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南山共和国建国史―松平容保と勝海舟は日本から脱出するようです―

作者:しげぞう
1860年代、すでに日本は「鉄」と「蒸気」に目覚めていた。 これは、先に近代化した徳川政権側諸藩と、切り捨てられようとする者たちの「攘夷(反グローバリズム)」が衝突する、もう一つの幕末。そして、南半球にひとつの共和国が誕生するまでの、血と鋼鉄のクロニクル。

【あらすじ】  
一九世紀中葉。欧州が「諸国民の春」に揺れていた頃、極東の島国・日本でも静かなる地殻変動が起きていた。 後に「嘉永産業革命」と呼ばれる技術的爆発である。 南洋(南山諸島・豪州・入安)との交易で莫大な富を蓄積した徳川幕府は、西洋技術を貪欲に吸収。東日本を「鉄と蒸気の要塞」へと変貌させていた。ここでは武士は刀を捨て、計算尺と図面を武器にする「技術官僚(テクノクラート)」となり、蒸気機関が黒煙を上げて工場を稼働させていた。

 しかし、その繁栄の陰で、取り残された者たちがいた。 産業化の波に乗れず、東国の経済的植民地と化した西国諸藩である。 彼らにとって、幕府が推し進める「開国」と「工業化」とは、美しい日本の田園と精神を金(カネ)で汚す「夷狄(いてき)の毒」に他ならなかった。「奪われた日本の魂を取り戻す」 高杉晋作ら西国の志士たちが掲げた「攘夷」の旗印は、単なる外国人排斥ではない。それは、強大すぎる幕府資本主義とグローバリズムに対する、持たざる者たちの絶望的な生存闘争(テロル)であった。

 合理と計算で国家を運営しようとする徳川慶喜・松平容保ら「連邦派」。 情念と破壊によって国体を守ろうとする西郷隆盛・高杉晋作ら「維新派」。

 異なる正義、異なる未来図を持つ二つの勢力が激突するとき、列島はかつてない内戦の炎に包まれる。そして敗れゆく東国勢力が選んだ最後の手段――それは、国家そのものを南洋へ移転させる、人類史上最大の「民族大移動(エクソダス)」であった。

 蒸気機関とサムライ。資本論と国学。 全く新しい視点で描かれる、血の通った群像劇。
序にかえて
第一部 鉄と蒸気の列島
第一話 泥と鐵の国
2026/01/03 23:01
第二話 駒場野の黒い霧
2026/01/03 23:06
第三話 蒸気とゴムの帝国
2026/01/03 23:10
第五話 北限のクロニクル
2026/01/03 23:23
第六話 雪中の赫き呪縛
2026/01/03 23:31
第二部 鐵の列島、飢える西國
第1話 安政の黒い煙
2026/01/07 15:55
第2話 南山からの便り
2026/01/07 15:51
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