七十五話
リザードマンの集落を魔法障壁で支援しながら攻略していると氷の矢が飛んできた。
魔法用の障壁で防御しながら飛んできた方向を確認すると杖を構えたリザードマンがいる。
メイジのリザードマンは珍しいが全くいないというわけではない。
粗末な製鉄技術ではあるものの鉄製の武器を持ち稀に現れるメイジがいるからこそ他の魔物より難易度があがる理由だ。
「ミリアーヌ。奥にいる杖を持ったリザードマンを狙ってください」
「あれですね」
少し集中してミリアーヌはウィンドカッターを放つ。
首に命中させることは出来なかったがメイジの無力化に成功する。
「狙いがそれました」
「無力化には成功しましたね。近距離はミーシャに任せて距離のあるリザードマンを狙ってください」
「私の負担が増えそうなんだけど」
「しっかりサポートしますから安心してください」
文句をいいつつも的確に首を狩っていくミーシャはいい腕をしていると思う。
少し手間取ったが無事リザードマンの集落の殲滅に成功する。
「ミリアーヌこれを飲んで少し休んでください」
魔力を回復する薬をミリアーヌに渡しミーシャと手分けしてリザードマンの遺体を回収する。
「ミーシャはまだ余裕がありそうですね」
「少し疲れたけど大丈夫」
今まで戦うたびに魔力を放出していたのが循環させられるようになったことで継戦能力が大きく伸びたのが大きい。
「そろそろ大蛇が集まってきますよ。魔法で動きを阻害しますので確実にしとめてください」
「任せてよ」
しばらくミーシャと二人大蛇の相手をしていると休憩を終えたミリアーヌが合流する。
「ご迷惑をおかけしました」
「謝罪は後です。ミーシャを休ませたいので攻撃に参加してください」
「私ならまだ大丈夫だよ」
「長期戦になりそうですので休めるときに休むのも大事なことですよ」
「そういうことならお言葉に甘えさせてもらいますね」
そういうとミーシャは少し後ろでゴロリと横になる。
口では強がっていたがやはり疲労は溜まっていたのであろう。
ミリアーヌとミーシャを交代で休ませながら大蛇を討伐していった。
「ようやっと終わったぁぁ」
「お疲れさまでした」
「私は何度も休ませてもらって魔力を回復していましたけど師匠は休みなくずっと魔法を維持しててすごいです」
「魔力は毎日少しずつ伸ばしていくしかないですからね」
「終わったけど剣がボロボロになちゃった」
「どちらも鱗があって硬いですからね。明日は剣を新調しましょうか」
「街にいくならショッピングもしたいな」
「用事が終わって時間があるなら構いませんよ」
