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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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五十二話

次々と診療にやってくる人達の症状を聞きながら治療を施していく。

しばらく治療を続けていると入り口が騒がしくなる。

何事だろうかとそちらへ向かうと薄汚れた格好をした少年とシスターが言い争いをしていた。

「どうしましたか」

「スラムの子供達が風邪の集団感染を起こしたみたいなんですが治療を受けさせるためにはここまで来てもらわないと」

「だからいってるじゃないか。動かせるような状態じゃないんだよ」

必死に訴えかけている少年も時々咳をしている。

「そうですね。私が出向きましょうか」

「おっさんが診てくれるのか」

「ウィリアムさんよろしくお願いします」

口ではダメだと言いつつも子供達のことが心配だったのだろう。

「その前にまずは君の治療からだな」

少年に回復魔法をかけクリアの魔法で服の汚れを落としてやる。

一時凌ぎにすぎないが不衛生な服を綺麗にすることで発症リスクを下げるのも大事なことだ。

「すげぇ。おっさんありがとう」

「これで大丈夫ですね。さぁ、皆の所へ案内してください」

すっかり元気になった少年の後に続いてスラムへと急ぐ。

「おっさんこっちだよ」

細い路地をいくつか抜け入り組んだ所で地面に横になる子供達をみつけた。

熱にうなされている子供達に回復魔法とクリアの魔法をかけてまわる。

診察していて気付いたが皆痩せておりろくに食べていないのだろう。

固形物を食べさせるのは危険なので野菜を魔法で細かくしスープを作りお椀に注ぎ一人一人に手渡していく。

「おっさんありがとうな病気治してくれ御飯も」

「気にしなくていいですよ。少ないですが保存のきく食料です」

保存のきく食べ物をまとめて少年に手渡す。

「ありがとう。おっさんが困ったことになったら絶対力になるからな」

「それは頼もしいですね。楽しみにしています」


子供達と別れ教会に戻るべくスラムを歩いていると巡回している衛兵達に取り囲まれた。

「怪しい奴め。こんな所で何をしている」

「スラムの子供達が体調を崩たというのでそれを見た帰りです」

貴族証を呈示する。

「見たことのない証だな。貴族かどうかも疑わしいついてきてもらおうか」

騒ぎを起こすわけにもいかず衛兵達におとなしくついていくのだった。

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