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プロローグ

「さようなら。私と離婚してください」


 夫アドルフへの伝言だ。


 そう一言書き置いた。そして、間違って風で飛ばされでもしないように、その書き置きの上に大事に文鎮で押さえる。


 それから、役所に行って、離婚届をもらってくる。そして、私の記名欄にだけサインした。それも一緒に文鎮で押さえる。


 部屋の窓から晴れた青空を見る。すると、窓の外には一羽の小鳥が元気に羽ばたいていた。


 私の心は晴れ晴れとしていた。


「あれはまるで私のようね。私はもう何者にも縛られないのだから」


 そう。心はもう何者にも縛られない。誰かに言いくるめられたり、虐げられられたり、良いように使われる日々は終わりだ。


 そうして私はリュック型の一つのマジックバッグを手に部屋を出る。


「さようなら、虐げられていた私」


 そうつぶやいて、誰にも知られないよう、裏口からブルーム公爵家をあとにした。

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