第十九話~新しい生活と微妙な空気~
俺としては列車の中でのことを語りたい気持ちはたくさんある。
俺も見たことがなかった食材との出会い(この場合この世界で、ということであり見た目と味は俺の世界で見たものと大差はなかった…大体は。…みかんの格好して中身が葡萄とかあまりの衝撃で涙が出そうになったよ)
姫様とルーナとの心温まる触れ合い。
ゲンノスケさんに簡単な武術を教わったこと。あれは多分合気道ってやつじゃないのかな…俺詳しくないから分らないけどそんな気がした。
全部を語りたい。でもそれをするとひたすら料理の話になる。
俺は料理が大好きだ。
…まぁ、有体に言うとマンネリ阻止ということで。
と、いうことで俺の現在の状況だ。
俺は無事中央につき、花嫁学校ことエンラントリュード国立女学園に入学した。
ここはあまり学年という概念がなく、単位をとることが重要とされている。
つまり真面目に勉強しなければいつまでたっても卒業できない、ということで勿論勉強の出来る人はポンポン上の授業を受けていく。所謂スキップみたいなものだ。
授業の内容は国語、数学、理科、社会みたいな一般的なものから音楽や美術などの芸術分野、乗馬や剣技などのスポーツ分野、魔法や精霊術などの魔術分野、そして俺の大得意な料理や裁縫などの家事分野と医術や薬学などの医学分野がある。
…花嫁学校と聞いていたのだがどう考えても花嫁に必要のないスキル多くないか?
「考えても分らないんだけど、どうしてかな?」
「それは、ここに通う子女たちの事情と嫁ぎ先の事情でしょうね」
お昼時、俺はいつも通りお弁当を中庭に広げ、ルーナ・シオルとともに囲んでいた。
今日は大豆づくしです。手作り豆腐美味しい。
あれから姫様とは大分仲良くなり、「シオル」「リース」の仲だ。
にこにことおにぎり(中身は梅干し←俺お手製)を食べているルーナと微笑んでお味噌汁(今日は玉ねぎ)をすするシオルは本当に可愛いなぁ。
二人を嫁にしたくば俺を倒してからにしてもらおうか!
…脱線した。
「事情って?」
「例えば軍人の家系の子女がいて、同じ軍人の家に嫁ぐことが決まっている場合は隣に立つ者としてそれなりの武技を身につけていなければならないとされているわ。魔術師の家なら魔術を、医者の家なら医術を…と行った具合ですわね。家のためになることを覚えるのが良き妻としての務めということですの」
「へぇ…だからルーナや私は好き勝手に授業を選べるわけだ」
「ええ。リースたちは特に嫁ぎ先が決まっていないもの。私はどこに嫁いでも良いように全ての授業を受けなければなりませんけれど」
「大変だねぇ。私に出来ることあったら言って。料理や裁縫、薬の作り方ならそれなりだし」
「私も!剣術なら教えてあげる」
「うふふ…ありがとう、二人とも。貴女方がいなければ私の学園生活はきっとつまらないものだったでしょうね。出会わせてくれたお爺様に感謝ですわ」
「うん、私もシオルに会えてよかったよ。ルーナ以外でこんなに仲良くなれた女の子初めてだし」
男ならね、ケイマがいるんだけどさ。…ケイマどうしてるかな?会いたいなぁ…。
うん、俺は幸せ者だよ。可愛い妹もいるし、故郷には優しい家族もいるし、ケイマもシオルもいる。
幸せだよ!たとえ虐められようとも!
今日も机の中に蛙がいた。
…誰が持ち込んだにせよ、お嬢様のくせに蛙触れるんだ。田舎の子みたいだな。
机からぴょんと飛び出た蛙に隣の席のお嬢様が大声で叫ぶ。
それを聞きながら、怪我をさせないように優しく捕まえた俺は窓から庭に放してやる。
幸いここは一階なので何事もなかったように蛙は去って行った。
もう捕まるなよー。
くるり、振り向いた俺を恐怖の目で見つめるお嬢様方。
…蛙くらい普通つかめるでしょ。俺は奇異な生き物じゃありませんよ。
むしろやっぱり机に入れた人のほうが奇異な生き物だよ。
ちなみにこれは日常茶飯事の出来事である。
いわゆる庶民の俺が姫様と仲がいいことや可愛い妹がいることが妬ましいらしい。
…女の花園って…ウザさ極まりないな。
大分間が開きました。
入院とかありました。
全く体弱いな!
点滴の跡だらけでどう見てもヤ○中です。
ヤバイ人みたいです。
これからまた頑張って行きますのでどうぞよろしく!