第13話
王様を占うのは問題ない。むしろ結果次第ではリザちゃんの居場所がより詳細になる。それにリザちゃんだけじゃなく王女様まで拐われてるとすると、他にも誘拐された娘がいるかも知れない。一刻も早く助けてあげなきゃ。そう思い、俺は迷わず王様を占った。
「無限の未来を視る星々よ。此の者の求める未来は何処にあるかここに示せ。リアライズ」
やっぱりちょっと恥ずかしいな。ホントなんとかならないかなぁ。そんな俺の嘆きは叶うはずもなく、無慈悲に占い結果は出ていた。
≪其が思いし場所に元凶有り。姫君は背徳と享楽の通りにて友と共に囚われている。助けたくば一刻の猶予も許されず、日の入り迄に見つけだせ。さもなくば娘らは亡骸となるであろう≫
ウッソだろ!!日の入り迄って今が15:30過ぎだから後2時間くらいしかないじゃん、ホントに急がなきゃ
「王様、さっき思い浮かべたソドムでしたっけ?たぶんそいつが犯人です。逃げない様にしといて下さい。私達は北東にある娼館を探します、おそらくそこに誘拐された娘達がいると思いますので先に向かいます、騎士団の手配お願いしますね」
言って義流さん達と王城を後にした。
だが俺の敏捷値は低いなにせ10しかないからな。速く走る事が出来ず義流特戦隊の5人に先に行って貰おうかと思っていたら、青い人にお姫様抱っこされた。
「急ぐんだろ?悪いが俺が運ぶ。だからハラスメントコールはしないでくれよな。義流しか自己紹介してなかったな、俺は羽仇義流特戦隊のスピードスターだ。宜しくな」
羽仇さんから自己紹介を貰ってから順に名前を教えてもらった。そう言えば義流さん以外名前しらなかったな。
「俺は陸武義流特戦隊の鉄壁の壁だ。宜しくな」
「私が義椅子義流特戦隊の剣ですかね」
「我輩が俱鏤怒義流特戦隊の砲台なり」
羽仇さんが青、陸武さんが白、義椅子さんが赤、俱鏤怒さんが緑の人で皆さんの名前をやっと知れた。(←知ろうともしなかったヤツ)
でも皆さんやっぱり悪の帝王の特殊部隊の人達ですよね?カラーリングまで揃えて増すし。なのにヒャッハープレイじゃ無くて人助けなんですね。
他にも話を聞くとリア友ではなく全員ゲーム内で知り合ったらしい。そこで名前が似てるから此の特殊部隊の名前を頂いたらしい。
そんな自己紹介をしてると町の北東エリアに着いた。北東は控えめに言ってもアンダーグラウンドな感じで娼館や奴隷商等、怪しい店が通りを埋めていた。
「羽仇さん、ここで降ろして下さい。ここからは私のスキルを使って探します」
そう言って俺は降ろして貰いたい、まずタロットを出し賦術を使った。
そろそろ詠唱にも慣れてきたな。
今回狙うのは絵柄を気にせず月の逆位置、月の逆位置には迷いが晴れるや見通しがよくなる等の意味がある。これがかかった状態でダウジングをすれば確実に見つける自信がある。
「我は運命を紐解く者也、運命を司る二十二の叡知よ、その秘められし力で我らの道を導きたまえ。リリース」
引いたカードは、、、、よし月の逆位置。自分を占う時にイカサマするとほぼ100%で欲しいカードが引けるね。
カードを確認すると緑色のエフェクトが体にかかり光った。次にロッドを取り出しダウジングを使う。
ロッドの先端にアメジストだろうか?紫の石が嵌め込まれたペンデュラムか着いていた。
(他のロッドを見たことないからなわからないけどグランデさんが言ってたみたいに、このロッドで人は殴れないよねぇ。やっぱり占い師系の為に作られたダウジング用のロッドなんだろうなぁ)
そんな事を思いながら波動を使ってダウジングを俺は開始した。