12、『アルゴス』さんへ~幽世(かくりよ)・第9階層 3
編集に失敗してしまいました。
間違えて、書くべき描写が抜けていました。
投稿後ではありますが、手直しさせて頂きます。
それに伴い、本日は、二話投稿します。
ご注意下さい!
12、『アルゴス』さんへ~幽世・第9階層 3
未知なる世界で、目的の場所を目指すべく、情報を集めようと思ったのだが、私には、その手段が皆目見当もつかず。水を得た魚の如く生き生きと活動する、ルミラさんとダンテさんに、大人しく行動指針をお任せする事にした。
私の我が儘で始まった旅なので、本来ならば、自分主導で動くべきではあるのでしょうが、適性が無いのだから仕方ない。
そんな訳で、サクサクと周辺から必要な情報を、それとなく入手する二人を眺めていた。
案内板、と書かれた、道端の浮遊するパネルを弄って、何やら場所の確認、常識の確認を行っている。
ダンテさんは、路地裏にたむろする血の気の多そうな人達と、肉体言語(拳でモノを言わせて)で語り合い、ルーラーと思しき存在の情報収集に勤しんでいた。
その間、私は、道端の椅子に腰掛けて、ぼんやりと雑踏を眺める。チカチカとする光(ネオン、と言うらしい)にも何とか目が慣れて、法則性が見えてきた。…此処の住民は、それぞれの好みで、何処までも自由に衣服を楽しみ、好き勝手に大声で自分の意思を叫ぶかの様に自己主張を繰り返す人達な様だ。吟遊詩人の様に、楽器を喧しく爪弾きながら、通常ではあり得ない声の大きさ、美しさで歌っている人の声、第6階層のルーラーが放った攻撃音、けたたましいサイレンの音等が、そこここで、ひっきりなしに聞こえる。そして、ジャスティン母さんが好きそうな、デクストラ技術で走っていると思われる、機巧馬や、馬の居ない機巧馬車の様な乗り物が、道を一定のルールで進み、汚れた空気で大気を澱ませている。
(こんなに自然の無い世界は、私には荷が重いですね…。)
等と私がしょんぼりしていると、調べ物の終わった二人が此方にやって来た。
「待たせたな♪では、換金に行くぞ!」
ルミラさんが、元気よく言うと、ダンテさんが、止めに入った。
「ちょっと待て、ルミラ。俺は此方の流行りのショップ、トリスに分かりやすく言うと服屋だな、の場所を掴んだ。予定外だが、順番を変更して、其処へ向かう事を提案するが?」
それを聞いたルミラさんは、腕を組み、何やら思案すると、
「ふむ。そうだな。衣服が先か。ダンテが集めたその服屋は、物々交換可能、情報秘匿性の高い店なんだな?」
と、何か納得したご様子。
「そういうこった。身なりが整っていた方が、不信感は抱かれ難いしな。地元住民の意見は貴重だゼ?」
上手く意図が伝わった、と、ダンテさんもニヤリと口の端を上げた。
「では、向かうのだ~!」
ダンテさんを伴い、上機嫌なルミラさんに引き摺られて、訳も分からないまま、私は彼女らに着いていくのだった。