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14.とうとう、オブラートに包むのをやめたようです。

 翌日、いつものようにお父様とお母様と一緒に朝食を食べていると、リズが食堂へと入ってきた。




「メアリーお嬢様」




 失礼いたします、という一言を添え、リズが声をかけてくると、私は食べかけのものを食器へと置き、リズのほうを見る。




「どうしたの?」




 首をかしげ、珍しく食事中に声をかけてきたリズに訊けば、リズはものすっごく嫌そうな顔で“報告”をしてくれた。




「つい先ほど、王城からの使いのモノがやってきて、あと少しで、クソガ・・・・・・シリル殿下がこちらに来られるそうです」




 リーズー。今、思いっきり、クソガキって言おうとしたよねぇ・・・・・・。思わずっていうか、もう、わざとの領域ですかってぐらいに、言ったよね!!

 しかも、その報告を聞いて、お父様は思いっきり舌打ちしたし!!!!!

 あれ、あのゲームって、こんなに殿下ディスってたっけ・・・・・・。

 たまに、不安になるよ。

 て、今はそれどころではなくって・・・・・・。




「リズ、ごめんなさい、私、耳がどうも遠くなってしまったようなの。もう一度、言ってもらえないかしら・・・・・・?」




 もしかしたら、私の聞き間違えかも、なんていう、あわぁい期待を込めてリズに聞けば、




「では――――――自重を覚えないクソガキが今から押しかけてくるようです」

「うん、オブラートに包むのをやめたのがよくわかったわ」

「おぶらーと?」

「あぁ、なんでもない、こっちの話だから」




 思わず額に手を当てていったセリフに、リズは首をかしげた。

 うん、こっちの世界にオブラートっていうものは存在しないのね。よくわかったわ。

 と、それも横へ置いておくとして。




「――――わかりました。ひとまず、支度をするので、アン」

「あのクソガキのために身綺麗にするのは納得はしませんが、メアリー様の名誉のため」




 くっ、とこちらも何故だかこぶしを握り締め、悔しそうにしてるし。

 この家の人間、揃いも揃って王太子を王太子と思ってないらしい。あぁ、もちろん、私も含めてですが・・・・・・。




「食事の途中ですが、お父様、お母様、そういうことですので、お先に失礼します」




 席を立ち、小さく会釈をすれば、お父様が盛大な舌打ちをしてくださいました。

 私、悪くないんだけどなぁ・・・・・・。




「リズ、直ちにガーディナルに連絡を」




 それまで静かにほほ笑みこちらの会話を聞いていたお母様が立ち去ろうとするリズに向けそう言い放った。




「奥様・・・・・・」

「そろそろ、自分の立場というものを理解させないといけないようね」




 ふふっと笑うと、お母様も席をたたれた。


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