第七話:電話
「なんでそういうこというんだよ、ばか。オマエがいなかったら女バスのみんなも、男バスのみんなも、どんっなに悲しむか、目に見えてるだろ?なんで急にやめるとか言うんだよ。だったらあたしもまいちゃんも、純も、まつも、みんなやめるよ。きっとそれくらい簡単だよ。みんな大好きなんだよ、まーが。」
「なんかよく分からないけど、きっとそうよ。あたしもまーくん追いかけてきたけど、美弥と友達になって、いかにまーくん思いかわかってきたのよ。どうして、そこで諦めたりするの。美弥の気持ちもわからずに・・。見損なったわ」
そこまでいうか、というほど舞子も美弥もたっぷり愚痴をこぼした。多分電話の向こうでは、
まことは涙をこぼしていると思う。そして、今しばらく声をかけない方がいいと言うことを学んだ。
「へー。そいうんなら良いよ、とことんオマエしばきにいったる。」
美弥は、大阪出身なので興奮すると大阪弁をしゃべるのだ。
そんな美弥の目にも、涙が浮かんでいることを、舞子は察知した。
そこで、舞子と電話を代わることにした。
「まーくん・・。馬鹿っ。バカバカバカバカっ。なんでオマエなんか好きになったんだろう。
今はすっごーい不思議なんだけど・・?フフフ・・馬鹿なのはあたしだよねー・・。
まーくん、いや前田、どうしてオマエが好きだったのかが、解らねえな・・。」
間をおいて、最後に凄まじく、鋭い言葉を残した。
「さ・よ・な・ら」
言い切ったときの舞子は、涙目だった。
そしてその2日後、やっとワケを聞き出せたのであった。