表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トリスの日記帳。  作者: 春生まれの秋。
そのとき、それから
94/151

1、そのとき~トリスの場合 1~

短いです。

[第九章:そのとき、それから。]





1、そのとき〜トリスの場合 1〜






 その朝は、清々しい目覚めだった。

 いつになくクリアな視界。

 明快な思考。

 迷いの無い心。

 アリ君でいっぱいの想い。

 身体が、心が、軽かった。


 朝一番に修練と御祓を終え、私は慣れた手つきで着物に着替える。

 特別な日に着るという、『振り袖』、というものであると、スサノオ君は言っていた。

 丁寧に、身支度を整えてゆく。

 普段は滅多にしないメイクアップも施す。

 メイクアップの最後に、紅を一筆、唇に掃いた。

 自分が出来る事を、精一杯やって、満足して、そして、休眠を迎える為に。


 休眠中、体内に不要な物を残さない為に、私の最期の朝食は、霊水を沸かした白湯である。




 準備は整った。




 粛々と、私はスサノオ君の待つ、儀式の間へと足を運んだ。






 ギィッ…。



 重たい扉を開くと、目視出来る程神聖な神気が部屋を埋め尽くしていた。


 スサノオ君の前に正座する。



 スサノオ君の厳かな祝詞が始まる。



 頭を垂れ、身体の中に祝詞を浸透させる。




 そうして、どれくらいの時間が過ぎただろうか?




 スサノオ君が、明らかに途中と判るタイミングで、呪文を止めた。




「トリスさん。どうしても外せない事態が発生したようです。別室でお待ちください。時が、来ました。」





 ニッコリと笑い、有無を言わさぬ瞳で、スサノオ君は言った。




 神の試練が、始まる。







明日も更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ