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第11話

俺は依頼を受けて直ぐに道を戻り噴水広場に辿りついた。噴水広場には義流特戦隊の人達がまだ初心者に道案内やオススメのレベリングスポットを教えていた。

戦闘があるかも知れないから声かけてみよう。


「義流さーん、少し良いですか?実は手伝って欲しい事が在るんですけど」

「おや、ノーヴァさんじゃないか。俺達は人助けプレイをしてるからね、大抵の事は聞けるよ。流石にお金やアイテムをくれってのは難しいけどね」


よし、この人達ならOKくれるだろう。俺はさっき組合役所で受けた依頼の内容と自分が占い師であることを話した。


「そう言う事なら俺達も手伝おう。一人で突っ込まなかったのは懸命な判断だ。もし戦闘が発生したら占い師一人では確実に負けていただろうからね」

「ありがとうございます。私も人攫いだったら戦闘があるかもと思って声をかけたので。心配なのでこのまま依頼主のところまで行きますけど大丈夫ですか?」

「私たちは問題ない。早速目的地まで案内してくれるか?」

「はい、こっちです。依頼主は西にある宿屋サニティの女将さんです」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


西の大通りに入って3分もすると白い外観の如何にも中世ファンタジーな宿屋があり看板には『憩いの宿サニティ』と書かれていた。

お店は開いておらず窓も締切だった。


「おそらく裏が経営している家族の住居になっているのだろう。裏口から声をかけてみよう」


義流特戦隊の赤い人義椅子(ギィス)さんに言われ皆で裏に回り扉をノックしたら心配でやつれているのか、かなり疲れた表情の女性が出てきた。この人が依頼主の女将さんだろう。


「組合役所で依頼を受けて来た占い師のノーヴァです。こちら依頼主のいる宿屋サニティで間違いないでしょうか?」

「あぁ、あんた達も娘の捜索を手伝ってくれるんだね、ありがとよ。町の青年団にも探して貰ってるんだけどねぇ、もう3日見つかってないんだよ。おそらくもう町の中にいないか、いき………生きてな…いか、、、うぅ」


女将さんはずっと心配してるのだろう。話している途中で泣き始めてしまった。


「女将さん、一旦中に入って落ち着きましょう?お話はそれからで良いですから」


そう言って女将さんを家の中に入れ落ち着かせた。


「すまないね、取り乱しちまって。依頼の話しだっね?家の娘のリザがお使いに行ったのは南にある城下町の市場さ。いつもなら1~2時間で帰って来るのにやけに遅いから心配になって私も市場に探しに行ったんだよ。最初は馴染みの八百屋、次に肉屋、話を聞いても来てないって言うからそれから他の八百屋や肉屋に話を聞きに行ったんだよ。それでも来てないって言うからおかしいとは思ったけどあの子の友達の家を廻りながら戻って来たんだけど何処にもいなかったんだ。帰ってきてもやっぱりいないから何かあったんじゃないかと思って騎士隊と青年団に捜索願いを出して探して貰ってるんだよ。未だに見つかってないけどね」


これは間違いなく誘拐か、何かしらの事件に巻き込まれてるな。でも物や人探しなら俺の本領発揮だ。


「女将さん、今から占いを使って何かヒントや足取りを探して見ます。リザちゃんが昔から大事にしてる物か部屋を見せて貰って良いですか?」

「大事にしてる物か部屋を?物は持ってくれば良いけどあの子も女の子だからね、部屋を見せるのはお嬢ちゃん一人で良いかい?あの子の了承も得ずに男どもを入れるのは可哀想だからね」


ご免なさい女将さん、俺もヤローの一人なんです。でもこれで波動を使う条件は揃った。後は星読みで大まかな場所さえ解れば足取りを追える。



女将さんとリザちゃんの部屋にやって来た。どうしても気になってしまうのだろう。女将さんは終始落ち着かない様子だった。


「女将さん、リザちゃんの気が残ってるこの部屋で女将さんを占います。なのでリザちゃんのことをいっぱい考えて下さい」

「娘の事を考えれば良いんだね?それなら任せなリザがいなくなってからあの子の事が心配で夜も眠れないくらい考えてるから」


それなら行けるだろう。俺は水晶を取り出し女将さんに天眼を使い星読みをした。


「無限の未来(さき)を視る星々よ此の者の求める未来は何処(いずこ)にあるかここに示せ。リアライズ」


やっぱりあるんですねぇぇぇ。でも今は気にしてる場合じゃない。占いの結果のが重要だ。水晶を覗くと結果が出ていた。


≪蒼き竜と蛇亀の護る間に悪しき影あり、黒き血に染まりし血族は最早貴き者にあらず。囚われの娘らを助けたくば鳳の一族を訪ねよ、さすれば囚われの娘らは助からん≫


「女将さん、リザちゃんはまだ生きてるかもしれません。占いだとまだ助ける事が出来るみたいです」

「本当かい!リ、リザはどこに……いったいどこにいるんだい?」

「落ち着いて下さい。まだ確かな場所が分かった訳ではないんです。それに助けるには何処か行かなくてはならない場所があるみたいで。女将さん。南にいる人で長く住んでる人達か偉い人って知りません?」


そう尋ねると女将さんはポカンとして、呆れた様に俺に言った。


「何言ってんだい?南なら偉くて一番長く住んでる人達がいるじゃないか。ここからでも住んでる所が見えるよ」


そう言って女将さんはリザちゃんの部屋の窓を開け王城を指指した。

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