第十二話~ご飯が美味しいとテンションが上がる~
きょろきょろと車内を見渡すルーナと俺。
行儀が悪いのは分ってるけど気になるもんは仕方がない。
そう言えば「世界の車○から」好きだったな。あれを見て旅行気分に浸るのが好きだった。
…思えば遠くへ来たもんだ…なんてちょっとセンチメンタルになってみた。
でも性格じゃないからすぐにそういうのはなくなる。
ドライな男ですよ、俺は。
そんな時、俺とルーナの視線が同じ所で留まった。
「凄い豪勢な食事だな」
「本当。あんなに一杯何人で食べるんだろうね」
「見たことない料理もある…うーん、じっくり見て研究したいなぁ」
「お姉ちゃんは本当にお料理が好きね」
「美味しいご飯は大事なんだよ、ルーナ。美味しいご飯を食べるとテンションは上がるし、体にもいいし、幸せになれるんだ。ご飯を作る人は偉大だ。いつも感謝して食べないと駄目だからね」
「うん。ご飯を作ってくれた人と農家の人と漁師さんと猟師さんに感謝しないといけないんだよね」
「そうそう。いただきますとごちそうさまでしたは大事だ。これをちゃんと言えてご飯に感謝できる人はいい人だよ」
にっこりと微笑んでいるルーナは本当に可愛い。
躾はきちんとしておかないと可愛くても嫁の貰い手が限られちゃうからね。
俺の認める男でなくばルーナは渡さん!…でもルーナが望むなら…って、まだ七歳のルーナで何を考えてるんだか。
沢山の豪華な食事を乗せたカートを押していくウェイターさんを見送ると、まずラナサラダが出てきた。
ラナサラダはだいたい誰でも食べたことのある所謂定番メニューだ。
俺は少しスパイスを効かせて作るのが好きだな。
分り易く言うと少し胡椒が多めなのが好き。
「はい、二つピークル食べること。そしたらフェレージョ頼んであげるよ」
「う…。うん。食べる」
取り皿にピークルを二つ(大体一つが四分の一カットだからピーマン半分)とラナサラダを取って、しばし悩むルーナ。
意を決したようにピークルにラナサラダを載せて…一気にぱくり。
もぐもぐむぐむぐと眉根を寄せて噛み砕き、最後にごくん。
「おお、いいぞ。あと一つ、頑張れ。食べたらデザートが待ってるぞ」
残ったピークル二つとラナサラダを何の苦もなく食べながらルーナを応援する。
好き嫌いすると大きくなれない…かどうかは定かではないが好き嫌いはないほうがいいよな。
もう一つも同じように飲み込んだルーナは残りのラナサラダを食べて水を飲み、口の中からピークルの味を消したようだ。
にっこり笑い、皿を俺に見せてくる。
俺も思わず微笑んで頭を撫でて褒めてあげた。
ルーナは褒めて伸びる子だよ!
「偉いぞ。ルーナはしっかりしてて嬉しい」
「約束だよ、デザート!」
「勿論。次の料理来たら頼もうな」
デザート一つでこんなに機嫌が良くなるなんて…。
お菓子に釣られて誘拐とかされないように俺が気をつけないとな…。
全然話が進みません。
食べる話を書くとどうも話が進まないのはいつもです。
食べるのが好きなのは私です。私もピーマンは苦手です(どうでもいい情報)
伏線を張るのってどうすればいいですか。