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第14話

良かった。波動には変な詠唱はないみたいだ。安心してるとペンデュラムが揺れ動き通りの先を指して止まった。ロッドの向きを変えてもペンデュラムの向きは変わらず同じ方向を指していた。


「私に付いて来て下さい。この振り子が指す先にいると思います」


小走りでペンデュラムの指す方に向かい辿り着いたのは、サクリフィルムと言う娼館だった。

入り口の所には柄の悪そうなモヒカンとムキムキのハゲが二人、扉を挟む様にたっていた。

その二人は俺達が入ろうとすると腕を広げ道をふさいだ。


「ここから先は高級娼館サクリフィルムだ。紹介のない者は入れられない」

「うるさい、邪魔だ!義流さんお願いします」


俺が頼むと義流さんと陸武さんが前に出て腹パン一つで二人を伸した。その後扉を開けて貰い中に入るとやけに甘い匂いがしていた。

入るとペンデュラムは真下を指して止まった。どうやら王女とリザちゃんは地下に居るようだが地下への階段等は見当たらない。

なのでさっきの男二人を縛ってから起こし特戦隊五人に剣を突き付けて貰い尋問した。

「ここのトップはどこ?早く言わないと色々な所が体とオサラバする事になるよ?」

「わ、分かった。言うから殺さないでくれ、ボスは二階に上がって左側の廊下を進んだ奥にいる。今日は外に出てないから部屋にいる筈だ」

「分かった。次は地下への行き方は知っているか?嘘をついても分かるから正直に答えろ」

「地下か?地下なら階段の裏の絨毯を捲った所にある板を剥がせば梯子がある」


そんな所にあったのか。でもわざわざそんな隠し方をするって事は占いの≪悪しき影≫はこの店の事だろう。ボスが逃げない様に義流さん達には上に向かって貰おう。


「義流さん達は上に向かって下さい。リザちゃん達は私が助けます」

「一人で行くのか?もし戦闘になったらどうするんだ?」

「大丈夫ですもしもの備えはありますし、小人数なら対処出来ます」


そう言って俺は一人で地下へ向かった。




地下へ降りると両手を広げた位の細い通路があり通路の両側面には檻があった。中には足枷を付けられた女の子達がいて皆表情が暗い。

たぶんこの娘達が誘拐された娘でこの中にリザちゃんや王女様がいるのだろう。


助けるにしても鍵がないと檻も足枷も外す事が出来ないので可哀想だか一旦無視して奥へと進んだ。突き当たりまで来ると扉があり、中から声が聞こえた。


「今回の仕事は楽だったなぁ。なんせリストの小娘どもを拐えば良いだけだからな、伯爵様々だぜ」

「全くだ、殺しをしなくていいなんてな。殺しは後始末が面倒でいけねぇ。それに引き換え今回は十人拐って監禁しとくだけで500万だからな。お貴族様の考えはわからねーや。まぁ、大方気に喰わないとかそんな理由だろうがな」


俺は話を聞きながら少し扉を開けて会話をしている二人を見つめてあげた。


(ほら、美少女の熱い視線だ、有り難く受け取れ)


見つめていると会話が終わった辺りで一人が倒れ、間髪入れずにもう一人も倒れた。解析で視てみると先に倒れた方は昏睡で後に倒れた方は麻痺だった。

安全が確保されたので部屋に入ると麻痺の方は意識がある為か誰何(すいか)してきた。


「お・・あえ、ないもお・・・だ?」

「私が誰かなんてどうでもいいの。それより死にたくなかったら鍵のある場所教えてくれる?教えてくれないなら今すぐ殺すけど」


俺が本気で言っている事に気づいたのだろう。誘拐犯は青ざめながら鍵の場所を教えてくれた。


「そ・・・いうの、うあいの・・ほけっ、とにはいってう」


言われ昏睡で倒れている男のポケットを探って視ると金属の輪っかで纏められた鍵束が入っていた。鍵には番号が振ってあり恐らくこれが牢屋の番号と一致するのだろう。


「鍵も見つかったしもう貴方達には用も無いし占いの実験になって貰うね」


今回は審判の逆位置が良さそうだな。絵柄は何でも良いけど怒りの日がベストかな。


「我は運命を紐解く者也。運命を司る二十二の叡知よ、その秘められ力で我らの道を導きたまえ。リリース」


出てきたのは審判ではなく塔の正位置。絵柄は神罰。意味はそのまま神の裁きや悲惨・惨事・惨劇等色々悪い事が含まれている。目当てのカードじゃなかったけど良いことにはならないだろう。自業自得だ。カードの絵柄や位置を確認したら今回もカードが光り、効果を発揮した様だ。

最初特に変化が起こらず失敗したか?と思ったがすぐに効果が何処に現れたか分かった。


「何も見えない、何も聞こえないし、何も感じない。なんだ、どういう事だ?何が起きている」


麻痺で倒れていた男が騒ぎ出したので解析してみると五感喪失の状態異常にかかっていた。昏睡で眠っている方も同じ状態だった。起きた時に地獄を見れば良い。

俺はそんな誘拐犯二人を放置して牢屋に入れられてる娘達を出してあげに向かった。


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