プロローグ
俺は大学5年生の神木隆二だ。親父が代々伝わる剣技の師で、小さい頃からさまざまな剣技を叩き込まれた。その俺がとある理由で異世界転生してしまう話である。
「大学の講義は相変わらず簡単だぜ。はああ〜。退屈……」
この俺、神木隆二は只今、大学の講義を絶賛受講中である。ある程度勉強して、単位を獲得して、を繰り返している。ここの大学は日本有数のいわゆる難関大学ってゆう奴だ。今、大学5年生なんで大学院に進むかは自分次第なんだが、正直俺は就職した方がいいと思ってる。
「どーしたの。隆二。」
こいつは俺の幼馴染みである佐藤美緒である。はっきり言って可愛いが、こいつには好きな奴がいるようなので告白はしなかった。
「ん?いや、大学の講義は相変わらず退屈だなーと思ってな。」
「それを言うのは隆二だけだと思うけどなあ。他の人見てみれば。忙しそうにしてるでしょ。」
ああ。本当だ。此処には講義に追いつけなくて教授に質問攻めしてる奴も多い。
「そうだな。」
そうぶっきらぼうに答えた。
「そんな態度でもテストで毎回上位三位に入る隆二が怖くなってくるわ」
実は俺は毎回テストで上位に入っている。それは元から記憶力や思考力がずば抜け
いいからだ。
「ごめん美緒。俺、今から親父のところに行かないと。」
「そっ。頑張って。」
「おう。」
走る事30分、親父の道場に来た。
「隆二。よく来た。今から俺と勝負するぞ。これが最後の戦いになるような気がしてきたな。」
「ああ。そうだな、親父。俺はお前をここで倒す。」
「はっ。そうか。それじゃあ始めるぞい。」
その言葉とともに俺は手に持っている木刀を空を飛ぶ燕が身を返すように、振り下ろした刃を瞬時に返して即座に二撃目に転じるように振りかざした。これを燕返しという。
「速くなったな。だが!」
親父はそういうと即座に受け身に出た。
「ちっ。なら」
小野派一刀流剣術 其の壱 金翅鳥王剣
剣を大上段にとり、気魄で相手を圧しながら制するという高度な技だ。
これなら!
「なかなか厄介じゃ。じゃが!」
「ちっ。受け流された」
柳生新陰流兵法剣術 其の参 斬釘截鉄
きり込んでくる相手の太刀を半身でかわしながら小手をきるというカウンターで構成されている。
「なっ!」
これで親父ももう終わりだろう。
だが念には念を入れて、
夢想神伝流居合 其の伍 陰陽進退
倒したはずの敵が反撃してくるのをさらに防御して制する技。
「負けました。」
親父は潔く負けを認めた。それは武士らしい負けだった。
「ふー。親父、俺は飲み物買ってくるわ。」
「ああ」
コンビニに向かおうとしたそのとき、トラックに轢かれそうになっている女の子がいた。もう、ひかれそうになっている。咄嗟に体が前に出た。まだ間に合うかもしれない。本能が助けたら死ぬと告げている。でも、それでも、俺は!
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最後の記憶は曖昧すぎてよく分からなかった