七十一話
夕暮れ近くになりそろそろ切り上げようと声をかける。
「今日はこの辺にしておきましょうか。ミリアーヌ屋敷の前まで転移してみましょうか」
「私がですか」
「失敗してもフォローしますので大丈夫ですよ」
ミーシャと共にミリアーヌにつかまる。
「それでは飛びますね」
ミリアーヌは集中して転移の魔法を発動する。
独特の浮遊感の後無事屋敷の前に転移した。
「無事成功しましたね。森の中は迷いやすいので行きの転移は私がしますが帰りの転移は練習をかねてミリアーヌにお願いしますね」
「私は魔法の才能はないからミリアーヌが羨ましいですよ」
「ミーシャはまったく魔法の素質がないわけではないと思いますよ。系統が特殊で普通の素養をみる水晶だと判別できないだけだと思いますよ」
「私も魔法を使えるようになるのかな」
「腕を見させて貰ったときに幻術を使っていましたし身体強化の魔法は使えていますからね」
「狐族に伝わる秘技のことかな。でもウィリアムさんには通用していなかったし」
「探索魔法で気配を感じとっていましたからね。気配も誤魔化せるようになれば十分脅威になりますよ」
「どうしたら気配を消すことができるのかな」
「そうですね。一緒に考えてみましょうか」
「師匠。取りあえず中に入りませんか」
「そうですね。夕食まで居間でティータイムといきましょうか」
扉を開けるとセバスチャンが待機しており挨拶してくれる。
「おかえりなさいませ」
「ただいま。お茶の準備をお願いしてもいいかな」
「すぐにご用意いたします」
お茶を楽しみながら収納魔法から魔法の素養を見る水晶を取り出し改良を加える。
「師匠は何をしているんですか」
「ちょっとした改良をですね。これで普通ではわからない魔法の素養をみることができると思いますよ」
水晶をミーシャに渡す。
しばらく待っていると霧のようなものが水晶に浮かび上がる。
「何か浮かび上がってきました」
「想像通り幻術に素養があるようですね」
「幻術って何ができるんですかね」
「高度な幻術は実際に起きていると相手に錯覚させたりすることができるんですよ。例えば実際には燃えていないのに燃えていると思わせることができます。体が誤認して火傷を負ったりとか酷い場合だとショック死したりですね」
「使い方次第で色々なことができるんですね」
「使いこなすのは大変だと思いますが頑張って修行に励みましょう」
「最初は何からはじめたらいいんですか」
「まずは基本の魔力を循環させる瞑想からですね。ミリアーヌやりかたを教えてあげてください」




