1、試練~彼の場合 1~
演出上、本日は連続して投稿致します。
よろしくお願いします。
[第八章:試練]
1、試練〜彼の場合 1〜
トリスさんが、再び耶都を目指している。
その気配を感じて、僕スサノオは、外視鏡※下界を覗く為の宝鏡。神様の宝具※を覗いてみた。
彼女は珍しく、一人旅だった。
いつも傍らに居る誰かしらの姿が無い。
不思議に思い、時を遡り、学園時代の、彼女の友人達の様子を覗く。
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クレアさんが、アリさんに何か言っている。
「…うじうじとはっきりしないわねぇ。アリ君、君ねぇ、トリスちゃんの事、どう思ってるのよ?妹だなんだといってるけど、そんな事言っている場合?捕まえておかなくていいの?好きなんじゃ無いの?はっきりしなさいよ!」
「いやいや、アイツは大事な妹だ!」
「そんな事言っていると、彼女、遠くに行っちゃうかも知れないわよ?」
「何処に行こうと、トリスの自由だろう。」
「そう言う事を言っているんじゃないのよ!この唐変木の朴念仁!」
言うだけ言うと、荒々しく研究室を出ていくクレアさん。
取り残されたアリさんは。
「私は、トリスが好き、なのか…?」
と、頭を悩ませていた。
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戦闘が起きていた。指揮はアリさんの様だが…。
(おかしいですねぇ。僕と共に戦ってくれた時の様な切れがありません。…。心の声を拾ってみますか。)
『アイツが好き?私が?好感はあるが、妹として、だろう?違うのか?分からない。』
気が、乱れている。
「全員で突撃、でいいんじゃないか?」
結果。
「くそ!あんたのせいで惨敗だ!どうしてくれるんだよ!」
どうやら、アリさんの指揮で敗北したらしい。
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ふっ。
と、鏡から映像を消す。
(もしかして、トリスさんが来るの、コレが原因ですかねぇ?)
僕は、彼の監視と、彼女の保護を決めた。
たまには、友人の為に縁結びの神様の真似事でもしてみますか。