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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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六十七話

「ロードベルト卿をわかっていると思うがすぐに手を打つのだぞ」

「かしこまりました」

「もう下がってよいぞ」

「失礼いたします」

ロードベルト卿が出ていくと同時に宰相が戻ってくる。

「ただいま戻りました」

「宰相よ。それの使い道なのだがな」

「心得ております。各国境線にまわすように手配いたします」

「うむ。ウィリアム卿よ。他に困っていることはないか」

「そうですね。毎回王都の近くに転移するのも手間なのでどこか転移してもよい場所はないでしょうか」

「そういうことならこの部屋に転移して貰って構わない」

「ウィリアム卿には今後も何かしら頼むかもしれません。連絡を取るにはどうしたら」

「そういうことでしたら私の執事が同じものを持っておりますのでそちらに連絡して貰えればすぐに伺います」

「そうであったか。それならばすぐに連絡は取れるの」

「それでは私は帰りますね」

「うむ。何か困ったことがあったら気軽に来てくれ。力になろう」

国王陛下と宰相に見守られたまま屋敷に転移した。


屋敷の庭ではミリアーヌとミーシャが走っている。

こちらを見つけたのか二人が駆けつけてくる。

「師匠。おかえりなさい」

「ウィリアムさんおかえり」

「二人は体力作りでもしてたのかな」

「そうだよ」

「ミーシャさんが魔術師も基礎体力は大事だって言うので」

「状況にもよるけど魔術師も動き回れた方がいい時があるから間違ってないですね」

「師匠もよかったら一緒にどうですか」

「そうですね。それでしたら効果的な体の動かし方をお教えしましょう」

「わくわく。効果的な動きってどういうのだろう」

二人と一緒に体を動かしていく。

「ミリアーヌ足が止まっていますよ」

「ひぃぃ。師匠これきついですよ」

「ミーシャはまだ余裕がありそうですね。もっと早く動いてください」

自分もきっちり動きながら随時指示を出す。

休憩を挟みながら限界ギリギリを見極めて夕方まで体を動かし続ける。

「はぁはぁ。師匠もう限界です」

「私ももうダメです」

「二人ともよく頑張りましたね。今日の所はこの辺にしときましょうか」

屋敷の中に入ると美味しそうな匂いが立ち込めている。

「訓練おつかれさまでした。夕食のご用意ができておりますよ」

それぞれ席につくとセバスチャンがそれぞれに肉をふんだんに使ったピザとファルファッレを使った野菜スープを出してくれる。

「今日はいっぱい動いたから沢山食べられそうです」

「肉がゴロゴロ入っててこのピザ美味しい」

「パスタに野菜の味が沁み込んでいてスープも絶品です」

「喜んでもらえたようでなによりでございます」

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