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トリスの日記帳。  作者: 春生まれの秋。
『アルゴス』さんへ
132/151

16、『アルゴス』さんへ~幽世(かくりよ)・第9階層 7

ご無沙汰しています。

短いですが、宜しくお願いします。

16、『アルゴス』さんへ~幽世かくりよ第9階層 7









ガシャーン!!!!!!!



物静かな室内に、ステンドグラスが割れた時の様な破砕音が響いたのは、私達が、ナビ子の案内によって、窓口へと足を運ぼうとした、正にその時だった。


ルミラさん、ダンテさん、そして私の3人は、その瞬間、弾かれた様に、武器を預け入れたボックスへと駆け寄っていた。


ビービー!ビービー!


けたたましく鳴り渡る警戒音。




事態を把握しようとざわめき出す銀行内。


いかついデコデコとした鉄パイプ状の、恐らくは、『火炎の杖』と思われる武器を所持した連中が、50人ばかりの集団で、室内へと侵入して来る。


周囲を威圧しながら踏み入って来る混乱に乗じて、私達は、相棒たる武器を手にするべく、素早くボックスを叩き壊す。


侵入者の動向に、注意を払いながら。


そんな私達の行動を知ってか知らずか、


ダダダダダダダダダダダダダダダッッッッッッ!!!!!!


乾いた爆音が鳴った。



「フリーズ!!動くんじゃねえ!!!!動いたら、無事じゃ済まさねぇぜ!!!さぁ、命が惜しかったら、言うことを聞いて貰おうか!!」




ホールに大音声が響く。

爆音に驚いた人々が静まり返ったおかげで、犯人の声が、朗々と聞こえた。

もうもうとあがっていた砂煙が晴れる。


既に自分たちの相棒を取り戻していた私達は、カウンターを盾に、武器を構えて、様子を伺う。



目視で、侵入して来た連中が、犯罪者あらくれものだと認識した私達は、小声で、執るべき行動方針を確認する。


「大した敵じぁねぇなぁ。ルミラ、俺は右を貰うわ。」


「おう。ダンテ。ワタシは左に行くゾ♪」


「あの、私は…」


「「トリスは、万が一ワタシ(俺)が打ち漏らしたら、ソイツを頼むゾ(ぜ)」」






****************


結論から言うと。

ルミラさんやダンテさんは、あっという間に犯罪者あらくれものを制圧してしまった。


それこそ、ものの数瞬で。



私の出番は、まるっきり無かった。


瞬く間に鎮圧したその行為は、立派な正当防衛であり、犯罪を未然に防いだ英雄的行動として褒められるモノである。但し、現世に於いては。


では、この、幽世かくりよ第9階層では、と言うと。


1、私達は、民間人である。

2、民間人は、武装はしていないハズである。

3、武力による犯罪を、武力で解決できる民間人=テロリストである。


と言う事になるらしく。



「警察だ!!動くな!」



…私達が、公的機関に、指名手配される事態になってしまったのだった。








年末年始は、更新が難しいかと思います。

ご了承ください。

ありがとうございました。

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