殺生の終
ただ、目の前に獲物がいるのだから、銃を弾くのは当然のこと。
生業としてるのだから、自分の為に狩りをするのは当たり前。
それだけで理不尽な目に遭っているのは嫌な話である。
自死できない状況にある私は、いつか何も考えなくなって生き続けなければならないのだろう。
この思考が停止しないうちに考えれば、アレはこの山の主か神の類いだったのかもしれない。
珍しい生き物だと思い、撃ちコロした。
遠くからは、なぜか純白の杖が一人でに動いているように見えたが、白い大蛇だった。
目は白金のようであり、体は絹のように滑らか、撃たれた箇所から流れる血のようなものは、透き通る水だった。
見ようと思えば何日でも飽きないほどの美しい命の塊だった。
動かなくなったことを確認し、持ち帰ろうと触れてしまった。
ここが分岐点だっただろう。
大蛇から溢れ出た水は、私が触れた瞬間に真っ赤な血に変わった。
そして、私はその場から体が動かなくなっていった。
足は木の根となって地面に根ざし、体内が硬いものにすり替わる。
そうして、大きな木になった。
受動的に自然の風、水、光を受けなければ生きていけなくなってしまったのだ。
幸い、私は家族がいなかったので、失うものは少なかった。
でも、私を助けてくれる家族がいればよかったのにとも思うのだ。
助けてくれ、嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だだだだだだだだこれからどうやって生きてゆこうか。そうだ、何もせずに生きよう。
……自然は貴方ですよ、お忘れですか?
知りすぎるとよくないことってありますよね。
私も知らなきゃよかったってこと多々あります。エビの尻尾は…とかね。でも面白い。人間はそこにスリルとか、知的好奇心が唆られるってのはなんというか本当に好きです。