第12話
占いを終え義流さん達が待つ一階に戻り占いの結果を話した。
「なるほど、そんな結果が出たのか。それならまず王城に向かってみるのが良いかも知れないな」
「女将さんはここで待ってて下さい、青年団の方から何か報告があるかも知れないので」
「向かいながら一つずつ占いの結果を解いていこう。具体的なヒントが見つかるかも知れないし」
義流さん達に言われ俺達は占いの結果を解きながら王城に向かうのだった。
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王城side
「まだ見つける事は出来ぬのか?もう3日がたつぞ」
「申し訳御座いません。町中を探していますが、手掛かりすら見つかりません」
クソ、何故見つからんのだ。これだけ町の中を探したのに見つからないとなると既に外に出ているのか。いや、検問もある。それにあの娘がいないのに気付いて直ぐに各門の警備を強めた。そう易々と出れるものではない。まだ町の中にいるだろう。
国の者には迷惑をかけるかも知れんがそろそろ影の者だけでなく騎士団を動かすか。
王が一人考えていると門番の者だろう息を切らした一人の兵士がやって来た。
「陛下!御報告致します。先程誘拐事件の事で話があると言う怪しい6人組が来たので捉え地下牢に入れてあります。如何いたしましょうか?」
「でかした。ワシも直ぐに行く案内せよ」
「は!了解しました」
(これで捉えた奴等を尋問すれば見つかるだろう。影の者たちにも迷惑をかけた。無事見つかれば騎士団全体に褒賞を出さんとな。だが何者かの侵入を許した事は其は其で訓練を厳しくしなければ)
王は今後を考えながら捉えた者達がいる地下牢に向かった。
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何で俺は今牢屋に入れられているのだろう?王城前の門に着いて王様と誘拐事件の話がしたいって言ったら門番の兵士がいきなり笛を吹いて囲まれ、あれよあれよという間に牢の中。いったい何がいけなかったのだろうか?こうしている間にもリザちゃんが危ないかも知れないのに、、、
俺がそう思っていると怖い顔したおじさんが叫びながら牢屋を掴んできた。
「ワシの娘を何処へやったぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「陛下危ないです。お気持ちは分かりますが離れて下さい。いくら武器の類いを取り上げているとは言え御身に何かあってはいけません」
あ~ビックリした。何かと思ったよ。でも今の会話でなんとなく状況は分かったかな。
「あの良いですか?まず私達は誘拐犯じゃないです。組合役所で別の誘拐事件の調査を受けた者です。なんなら役所に確認取って貰っても構いませんよ、私の名前はノーヴァ、依頼は宿屋サニティの娘リザちゃんの捜索です」
「すまない、それは本当か?此方も非常事態故おいそれと信用出来んのだが?」
「じゃあ早く組合役所に問い合わせて下さい。リザちゃん達を助けるには急がなきゃいけないかも知れないんです!」
「わ、分かった。至急使いの者に確認を取らせる。それまで悪いがこのままになるが話を聞かせてくれぬか?」
俺がちょっと怒って言うとおじさんはビックリしたのか少し冷静になったのか、話を聞かせてくれと言ってきた。
「良いですけど、誤解が解けたらちゃんと釈放してくださいね、義流さん達もですよ」
俺はそう言ってこれまでの経緯や占いの結果、その解釈や憶測を話した。その間に組合役所に行った兵士の人が戻ってきて無事誤解が解けた。そしたらおじさんと兵士は頭を下げ謝ってきた。
兵士の方は笛を吹いて俺達を牢屋に入れた人だ。
「本当に申し訳ない。まさか協力者だとは思わずこんな仕打ちを」
「まぁ、良いですよ。今回はタイミングが悪かったみたいですし、それに王様の娘さん……王女様も失踪したんですよね。たぶんリザちゃんと同じ所にいますよ。力を貸してくれますか?鳳の一族はたぶん王様の事ですから」
「勿論だ。そこに娘もいるかも知れないのだろう?それなら手を貸さない訳には行かない。むしろここに来てくれてありがとう、少しのムリくらいなら私の名と権限で押し通して見せよう」
そして無事釈放され俺達は応接室へと通された。
「すまないが占いの結果と推測をもう一度説明してくれないか?そしてワシも占って貰いたい。その結果で似たような場所や似たような者の特徴が出れば間違いなくなくなる」
「はい、分かりました。まず宿屋の女将であるリープさんの占い結果が≪蒼き竜と蛇亀の護る間に悪しき影あり。黒き血に染まりし血族は最早貴き者にあらず。囚われの娘らを助けたくば鳳の一族を訪ねよ。さすれば囚われの娘らは助からん≫です」
まず女将さんの占い結果を伝えた。
「そしてこの占いの推測ですが、まず≪蒼き竜と蛇亀の護る間に≫これは東と北の間、北東方面を指していて王様が言うように検問を敷いていたなら街の中だと思います。次に≪黒き血に染まりし血族は最早貴き者にあらず≫は北東にいる貴族の中に何か悪い事をしている者がいると考えられます。そしてソイツにリザちゃんと王女様が捕まってると思われます。最後に≪囚われの娘らを助けたくば鳳の一族を訪ねよ。さすれば囚われの娘らは助からん≫は南にいる長くこの国に住んでる人か偉い人だと思い王城に来ました。以上がこれまでの推測です」
ここまでを伝えて王様に悪事を働いてる貴族に心当たりがないかきいてみた。
「心当たりはない事もない、ソドム・ゴリアテと言う男だ。ヤツは最近国への献金と領地からの税収増加に国家固有魔法の研究で子爵位から伯爵位にあがってな。その昇爵の為に今は自分の町に代官を置いてこの町に来ている。だが5代も前から国使えてくれている信に厚い者ゆへ疑いたくはないが北東の方角にいるはずの者の中で一番位が高く歴史が長いのはゴリアテ家だな」
「確証がないので容疑者くらいの気持ちでそのソドムと言う男の家まで向かいながらダウジングで探してみます」
「そうだな、だがその前により絞るためにワシを占ってくれ」
言われて王様を占った。