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魔導図書館のroundabouts  作者: 飯塚 喆
ボーナスシナリオ
9/15

エピローグのエピローグ

 彼と手を繋いで図書館の前まで歩くと、太陽の影で逆光になってるのでよく見えなかったが、3人の人がいた。

 さらに近づくと両端には大人、真ん中には子供が元気に手を振っている。


「おねーちゃん!ルーイン!」


 両端の大人たちも笑顔で私たちを見ている。

 でも、両端の大人たちの片方は見たことがない人だった。銀髪で遠くからでも顔が整っているのがわかる。この数日間一緒にいた子の母親だと思われる。

 片方はもう縁を切ろうと思っていた野郎だった。

 

 自然と彼と繋いでいた手の力が強くなる。

 彼を引きずるように初めて見る人の方に文句を言いに行こうとする。

 

「ちょ…オーナー…」


 顔が真っ赤で涙ぐんでいるのなんて気にしない。ここでちゃんときっちりケリをつけなければ…


「アリス!!ずっと、会いたかった!」


…なんかよく分かんないけど、抱きつかれた。


「あ、あの…」


 両肩を持って距離を取りつつ、顔を合わせた。

 キョトンとした顔すら美しい。


「え、わからない?…そっか、今まで忙しくて誰も説明して

なかったのね。

 貴方の死んだお母さん、なんか色々あって復活したの!本来、死者が生き返ったり生まれ変わることなんてないんだけどね。

 それで、復活した後に貴方に新しく弟が出来ました!それがこの子!」


 白くて細い掌が銀髪の少年の頭を撫でた。


 私は情報量が多すぎてフリーズしていたが、物事の処理が追いつくと、


「えーーーーーーーーっ?!!!!」


 という驚きの声でこの事件に終わりを告げた。




★★★★★★★★★★



 あの事件からさらに一か月が過ぎ、いつもの図書館が戻ってきた。母たちは遠い別の土地に住んでいるらしい。

 時々は顔を見せにきてねと言われているので、今度行こうと思っている。


「その前にっ!」


 今日も客がやってくるだろう。

 最近、この図書館は賑わいを見せており、連日誰かがやってくる。

 ほら、今日もやってくる。

 吹き飛ぶくらい勢いドアを開け、客がやってき…て…

 悪意を探知して戦闘態勢に入る。

 この森によく入れたものだ。どのような裏技を使ったかは知らないが、よほどの手練れだろう。

 入ってきたのは盗賊団っぽい服装の男たち複数。どう懲らしめてやろうかな…


「これでも食らいやがりな!」


 侵入してすぐに撒かれたのは煙玉。

 手で口を押さえて咳き込む。

 

(まずい、見えない!てか、なんか魔術が上手く発動しないんだけど!)


 煙のせいで魔力が分散する。

 盗賊団御用達の厄介なアイテムだ。

 煙の中で声がする。


「へへ、案外すぐ見つかるもんだな。伝説のお宝。

 てことで、勝負に持ち込まれる前にドロンだぜ!じゃあなキュートな司書さん!」


 一瞬の出来事だった。

 ルーインが異変に気がつき、書庫から駆けつける。


「大丈夫ですか!?」


「ええ、でもやられたわ。カウンターの床下にしまっておいた金庫、そこに空になって投げ捨てられているもの」


「……でも、持っていった泥棒が僕の主みたいですね。本にしまわれた僕の本体がそう感じています」


「だから森に入れたのかな。盗まれたのこれだけだし。全然貴方の主っぽくはなかったけどね」


 ルーインはその話を聞くと、急に怖い顔になって考えた。

 次に、単純に疑問を口にする。

 

「…そういえば、僕はなんでこの世界に来て、身体を暴走させられていたんでしょうか。その様子だと主は記憶を失って…それともわざと盗賊団を結成して?いや、あの方に限ってそんなことはしないような…」


「……ーインくん、ルーインってば!」


「あ、すみません。ちょっと考え事がすぎたようです。ずっと過去のことを振り返りすぎるのもよくないですよね!」


 これから始まる二人の日常は、ちょっとヘンテコだけど素晴らしいものになるでしょう。

なぜこれをスピンオフにしたか。ここに答えが詰まっていると思います。まぁ、あと一年くらいしないと本編は再開しないってのが致命的すぎるんですがね笑。

(特別誤訳:これ以上黒歴史を増やしてはいけないっ!と自分では思っていても辞められないんだなぁこれが。羞恥心ジャンキーってやつだぜ。あ、いや?最高にハイッてやつだ。)

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