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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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五十三話

衛兵に囲まれ衛兵詰所までやってきた。

「武器を預からせて貰おうか」

武器を取り上げられ椅子に座らせられる。

「貴族だとは思わないが一応紋章官を呼んでこい」

衛兵の一人が建物の奥に入っていく。

「わかってると思うが貴族を騙るのは重罪だ。これをどこで手に入れた」

貴族証を指しながら尋問してくる。

「王宮で陛下から貰いましたよ」

「まだ言うのか。紋章官がつく前に自白すればまだ罪が少ないのだぞ」

「そうは言われても何もやましいことはないですからね」

しばらく待つと奥から周りより立派な装いの衛兵が出てくる。

「隊長自ら出てくるような事態ではありませんよ」

高圧的にでていた衛兵の態度が一変する。

「貴族かもしれない相手を捕まえたっていうんだ。失礼があったらまずいだろ。これがその紋章か。ロッテムハルト家の物より立派に見えるな」

「ですがこんな紋章見たことありませんよ」

「お前は王国全ての紋章を覚えているわけではないだろう」

文官の装いをした男性が出てくる。

「お待たせしました。鑑定して欲しいという紋章はどこですか」

衛兵は待ってましたと言わんばかりに机の上に置かれた紋章を示す。

「これだ。お前も見たことがないだろ」

「これは、マクロード大公爵家の紋章ですね。申し訳ありませんが紋章に魔力を通していただいてもよろしいでしょうか」

「構わない」

貴族証を手に取り魔力を通す。

「紋章は正常に動作しています。大公爵閣下ご本人であると確認しました」

「すまん。無知を晒すようで悪いんだが伯爵様の紋章に魔力を通すしかけなんてないよな」

「一握りの高位貴族の紋章に仕組まれているだけですからね。紋章官でもない限り知らないのが普通です」

「大公爵閣下。部下が大変申し訳ないことをいたしました。処分はいかようにも」

「ここで処分をしてしまうとロードベルト卿から恨まれそうですし今回は何もなかったということで」

貴族証をしまい剣を返してもらって席を立つ。

「大公爵閣下の慈悲に感謝いたします」

「それでは私はいきますね」

想定外のことでずいぶん時間を取られ時刻は夕暮れどきになっていた。

ミリアーヌを迎えに行くために教会への道を進んでいく。

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