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トリスの日記帳。  作者: 春生まれの秋。
試練
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7、試練~彼の場合 6~

七話目です。


7、試練〜彼の場合 6〜





 トリスさんの活動停止まで、後1週間。


 外視鏡の様子。


※※※※※※※※※※※


 とあるレクスギルドで。



「トリスティーファ・ラスティンを探している。情報が欲しい。」



 トリスさんの行方を探す、アリさんの姿があった。



※※※※※※※※※※※


 トリスさんの活動停止まで、後3日。


 外視鏡の様子。



※※※※※※※※※※※

 湧水亭。



「おう!アリ!久しぶりだな。噂は届いてるぜ?絶不調なんだってな?」


 ボーイのカイルさんが、元気にアリさんを迎え入れた。



「ああ。不調の原因であるトリスを探している。漸く此処までの足取りを辿って来たのだが、何か知らないか?」



 ちっ、とカイルさんが舌打ちした。



「あんまし教えたくねぇなあってのが、俺の意見な訳だが。質問していいか?」



 ボーイとして、席に案内しながら、カイルさんは他のメンバーに口封じを目配せながら問うた。



「何だろうか?」




 改まって、姿勢を正してアリさんはカイルさんを見た。



「アリよぉ。お前は、トリスの気持ちに気付いてるんだよな?応えてやる気はあんのかよ?」



 ぎゅっと手を握って、真剣な眼差しでカイルさんは聞いた。



「寧ろ、私がトリスに伝えなければならないんだ。…私はお前達がくっつくのが、あの子の幸せだと、思い込んでいたんだがな。」



 珍しく心情を吐露するアリさんに、苛立ったカイルさんが声を荒らげた。



「今更かよ!アリ…あんなに一途に、トリスはお前しか見てねぇんだぜ?それは酷だろ。」



 それを受け止めて、静かな様子で、アリさんも応じる。



「ああ。今更だな。だが、私も譲れんのだ。」



 はぁ。と溜め息を吐くと、カイルさんは拳を握り締めた。



「取り敢えず、お前は水にでも入ってろ。」



「何故だ?」



(失恋決定の腹いせだよ!俺の気も知らないで!)



「問答無用だ!」




 言うなり、どかっとカイルさんはアリさんの鳩尾に渾身の一撃をお見舞いし、トリエル湖へとアリさんを運ぶ。カイルさんは、そのまま、どぶん!と手荒くアリさんをトリエル湖へと放り投げた。



 ごぼごぼと溺れるアリさん。



 カイルさんは、ぷかぁっと浮き上がってきたアリさんを回収すると、また湧水亭へと引き返して行くとアーサガさんに告げた。




「親父。宿泊一名追加だ。」




※※※※※※※※※※※






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