五十話
ミリアーヌを迎えに教会を訪れた。
入り口の近くにいた壮年の男性に話しかける。
「すまない。ミリアーヌを迎えに来たのだが」
「教会へようこそ。すみませんがどのようなご関係でしょうか」
「師弟の関係です」
「貴方がウィリアムさんでしたか。ミリアーヌなら治療室で治療の手伝いをしていますよ」
教えられた道順に進み部屋にノックをしてから入る。
「ミリアーヌ迎えにきましたよ」
「師匠おかえりなさい。少しだけ待って貰っていいですか」
ざっと見たところ治療待ちの人が列を作っている。
「待つというより治療を手伝ったほうが早そうですね」
列を誘導して貰い治療を開始する。
風邪の症状を訴える患者が大多数をしめる。
最後の患者をミリアーヌと二人で見送る。
「結構時間かかっちゃいましたね。普段はここまで多くないのですが」
「風邪の症状を訴える方が多かったのですがそちらはどうでしたか」
「こちらも風邪の症状を訴える方が多かったです」
「流行の兆しありといったところですね」
列の誘導をしてくれたシスターがお礼をいってくる。
「お二人のおかげで皆さんを診ることができました。ありがとうございます」
「お聞きしたいのですが風邪の症状を訴える方はいつ頃から」
「二、三日前からですね。お二人の回復魔法のように即効性はありませんが薬を処方して対応していました」
「季節外れですが薬の在庫はありますか」
「材料はあるのですが薬師が過労気味でして」
「私が調合しましょう。調合室をお借りしてもよろしいでしょうか」
「それは構いませんが」
シスターの案内で調合室に移動する。
調合室では薬師と思われる男性がフラフラとしながらも調合を続けていた。
「ドクトルさんちょっとよろしいでしょうか」
「なんでしょう」
ドクトルと言われた男性は作業の手を止めてこちらに振り返る。
「こちらの方が調合を変わってくださると」
「そのような状態ではミスをしてしまいますよ」
ドクトルのやっていた作業を引き継ぎ手早く薬を調合していく。
「わたしより手早い。正直限界だったのですが患者さんのことを考えると休むに休めなくて。助かります」
ドクトルはそういうとその場で横になり眠りはじめてしまった。
「すみませんがドクトルさんに毛布をお願いします。ミリアーヌはゆっくり休んでくださいね。明日治療してから屋敷に戻りますよ」
指示を出しながらも手は止めることなく薬を調合していった。




