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とある悪意

作者: type
掲載日:2026/08/11

通信販売攻防事件


これはとある事件をもとにした過程事件の全貌である



事の発端は、とある通販に起因するものである

その夏は、酷く暑く

私の八月の生存は、絶望的に思われた

私の生活範囲に、冷房などいなく

ただ、古いアパートの中では、何とか、生き延びた扇風機が、熱風を、畳のぼろぼろの部屋に、かき混ぜるような、だるい空気を、いたずらに送り込み

何かの製造工場のような、どんよりとした空間へと変貌していた

それでも、深夜になれば、窓辺に置かれた、その扇風機からは、わずかながらに、隣の家のエアコンの室外機の空気が、入り込むとはいえ

昼間よりは、何度かましな空気を、送り込む

生存ぎりぎりの装置に思える

そんな機械も、今日目を、覚ますと、うんともすんとも言わず

ただ、どうしようもなく、

確か中風だと思ったが、五つあるうちの真ん中のボタンがへこみ

半分黒ずんだようなコンセントには、扇風機の半分加水分解で、黒いコードは、ネチャネチャしていたが、しっかりと、接続されている

私はため息とともに、軽く一瞥して、プラグを、抜くが、再度刺した所で、変化はなく、暑苦しい部屋の内部は、更なる高温が予想された

地球温暖化などないといったやつはだれだろうか

私は、ぼんやりした頭御冷やすために、シャワーに入り込む

熱いお湯は、そのうち冷水へと変わり

私の体温を、軽く下げるが

その温度も、到底冷水なんて言えるものではないだろう

私は、ぼんやりとした思考を、生乾きのタオルでふき取ると

そのまま工場へと向かう

冷房などない

トタンの中には

黄色い薬缶が墓標のように立ち並び

その横には、無作為に、塩の大袋と横には水道が見える

工場の中には、もう源さんがおり、仕事を始めている

歩合制ならいいのに

残念ながら、この工場は、時給制を取り

早く始めたところで、給料も変わらないというのに

彼の行動には、頭が下がるが、体に染み着いた

行動を繰り返しているだけなのかもしれない

私は、ぼんやりと、音のする工場の中で、朦朧とした意識を、何とかつなぎとめると

誰もいないトイレに駆け込む

死ぬ

このまま家に帰って、扇風機もないようだったら

そのぞっとした意識が

私を、トイレという個室に駆け込ませ、そこで 、通販サイトを、巡回させる、新品の必要性はない

どうせ扇風機だ、そんなに壊れるほど複雑な

機構はしていない

・・・しかし、もしそうなら、なぜあのウチで死んだ扇風機は・・・

私は、とある通販サイトを見ていると全く関係のないゲーム機を見つける

それは、昔から遊んでいたが

なかなか見つからないもので

安かったという事もあり

私は、つい、扇風機の事を、一旦わきに置いて、それを、気が付くと購入していた

今考えれば、その時に戻ってから、それを止めればいいのだが

私はその時、そんなことに気もせずに、購入ボタンを押していた

すぐに、購入したことを知らせるメールが、携帯に響く

私は何となく確認して、とある一文を見る

「ケースのみ」

嘘だろ

かなり安かったが

まさか

なんという一文を、読み落としていたのである

私は自責の念にとらわれながらも

もう一度サイトを見れば

同じ型で、しかも、ソフトの入っているものが

数百円だけ高いが売っていた

私はそれもすぐに購入し、お問い合わせホームに

カセットの入っていない者のキャンセルを、申し出て、仕事に戻る

しかし、私は、この時、とある一文を、読んでいなかった

購入後のキャンセルを、した場合、ブロックします

私は、何ともなく、トイレを出た

何時ものように、灼熱の中、仕事を終えて、昼休み

私は、水道で、頭から水をかぶると

ぼんやりと、暗い中へ移動して、携帯を開く

そこには、メールが一通

すべての注文をキャンセルしました

私は、始めこそ、最初の一つかと思っていたが

どうも状況を見るに、二つともキャンセルされている

私は、ぼんやりと、もう一度探してみたが、あのゲームソフトが検索に引っかかることはなく

私は、お問い合わせに、再出品を、頼むことにしたが

その返答は

このようなものであった。

「お客さんは、キャンセル禁止にもかかわらず、キャンセルしましたので、以後、当店とのお取引を、禁止します」

私は、その内容に、ぞっとした

なんという、横着な文章体であろうか

すぐにメールをすると、同様の、悪辣な文体が、メールで送られてくる

私は、余りの事に、もう一度文章を、読み直して、ぼんやりと、ため息をつく

再度、様々なサイトで、確認してみると、無い事はないが、多少割高であったりするが、中には、ここよりも安い場所もある

私は、仕方なく、そっちで買うことにする

時間の無駄である

しかし、それは、数年後

私は、ぼんやりと、あの時と同じような考えをしていた

その時も、同じように、ほしいものがあり、未だに、買っていない扇風機を、探していたが

そこで、また同じような状況にあった

あの店である

そして今回はいくら探しても、ここしかない

面倒なことこの上ない

私は注文するが、キャンセルのメール

面倒なことこの上ない

仕方なく、あきらめるいかない

しかし、余りにも、納得がいかない私は、この店が出品しているサイトのほうに、メールを出すと、両者で解決しろという酷い内容であった。詐欺が起きても同様の回答であろうか。私は、この横着さに、何年かぶりで、辟易していた

なんという面倒臭さ

なんという世の中の不条理

私は、そのまま、この店の事を、調べていくと、この店にはどうやら実店舗があるらしく、レビューを、見てみて、何とも納得するしかない

同様のレビューが、私の身に起こった以上の最悪な現場が、書き連ねられている

なんという阿鼻叫喚

私は、何ともいたたまれない中

とある考えが浮かぶ

どうせキャンセルされるなら

すべてに注文すれば、どうなるのだろうか

一度キャンセルされた注文の品は、再度掲載された様子はない

そして私は、その時、実は暇をしていた

あの数年後

私は、飲み会の煽りで宝くじを買うと、十億という値段が、私の懐に転がり込んできた

正直、余り人生に興味のない私は

それを株に回す事も、豪遊することもなく

未だに、あのアパートで、暮らしていた

さすがに、クーラーは付けていたが、非常に、暇をしていた

ぼんやりと、そんな感想を得た私は、暇に任せていた

このお金を、これに使ってみることにした

早速、掲示板という不特定多数が集まるサイトに行くと

今回の経緯を解説し

このサイトの商品を、すべて購入出来るソフトを、五十万で、開発してくれと書き込むと

面白いと、無料で、コードが、張られた

私は、そいつに、五十万を支払うと、すぐに返金された

仕方なく、そのコードを使い

私は、早速、奴の店に、大量の注文を出していた

始めのころは、様子見で、ぽつぽつと注文したが、順調に、それらすべては、キャンセルされていた

毎日の日課で、一日一冊購入していたが

私はその日、そのサイト、すべての商品を購入し、何千という商品が、店から一瞬で消えた

その日の午後、キャンセルが入る

ここまでくると、あっぱれというほかない、利益よりも、自分の意志を貫いたのだ

しかし、これからは持久戦だ

サイトは全て手動である

すべてを一つ一つ手作業で、キャンセルされた商品を、再掲載しなければいけない

そして、この店は、キャンセルしたものを、すぐには掲載しない

この店の商品は実質新たなもの以外ゼロであり、実質

薄利多売の消失

事実、通販の敗退に、他ならない

私は、別に、買ってもいい

全て、本当に欲しい人に、寄付すればいい

そのサイトも用意はしている

何も掲載されていない

サイトを見ながら

私は、クーラーのきいた部屋にいた

実に、無意味な勝利である

掲示板では、無責任な見物客の歓声が

向こうのほうで、聞こえていた

さてどうなるか

私は、相手の次の一手を無想していた




あとがきとして

そのあと実に奇妙なライバルが出現した

それは、代理購なる

面倒な相手であった

そのサイトは、様々な物を、代理で購入してくれるもので

手数料百円で、後は、送料を、払えば、使用できた

実質、私の今回の攻防とは、全く関係ないとおもわれた

サイトは、どうやら、私の時と同じで、両者介入はないようで、更には、営業妨害だと、弁護士からメールが来たが

こちらは、買っているのだ、送ればいいと、腕の良い弁護士をつけて、裁判すると、買ってしまった

相手も意地なのか、未だに続ける

器械と人間の戦いは実に面白い

特に、もはや私には、関係ないところに来ていた

しかし、私の相手は、この店でも、サイトでもなく

全く関係ない

部外者の観客

掲示板の民で、私と同じような、暇人がいた

そいつは、金があるらしく

私よりも先に、自分で作ったサイトを、使用し購入して来たのである

面倒なことを

私はすぐに、新たなるより早く購入できるコードの開発と

それと同時に、世の中の暇な人間の中には

わざわざキャンセルをして、この戦いに、無関係にもかかわらず、面白そうだと、介入してくる連中まで現れた

私はもう少し、楽しめそうだと、無意味に、そう考えていた、店主が倒れるなど、到底思ってなどいなかったが、探偵に聞くと癌だという

ある日を境に、全ての注文が

購入できてしまった

余りの事に、ついに、値を上げて私が勝利したのかと思ったが

どうやら違うらしい

いらないものを、購入したという参入者の物を、私は、買い取りながら、探偵に、聞くと、死んだという

私は、余り、もう感情が動かなくなっていたが

しかし、さすがに少し動くものがある

喪服に身を包むと、スーツを着て、新幹線に乗り込む

奴の葬式で、私の邪魔をした

高そうないけ好かないスーツを着た男がいた

あの代理購入の男である

私は、そのまま通り過ぎようとしたが

奴は、私と同じように探偵でも雇っているのか

私が目の前を、素通りしようとすると、止められる

「どうも」

雨の降る嫌な夜の事である。

「刺殺らしいですね」

私は奴を見た

「今なんと」

奴は、別の場所に移動しながら、屋根の下で、私を見る

あなたですよね、この店の店主の邪魔をしたのは」

私は購入しただけである

「だれに殺されたんですか」

「さあ、私の調べたところによると、その人も、過去に、キャンセルされて、思い悩んでいたようですが、どうやら、精神が弱い方だったようで、そういう病院やカルト宗教に、通っていたようですね」

私はぼんやりと、奴を見る

「あなたが、騒いだから、見てしまったのか

それとも、見ずに、憎しみの方向を、たまたまこれに、充てただけなのか

正義感って何ですかね」

私は癌という情報がどこから来たのか

そして、背後で親族が、刺殺の話をしている声が聞こえた

何が本当なのであろうか

もし、癌でないと探偵が知っていたら

何故そんな嘘を、いう必要性があったのか


何とも逃げ場のない暑さが

あの夏のように

私の周りに漂い始めている

雨音が、私の耳元でやけに大きく

屋根からコンクリートに落ちる

私はぼんやりと、商品の無価値さを考える

今私に、価値のあるものが

何処かで売っているのだろうか

赤いパトカーが、家の前には止まっているのか

塀の向こうで赤く光る








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