第五話~少し世界に慣れてきたところです~
赤ん坊らしさってなんだろう。
どういうふうにすると赤ん坊らしいんだろうか。
皆目見当がつかない。
この世に生を受けてもうすぐ半年が経つ。
壁に貼ってあるカレンダーらしきものを見ていて知ったんだけど、この世界は時間の考え方が地球と似てる。
時計が同じだし、ひと月は大体30日だし。
助かるよな。時計の数字読めないけど。
最近じゃ寝返りも打てるようになったし、離乳食も始まった。
ぱっと見はホウレンソウとかニンジンみたいなのを摩り下ろしたのだけど…これがなぁ…美味くないんだ。味つけてないんだから当たり前だけど。
でも吐き出せない。
だってこんな美人な母親にそんなこと出来るわけないだろ!?無理無理!
どうにかこうにか死に絶えていた脳細胞を生き返らせて言葉を学び、呼びかけられるようになったんだけど…赤ん坊ってどれくらいから喋るんだ?
まだ早いのか?
こういうのが本当に困る。
赤ん坊のおっぱい拒否からしておかしいわけだしこれからはなるべく怪しまれないようにしておきたいのに…。
ぐっと握った手を天に突き出せば、丸々した手とピンクにレースの産着が見える。
ううん、女の子の服だなぁ…。
ピンク…俺は青とか紺とかが好きなんだけどね。仕方ない。母さんの趣味だ。
母さんは服を作り、父さんはおもちゃを買い漁り、祖父母は本におもちゃに色々買ってくる。
母方の祖父母は揃って美形だったが、父方は祖母が平凡顔だった。
ちょっと顔立ちが日本風で凄く親しみがわいた。
ちなみに父方の祖父は物凄い美形だった。思わず拝みたくなるほど神々しかった。
50近いとは思えん顔だった。あんな美形存在するんだなぁと思った。
初孫にめろめろになってるところは普通の祖父だったけど。
父さんには弟が(凄い美形)母さんには妹がいて(やっぱり美人)二人はもうすぐ結婚するらしい。
兄弟姉妹同士で結婚とか、狭い町なのかな。
うー、子供って飽きるなぁ。基本寝てるだけだし。
柄じゃないけど身体を動かしたくて仕方がない。
自分ひとりで歩けるようになるのはいつの日か。
その日が早く来ることを願う。
子供時代描き続けても仕方ないので次話から一気に飛びます。三歳くらいまで。
喋って歩けるぐらいまで大きくなってくれないとつまらんですしね。ぶっちゃけ。
設定ミスを修正。
加筆修正はないです。(H23.8.26)