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トリスの日記帳。  作者: 春生まれの秋。
試練
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5、試練~彼と彼女の場合 4~

五話目です。


5、試練〜彼と彼女の場合 4






 最近のトリスさんのお気に入りは、桜の綺麗な[春の庭]を一望できる部屋で、扉を開け放しての箏のお稽古と、お茶の時間の様だ。

 言い付け通り、全身全霊で修身に務めている。


「精がでますね。」



 僕が問うと、華が綻ぶ様な笑みを浮かべて、彼女は顔を上げた。



「今までに感じた事のないくらいに、充実した気分なんです。もうすぐ、願いが叶うから、でしょうか。未来を想像すると、心が満たされるみたいで…涙がでるんです。」


「そうですか…。」



 僕は曖昧に答えると、彼の事を考えた。



(やはり、彼がぼろぼろな事は、伝えない方が良さそうですね。彼女も、停止する心積もりが出来てしまっていますし。)



 彼女の様子を確認すると、僕はまた、彼の様子を覗く事にした。




※※※※※※※※※※※


「トリスを見掛けなかったか?」



 空腹を満たしたアリさんは、トリスさんの知り合いに、片っ端から声をかけていた。

 だが、トリスさんは、見つからない。

 当たり前だ。ここ(耶都)に居るのだから。



「見てないぜ?」



「知らないわよ?」



「旅に出る、と言っていたな。」



「元気そうでしたッスよ。」



 鬼気迫る勢いのアリさん。


 だが、集まらない情報。


※※※※※※※※※※※


 僕は頭を抱えた。



(トリスさん、どんだけ行き先を簿かして僕の下へ来たんですか!?)



 僕は、トリスさんとアリさんの追いかけっこを静観する事にした。






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