際19話
「依頼完了ご苦労さまでした。こちら成功報酬の8万Jと第三王女様からお客様宛の招待状になります、お間違いがないかご確認下さい」
組合に着き売店側を覗く前に受けていた依頼の達成報酬を貰おうと受付に来たら報酬の他に知らない招待状までわたされ開けてみると手紙と一緒に指輪が入っていた。
「指輪の正体を知るためにも一先ず手紙を読んでみるか」
そう独り言ち手紙を開き目を通した。
【助けられたお礼の為に私主催のお茶会に招待するわ。手紙を開けた五日後の13時に城の門番にいる兵士に指輪を見せなさい通して案内するように言いつけておくから。
~追伸、何人居てもいいけど一緒に居たモノクルのイケメン執事と筋肉ダルマの二人は絶対連れてきて~】
読み終わると手紙が光鳥の形になると飛んで行った。おそらくあの鳥で開いた事が伝わるのだろう。執事と筋肉ダルマってたぶんテムジンさんとグランデさんの事だよね?俺は夏休みで基本いつでも大丈夫だけどあの二人って社会人なんじゃないかな……一応メッセージ機能で特戦隊の人達や日和達にもまとめて行ける人は返事くださいっと一斉送信。
「よし、後は返事が来てからでいいし次は楽しいおっかいもの~♪タロットカードはあ~りますか~?」
鼻歌を歌いながら二階にある武器防具の販売エリアへ足を進めた。
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売店エリアに入り武器の置かれているエリアを探したがロッドや水晶玉は置いていたがタロットカードはなかった。
「今の所ロッドや水晶玉は最初に貰ったので事足りてるんだよねぇ。早急に分かる範囲で攻撃手段は確保したいし、分かりやすい死神か塔のカードはパターン別に欲しいし…………よし、どこにあるかわからない物を探したって時間の無駄!店員さ~~ん」
自分で探すのを早々に諦めカウンターの中に居るお兄さんに聞くことにした
「すいません、タロットカードって売ってないんですか?」
「タロットカードは武器ではなく投擲アイテムになりますので二階ではなく上の三階フロアになります。また毎週金曜日の21時から開催していますオークションに出品される場合もございますのでカタログリストの方でご確認くださいませ」
あ、タロットカードは投擲アイテムだったんだ。占いで使う事しか考えてなかったけど結構硬いし動画とかだとカード投げで果物や野菜なんかを切ってるの見たことあるし出来なくないかも。そう考えるとスキルに≪投擲≫もあったし理に適ってるのかな?……………………本格的に師匠NPC探さないと何ができるのかわからないな。
とりあえずお兄さんにお礼言って上に行こう。
「ありがとうございます。上に行ってみますね」
「いえ、我々組合職員一同皆様のサポートをすることがお仕事ですので。では良い冒険者せいかつを」
別れを告げ三階に来てみるとポーション等の薬類、矢や弾丸等の飛び道具、そして投げナイフや爆弾等が売っている並びに探し求めたカードのコーナーがあった。…………あったがTCGのパックの様に一組7枚で1200J。
「え、高くない?しかも中身分からないから揃えようとしたら小アルカナが4種14枚を大アルカナの22種類だよ!?馬鹿じゃないの!!!」
安いのはないかと周りを見るとトランプも見たことない絵柄のカードも同じ様に1パック7枚で1200J。そして1パック3枚で3000Jや1パック1枚で1万Jはあるが1200Jより安いものはない。
「今の所持金が90600Jで仮に2パック2400Jで死神の大アルカナ一つを小アルカナの絵柄1種エースからキングまで揃えたとしてそれを小アルカナは4種だから9600Jでしょ。無理だ今あるもので頑張るしかない」
売り場の前で余りの金額にうなだれorz状態になってしまた。その後10分くらいどうしようかパックを眺め悩んでいだら後ろから肩を叩かれた
「すいません。長い事邪魔でしたよね?今退きますので」
「まぁ、邪魔だってのもあるんだが初期装備のままカード売り場で頭抱えてたからな。たぶんランダムスロットで職業ガチャしてマジシャンか占い師でもひいたんだろ?俺もマジシャンで苦労したんだわ」
そこにいたのは燕尾服にシルクハットを被りマスカレイドと柄頭の所が羽を広げた隼になっているステッキを腰に佩いている小太りのおじさんだった。
「えぇ、推察の通り占い師系を引きましてレベルやスキルが上がってタロットカード探しに来たらお値段にボディブロー貰いました。でもなんで占い師かマジシャンに絞ったんですか?あっちにもう一つカードありますけど」
「あぁ、それは簡単な事なんだ。主にカードを使う職業がタロットの占い師・トランプのマジシャン・BSZのデュエラーしかいない上にデュエラーはデッキを作る時にタロットやトランプみたいなカード本体に制約がないんだよ。その代わり強いカードを使う時はカード同士のシナジーとかが必要になるんだけどね」
凄っい教えてくれるじゃん。もしかしてこの人に聞いたらタロットの具体的なことは無理でもどこに師匠NPCがいるかはわかるんじゃない?お金も8万J報酬で貰ったばかりだし最悪全額はたいてでも聞かなきゃ。
「あの、、、私ノーヴァって言います。昨日始めたばかりで占い師の師匠NPCがどこにいるか知ってたら教えてくれませんか!?」
「う~ん教えてもいいんだけど俺が知ってる占い師の師匠NPCはたぶん今の君じゃいけないよ。それでもいいならトランプの3000Jのパック3つで教えてあげるよ」
9000Jの出費はちょっと痛いけど背に腹は代えられない。払ってやろうじゃないか!
「わかりました、出します。教えて下さい!」
「あ~、ホント自分で言ったことだけどいいの?マジで絶対にいけない場所なんだけど……」
そう言われても上目遣いで強く見つめ続けたら諦めたのかため息を一つ付いてから教えてくれた。
「東の島国『聖教国テンペス』の枢機卿が占い師の師匠NPCだよ。そして神々の教えを重視するテンペスと自由と娯楽を重視するこの遊楽国テレジアはくっっっそ仲が悪いです。それはもう犬猿の仲で蛇蝎の如く嫌い合ってます。そして重要なのがPNの後ろにあるレベルが40以上じゃないと国外へ出る関所を通れないから単純に無理なんだよ。このテレジアにもいるかもしれないけど俺はその枢機卿しかしらない。はい、教えたんだからトランプ買ってね?」
その後支払いをして親切マジシャンと別れてから広場に戻りログアウトしお昼を食べても心のダメージが大きくて現実の方のタロットの意味を調べて1日が終わった。