第十六話~出会いは突然に③~
ルーナはお腹が一杯になったことで眠くなったのか夕食まで寝るという。
俺の膝で。全く甘えん坊だなぁ。
ベッドの上で足を伸ばして座った俺の脚の上(膝枕というより腿枕?)に頭を乗せてルーナはすやすやと寝ている。
寝る子は育つ。うん、いいことだ。
俺も寝てもいいけど、今はあんまり眠くない。
と、いうことで読書タイムである。
あまり人気はないがマニアの間では結構知れてる推理物。
何がいけないのだろうか。やはり派手なトリックとかないからかな。
俺はちょっと抜けてる主人公が好きなんだが。
シリーズの新作を読み耽る。ぐいぐい引き込む文章に思わず嘆息。
俺には無理だ、うん。
既に半分近く読んでいたためか、一気に結末まで読んでしまった。
まさか犯人が娘とは…てっきり息子だと思ってたぜ。
そろそろ足もきついが、でもルーナの寝顔可愛いからどうしよう。
起こして夕飯のための身支度始めないといけない時間だしなぁ…。
ここは心を鬼にして起こすか。
「ルーナ、起きて。夕飯の時間だよ」
「んぅ…も、ちょっとぉ…」
「駄目。起きて顔洗いなさい。すっきりするよ」
「…はぁい」
ぽーっとした顔で洗面所に歩いていくルーナの後に続こうとして…断念した。
くっ…!足が痺れている…!
こればっかりはどうにもならんなぁ。
足に血が巡るときっていうのはどうしてこう痒いんだろうか。霜焼けとか。
「お姉ちゃん、顔洗ったよ。…足痺れてるの?」
「そう。…あー、やっと慣れてきた。ちょっと待ってて。すぐ支度するから」
「うん。お姉ちゃんお洋服同じでいいのかなぁ?着替える?」
「マナーとか考えると着替えたほうがいいんだろうけど…。そんなに持ってきてないからそのままでいいよ。髪の毛とかきちんとしてれば充分」
大体ルーナはどんな格好でも可愛い!
どうにかこうにかベッドから降りて洗面台で顔を洗い、ルーナと一緒に服の皺やごみなんかをチェックし、髪を整えた。
ルーナの髪はいつも俺が結っている。
夕飯だし、ちょっと大人っぽくフルアップだ。
…ふっ…、俺も大分髪型の名前に詳しくなったもんだぜ…。
ちなみに自分は三つ編みである。いつもこれ、ずっとこれ。
なぜなら面倒だから。本当は切りたいけど切ろうとするとルーナが泣くから切れない。
頭重いし手入れも大変だから本当はベリーショートくらいがいいんだけどさ…。
髪量の多い黒髪を緩めに一本の三つ編みにしている。
三つ編みにして背中の真ん中ぐらいまであるんだよ、長いって、絶対。
中央に行ったら切ろうかな…でもルーナがなぁ…。
そしてその時、ノックの音が聞こえた。
次回、ついに新たなる出会いです!
でも更新遅くなります。
今仕事超忙しい…。
十一月後半くらいまで二週に一回の更新になると思いますのでご了承ください。