表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トリスの日記帳。  作者: 春生まれの秋。
[幕間:『トロメア』 2]
118/151

[幕間:『トロメア』2]

お久しぶりの、トロメアちゃんの登場です。

覚えていますか?

幕間:『トロメア』2






『いい。【――――】。私は、これから、あなたを、アリ君、アリス・トートスの元へと送ります。彼は、私のツガイよ。この意味、分かるわね?…私はあなたに、運命を託します。あなたの記憶等には、プロテクトを掛けておきます。必要な時には、あなたの記憶が開放される様にしてあるわ。…あなたの経験が、いずれ私を、皆を助けてくれるはずよ。だから、彼の下で、安心して色々学んで来なさい。行っておいで。』





おかあさんは、私を抱き締めた後、そう言って、オーナーに任せた。


そして、連れて来られた場所は、学園の前だった。

私は、事前におかあさんに言われていた通りに、おかあさんのツガイ、つまり、おとうさんに会うべく、行動を起こした。



でも、どうすれば良いのか分からなかったから、門の前でおとうさんを呼んでみた。


「おとーさん」


しばらくすると、近くにいたおじさんが、おとーさんのお友だちを呼んでくれた。

だから、私は、アリスおとうさんに会うことが出来た。

私の名前も、おとうさんは、決めてくれた。

私の名前は、おとうさんの三番目に愛しい存在、という意味で、『トロメア』に決まった。何でも、妹、おかあさんに次いで三番目なんだって。


そして私には、『トロメア』としての、自我が芽生えた。



****************






おとうさんは、いつでも優しく、いろんな事を教えてくれた。

おとうさんの周りにいる人たちも、私にいろんな知識を教えてくれた。




ある時、ドルンドルンというエンジン音を響かせて、おかあさんのおかあさんと言う人がやって来た。

おかあさんのおかあさんという事は、おばあちゃんである。


「いい?トロメアちゃん。私の事は、ジャスティン母さんと呼びなさい。お婆ちゃんっていう歳では無いからね?」


その人は、ニコニコしながら、そう言った。

私は、素直に従う事にした。

怒らせてはいけない、そんな空気を感じたのだ。


ジャスティン母さんは、私を連れて、湧水亭に連れてきてくれた。

そこには、私にとって父とも呼べるヒトがいた。


「カイル君。元気してる?この子、トリスの愛娘でトロメアちゃんよ♪よろしくね。さ、トロメアちゃん。お兄ちゃんにご挨拶してごらん?」



「親父殿!いつもおかあさんがお世話になっています。トロメアです。」



大切なヒトだから、丁寧にご挨拶した。懐かしい感じがしたのだ。



「おっ…親父殿!?どういう事だ?初めまして、だよな、トロメアちゃん。」



「はい。初めまして、です。」



「何で俺が親父殿、なんだ?」



「カイル、お前、トリスとの間に隠し子が居たのか?」



「ちっ、ちげぇよオヤジ!俺だって何でそう呼ばれるのかわかんねぇよ!」



カウンターの奥から出てきた主人を見て、私は、直ぐにご挨拶をした。



「師匠。初めまして、トロメアです。お世話になります。」



紛れもなく、の方は、私にとって師匠に間違いないからだ。


だが、私に分かるのは、カイユさんと呼ばれる方が『親父殿』であり、湧水亭のご主人が『師匠』である、という純然たる事実だけだった。





トロメアちゃん視点でお届けしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ