第7話
バフをかけるならやっぱり星読みよりもタロットを使った支援のがいいよな。只このタロット現実で使われてる普通の物と違ってめちゃくちゃ枚数が多い7~80枚くらいあり少し見てみたけど同じ名前の書かれたカードが絵柄違いで入ってたから同じアルカナでも効果が違うのかも知れない。
どんなバフがいいかなぁ、火力は足りてそうだから防御面を上げた方がいいよな。それなら力のアルカナが良さそう!俺のイメージ的に女戦士の正位置がベスト、絵柄が違っても力のカードの正位置ならそんなに悪い効果は着かないと思う。
そう思いタロットを出そうと太股のホルスターを開いたらタロットが独りでに出てきて俺を囲んで廻り出した。
「お兄ちゃんナニソレ!?カッコイイーー」
「私もビックリしたけどたぶんこれが占術とタロットスキルの効果なんだろう。取り敢えずバフ行くから動くなよ。あ、テムジンさんスキルって発声しないと使えないとかありますか?」
「魔法系スキルは発声が必要ですが剣や拳等の物理系や盗賊系の罠等のスキルは必要ないですね。占い師はやってみれば解りますよ」
そっか、物理系に発声が必要ないなら大丈夫かな?安心してイカサマが使える。手でタロットに触ってないのにイカサマってもう何がイカサマで何がイカサマじゃないのかわからないけどね(笑
そう思いつつ俺は自分を含め四人にバフをかけるべく賦術を発動する。
「我は運命を紐解く者也、運命を司る二十二の叡知よ、その秘められし力で我らの道を導きたまえ。リリース」
なぁぁぁぁぁぁ!?何?一体何なの今の!賦術使ったら勝手に向上喋り出したんだけどーーー!
「フフフフフ、やっぱり良いですね。占い師になった人達は皆やるんですよ。前情報無しで占い使って街中や今みたいに戦闘中に口上を上げる、きっとスキルの使用がトリガーなんでしょうねww」
「知ってたなら教えて下さいよ!もう、良いです。」
「ノーヴァさんが~いつの間にか~カードキャ○ターになってます~」
「お姉ちゃん可愛かったよ~。また、見たいなぁ、この後もいっぱい戦闘訓練しようね」
「ノーヴァが魔法少女みたいなのやってる!アタシもやりたい、どーやんの?」
皆してバカにしてぇ、もう無視してカードに集中しよ。そしてテムジンさんには後で邪眼のテストに強力させよう。
「えーっと、何のカード引いたのかな?………ほい、惜しい力のカードだけど引いたのはヘラクレスの正位置か。まずまずの成果かな?取り敢えず最悪の結果ではないし」
位置まで確認したらカードが光り、次いで俺達の体も赤い光りが覆った。これがバフエフェクトなのだろう。こっちの戦闘準備が終わった頃にグランデさんが合流しオオカミが警戒してるのかこちらを睨む。ので、俺もジーーッと見つめてあげた。5秒程見つめているとオオカミの1体が地面に倒れた。よし、しっかりかかったみたいだ!説明読んだ時は邪眼と天眼で打ち消し合わないか心配だったけど大丈夫みたいだな。
「え?え?露理ちゃん何かやった?オオカミが倒れちゃったけど私まだ何もしてないよ」
「日和ちゃんでもないんですね~私も何か状態異常を与えるには矢を当てないとなので~何もしてないですよ~」
「二人が何もしてないならノーヴァじゃないのか?アタシは接近物理系しかないし」
「フッフッフ、その通り!さぁ三人であの倒れたオオカミ倒しちゃって。その間に残りの2匹に色々かけるから」
コレでターゲットをまだ動ける2匹に付けてあのカードを引ければどの絵柄でも一回で戦いが終わると思う。引けなかったらまたアレをやるのか、一回で引きたいなぁ。
まぁ、悩んでても仕方がない。男は度胸ださっさと引いて終わりにしよう。
「我は運命を紐解く者也、運命を司る二十二の叡知よ、その秘められし力で我らの道を導きたまえ。リリース」
引いたカードには禍々しい雰囲気を纏い大きな鎌を持ち黒いローブを着た骸骨が描かれていた。向きは逆位置。来た、死神のカード!他のを見てないからわからないけどこれは霊魂か不死性かな?どっちにしても死神の正位置なら勝負が決まっただろ。
「よし、私の狙い通りの効果ならコレで戦闘終了だ」
「お兄ちゃん何でまたカード引いてるの。さっきはカードとは別に何かしたみたいだし?今度は相手にデバフでもかけてるの?しかも何かさっきからカード狙って引いてる気がする」
「そうですねぇ~さっきも惜しいと言ってましたし~」
「なぁ、二人もノーヴァばっかり見てないで倒すの手伝ってくれよ」
そんな会話をしていると残った2匹のオオカミの動きが止まり首の上の空間が歪みそこからギロチンの様な刃物が降ってきてオオカミの首と胴はサヨナラしてポリゴンとなり消滅した。
それと同じくして斧でミユキがペチペチしていたオオカミもHPが尽きたのかポリゴンになり消滅した。
『偵察オオカミ小隊を倒しました。経験値を取得しました。オオカミの毛革を2入手しました。ボロボロの毛革を1入手しました。牙の短剣を1入手しました。』