タイの反政府デモ、王室への改革要求とは
タイでの反政府デモがまた盛り上がっている。
政府に対するこういったデモは10年以上前から断続的に外交ニュースとなっており軍の出動を伴う事態もあったりして危機感を感じる一方ある程度慣れっこになっている気がする。
日常のようにこういったデモが起こってもこれまでは国王の仲裁という最後の砦によって流血の事態は最低限に抑えられてきたのではないかと思うのだが、ここ最近はむしろその国王自体がデモの改革要求の一つとなり状況が変化してきたのではないかと思う。
現国王は継承以前から何かとお騒がせな人物としてこれまでの国民から一身に尊敬を集める存在としての王位につくことに懸念を抱く話もあったがその心配が現実になったといえるのだろう。
日本などに比べかなり政治への影響力を残しているものの立憲君主制国家として日本やイギリスとつい比べてしまう。
結局の所、国王がやりたい放題できる時代はすでに終わったということなのだろう。
どこの国も若い世代が少なくない問題を起こし話題になることがあるが国王がその対象になったというのは彼らと違い救いのなさを感じずにはいられない。
日本では特に感じるが立憲君主というものが国民によって支えられるために少なくない自制を重ねていることが多い。尊敬と親近感、そして微妙な距離感があるのではないかと思う。
タイ国王のように女性問題や政治への干渉、長期にわたる国外生活。前国王との違いもあってより国民にとっては目につくのだろうが立憲君主制国家の国王というものの一つの例となるのではないだろうか。
他山の石というべきなのか我が国においてはこうはなってほしくないと思ってしまうのは重い負担なのかもしれないがつい期待してしまう。