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第8話

最初に動き出したのはグランデさんだった。グランデさんは物凄い焦った顔で近付いて来た。


「おいおいおい、お前今何したんだ!?最後のやったの嬢ちゃんだろ?何で占い師が相手に直接干渉して倒してるんだよ?後、戦闘中の会話聞いてたがお前狙ったカードが引けるのか?」

「え、だってスキルに書いてある事を組み合わせたら出来ると思ったからやってみただけですよ?寧ろ最初に占い師は戦闘出来ないって言った人誰ですか?めちゃくちゃ戦闘職じゃないですか。私ならパーティに一人は欲しいですよ!後、狙ったカードが100%引ける訳じゃないです。あくまでスキルの組合せで欲しいカードが来る確率を上げてるだけです」


確率を上げてるだけぇ?ほとんど狙い通りのカードじゃねえか。そんな占い師系職業オレだってパーティに一人は欲しいわ!何なら占い師フルパーティだってあり得るわ。


「ノーヴァさんには度々マナー違反で恐縮ですがどんなスキルを使ったか教えていただけますか?ノーヴァさんが不利になるような事は絶対にしないので」

「スキルですか、良いですよ。それに知っていても基本的に対処出来ないと思うので」

「ありがとうございます。では一度私の店に戻りまた先程の個室でお話しましょう」


そう言われ町に戻るのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


テムジンさんの喫茶店に戻ってきてコーヒーを入れてもらい俺があの時何をしたのかを説明した。


「こんな感じで、占瞳、カード、占術の3つを組合せて引きたいカードの確率を上げてました。今思えば水晶に写る自分を対象に天眼を使えばもっと効果が上がったかもですね」

「へぇ~お兄ちゃんそんな事してたんだ。だからオオカミがいきなり倒れたんだね」

「はい~それに確かに知ったところで対処するのは~とても難しいですね~」

「と言うかヒヨリ、そろそろゲームの中での呼び方統一してくれない?」

「え、じゃあずっとお姉ちゃんで」


何でよりにもよってそっちなんだよ!事情を知らないテムジンさんが不思議な顔してるじゃないか。取り敢えずテムジンさんにも説明しよう。


「なるほどスキルの方はそんなカラクリがあったんですね。後、大変可愛らしい見た目をしているのですね」

「そうらしいんだ、ノーヴァの奴こんなナリで中身は男。しかもパーソナルキャラベースだからほとんどいじってない!世の中にはいるんだなその辺の女よりも可愛い男ってのは」


グランデさんテムジンさんにスキルとついでにキャラの話をしたらスキルの話の時は真面目な顔をしてる癖に見た目の話になったら凄い良い笑顔で返された。


「む~~~。もう、いいですお昼になったので一旦落ちます。案内ありがとうございました」

「まぁ、ちょっと待て。からかい過ぎたよ悪かった、落ちる前にオレ達とフレンドコードの交換してくれや、そうすればいつでも連絡取れるからな」


言われるまま俺達四人はグランデさん、テムジンさんの2人とフレンドコードを交換して一度ログアウトしたのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ログアウトして自分の部屋からリビングに向かうと日和が既にイスに座って待っていた。


「遅いよ、お兄ちゃん。さぁ早く美味しいお昼ご飯を作りやがれ下さい。後、今日は暑いけど疲れたのでサッパリしていて、でも腹持ちが良いものが欲しいです」

「たまには日和が兄ちゃんに作ってくれても良いんだけど?」

「日和が台所に立つとお母さんが発狂するのでその選択肢はありません。なので早く作って下さいお兄ちゃん、私はお腹がペコペコなんですよ?」

「ふ~ん、そんな頼み方で良いんだ?今日のお昼はとろろとオクラのご飯にしようかなぁ」


俺がそう言うと日和は青ざめながら土下座し頼み直してきた。何せ日和は納豆や山芋等のネバネバ系の食べ物が苦手だからである。


「大変失礼しました。少し調子に乗りました。私はお腹か空きましたがお母様に台所の立ち入り禁止を言われているのでどうかお昼を作って下さい」

「よろしい。じゃあ少し待ってろサッパリしてて腹持ちの良いものか………やっぱり冷製スープパスタかな」


まずは、玉ねぎを薄くスライスして流水にさらいておく。次に、トマトを賽の目に切り少量の水とコンソメの素と一緒に鍋でトマトが崩れない様にして、沸騰してきたら火を止め塩と胡椒で味を整える。冷すので少し濃いくらいの味になったら、鍋ごと水にさらし粗熱を飛ばす。この間にパスタを茹でるお湯を沸しておく。粗熱が取れたスープを冷蔵庫に入れ冷やしたら、次は電子レンジ用のシリコン蒸し器で鶏のささ身肉を蒸しておく。

この間に、お湯が沸いていたらお湯に塩を入れパスタを茹で、ゆで汁は小さめのボール一杯分だけ残しパスタを上げる。湯切りしたパスタは軽く乾くまで置いておき、その間に梅干しを包丁で叩きペースト状にして、ささ身肉を細く裂く。これ等の作業が終わったら、バターを溶かしたフライパンに大さじ二杯のゆで汁を入れパスタを焼いていく。バターが馴染み乳化して汁気がなくなってきたら、梅干しとささ身肉を入れ良くパスタと絡ませる。最後さらに盛り付け上から冷しておいたスープと胡椒かけ、水気を絞った玉ねぎを乗せたら完成。お好みで紫蘇や胡麻をかけても美味しい特性冷製トマトスープパスタ

の完成。


「ひよりーー。ご飯出来たぞ、自分の分運べ~。早くしないと兄ちゃんが全部食べちゃうぞ」


言うと直ぐに台所とを繋ぐカウンター前に来た。よほど腹ペコだったのだろう、俺が席に着くと直ぐさま「いただきます」と言って食べ始めた。


「午後はどうするんだ?またゲームするのか」

「ううん、午後は打ち合わせだってゲーム内でやるライブはどういう感じにするとか、他の国の人も見に来れる様に専用のフィールドでステージ用意するのかとか、チケットはどうするとか色々決めなきゃいけないみたいで宮下さんからお呼びがかかった」


宮下さんとは日和達三人を担当してくれるマネージャーだ。


「そうなのか、じゃあ俺は買い物行こうかな。そんなにガツガツケームする気もないし、夜ご飯の買い出ししなきゃだし」

「わかった。買い物終わったら私達は気にせずゲームしてて良いよ。私達も先に終わったらゲームしてると思うから」

「了解、午後はそれぞれ別行動ね。俺も買い物終わったらゲームしてるからなんかあったらフレンドコールかリアルで起こしてくれ」


そうしてこの日の午前は終わって行った。

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