第二十三話~お嬢様との日々、そこで気付くもの~
お久しぶりです、漸く更新ですが短くてすいません…。
詳しくは活動報告まで。
お姫様に王子様的人気のある妹、権力持ってるお嬢様…。
…何故このハーレムが前世じゃなく今の俺の周りに存在するのだろうか。
女同士って完全に不毛じゃないか。一度も使う事のなかった俺の息子が今頃泣いてるぜ。
…いや、今もしも存在したとしても多分使わないだろうけど。そんな度胸ないし。
お嬢様の婚約者認定されたあの日から二週間。
相変わらず俺の周りは騒がしい。
「私の婚約者なのですからみすぼらしい格好をしないで頂戴」
綺麗で高級なドレスを一式プレゼントされました。丁重にお返ししました。
「将来は社交界にも出なければいけませんものね」
高級レストランに連れていかれました。お返しに手料理を御馳走したら、強請られる様になりました。
「ダンスも踊れなければ」
練習させられました。男パートは完璧です。…なんか、空しい…。
あれやこれやとお嬢様に日常を掻きまわされ、俺の楽しみである新薬開発もまともに出来ず、最近の俺は頗る機嫌が悪い。
「今度、エレメンスタイン家で行われる舞踏会に参加いたしますの?」
「そう。嬉々としてドレス選んでるよ、レティスリール嬢が。私は行きたくないのに…」
「お気をしっかり。私も参加いたしますし、何かあれば私の名を出してくださいな」
「ありがと、シオル。シオルとルーナとクレイル先生だけが心の支えだよ…」
けれど、お嬢様のお陰で俺ははっきり認識した。
俺は今、女なんだという事。
そして俺は百合には萌えないし、女の子とどうこうなる気はない、という事。
元男の俺は確かにどちらかと言えば男より女の子の方が気になるけど、女の子と付き合いたいわけじゃないんだって気付いた。
身体が女なせいか、心もそちらに向いているらしい。
別に男と付き合いたいわけでもないけれども。
と、いう訳で俺はお嬢様と結婚する気が毛頭ない。
だからこそ、エレメンスタイン家の舞踏会が重要だ。
お嬢様の両親と会い、結婚の意思がない事を伝え、どうにかお嬢様を収めてもらうのが目的で、これは多分成功すると思う。
普通に考えればお嬢様と俺の結婚なんて親なら絶対反対するもんな。
俺が親なら反対する。うん、間違いなく!
拳を握り気合を入れる俺をシオルが溜息と共に見守っていた。