五十九話
買取の査定が終わるのを待っている。
「こんなに簡単にランクってあがるんですね」
「そうですね。私も苦労してませんし」
「普通は数年かけて上がるもんだ。腕がいいあんたたちは例外だな。よし終わったぞ」
買取票を持って歩く男性に続いて買取所を出て受付へ向かう。
「何か問題でもありましたか」
「すまんがランクアップの推薦だ。この嬢ちゃんをCランクだ」
「新人をいきなりCランクにですか」
「この買取票を見て貰えばわかるが新人扱いできるレベルじゃない」
「凄まじい討伐記録ですね」
「後はこっちの兄ちゃんにはBランクへの昇格試験を受けさせたいんだが誰かいるか」
「Aランクのミーシャさんが待機していますがどうしますか」
「ミーシャの嬢ちゃんか。まぁ大丈夫だろ。兄ちゃん準備は大丈夫か」
「問題ありませんよ」
「それじゃぁ。ついてきてくれ」
男性の後に続いて地下に続く階段を降りていくと闘技場のような場所についた。
闘技場の中心では狐耳のついた少女が剣を振るっている。
狐族の獣人のようだ。
「ミーシャの嬢ちゃん仕事だ」
男性が声をかけると凄まじい勢いでこちらに駆け寄ってくる。
「ここに来たってことはお仕事かな」
耳はピコピコ動き尻尾がブンブン振られている。
「こっちの兄ちゃんのBランク昇格試験を頼むぞ」
「ふんふん。僕に触れることができたらランクアップさせてあげるよ」
「触れるだけでいいのか」
「簡単には捕まってあげないからね」
ミーシャと二人で闘技場の中央で向かい合う。
「それじゃ。準備はいいか。試験はじめ」
はじめの声と同時に転移魔法でミーシャの背後につき肩に手を触れる。
「えっえっ。消えたと思ったら一瞬で後ろに」
「これで条件は満たしましたね」
「ここまであっさり条件を満たすとは試験終了。これでBランク冒険者だ」
「狐だけに狐につつまれた気分です」
納得していないようだが冗談を言って和ませてくれる。
「師匠。今のって転移魔法ですよね。そういう使い方もあるんですね」
「負けちゃったし手続きに行こうか」
先頭に立って闘技場をでていくミーシャに続き階段を上って受付に向かう。
「随分早いお戻りですね。試験結果はどうでしたか」
「てへへ。負けちゃったから更新手続きお願いね」
「わかりました。ギルドカードをお願いします」
ギルドカードを受付に渡す。
「ミリアーヌさんがCランクでウィリアムさんがBランクですね」
手際よく更新手続きをしてくれる。
「まずはギルドカードのご返却となります。後はこちらが今回の買取品の支払いとなります」
大きな革袋に入ったお金を手渡してくれる。
「お兄さんはウィリアムっていうんだね。ついていってもいいかな。一緒にいると楽しそうだし」
「私は構いませんよ」
「よろしくね。ミーシャちゃん」




