先にどうぞ」


吹雪の中

音だけが通り過ぎて行った

サクサクサク

ああ

私はもう一人だひとりだ


いや、もしかしたら誰かに言われるのかなぁ


「お先にどうぞ」



そんな白い世界の中




何も見えない人のいない世界





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― 新着の感想 ―
[良い点] ∀・)音できましたか。これはまた斬新。 [気になる点] ∀・)何か発想ネタみたいなのがあったのなら興味あるなと思いました。 [一言] ∀・)これもまた冬のホラーですね。楽しませて頂きました…
[一言] 先日、珍しくこちらも雪が降りました さくさくと音を鳴らして歩く 一人なのに一人じゃないみたい そんな気がしました 「お先にどうぞ」 私にも言う日が来るかもしれないな なんて思ったりしまし…
[良い点] べとべとさんやテケテケなど、足音の特徴的な妖怪は色々と存在しますが、確かに地面のコンディションは日によって様々ですよね。 道路に雪が積もっているのなら、「サクサク」という足音になるのは納得…
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