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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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六十六話

国王陛下と宰相と話をしながら待っているとロードベルト卿がやってきた。

「国王陛下お呼びとか」

「ウィリアム卿がいることで思い当たることはないか」

「とんと覚えがございませんが」

「ウィリアム卿の所領に冒険者を雇って送っているであろう」

「大賢者の残した偉大な成果を確保しようとする行為のどこがいけないのでしょうか」

「国王陛下、宰相、私の口から説明します」

「頼む」

「私の屋敷にロッテムハルトの冒険者ギルドから使者が着ましてね。これ以上ロッテムハルトの冒険者が減ると支障をきたすので対応して欲しいと頼まれまして」

「冒険者など掃いて捨てるほどおるのだ減っても何の問題もないであろう」

宰相が口を挟む。

「主は冒険者の役割を軽視しすぎではないか。確かにごろつきのように困らせるものもおるが冒険者によって支えられている国民がどれほどいると思っているのだ」

「ロードベルト卿よ。正式な謁見ではなくここに呼んだのは世の恩情でもある。他領に干渉するのは貴族としてもまずいのはわかっておるか」

「陛下こそ大賢者の名を騙るどこの馬の骨ともわからぬ者を徴用するのはやめていただきたい」

「ふむ。つまりウィリアム卿が大賢者であると証明できればよいのだな」

「証明できるのなら認めましょう」

「宰相よ。大賢者様が作られたという壊れてしまった遠距離通信用の水晶があったな。それを持ってこさせよ」

「かしこまりました」

宰相が指示するといくつかの水晶を侍従が部屋の中に運び込んでくる。

「ウィリアム卿すまないがこれらを修復してみせてくれ」

「ふむ。故障というよりは込められた魔力がなくなっているだけですね」

水晶に魔力を込めていく。

「こちらで何とかしようと試行錯誤したがダメだったというのに見ただけでわかるのですね」

「作った本人ですからね」

「宰相。水晶を一つ持って隣の部屋にいってくれ起動するのか確認したい」

「水晶で思い出しましたがアーネスト卿が見つけたゴーレムを操作する水晶を取り上げたそうですね」

「あの何の役にも立たない下級貴族のことか。元々ロッテムハルト家の持ち物をたまたま見つけてそれを回収しただけではないか」

「アーネスト卿というのは」

「ロッテムハルトで考古学者をやっている貴族の事ですよ」

会話を続けていると国王陛下の持っている水晶から宰相の声が聞こえてくる。

「国王陛下。聞こえますか」

「おぉ。よく聞こえておるぞ。手間をかけさせて悪いが戻ってきてくれ」

「ただいま参ります」

「これでウィリアム卿が大賢者様だと証明できたな」

「そのようですね」

ロードベルト卿は悔しそうな顔をしている。

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